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分泌タンパク質の細胞内と細胞外での分子量の違い トピック削除
No.1071-TOPIC - 2011/10/14 (金) 18:43:26 - CHOS-7細胞
はじめまして。実験結果の考察に行き詰ってしまいましたので、初めて質問させていただきます。

現在、CHO細胞を使用してヒト由来のタンパク質発現を行っています。
扱っているのは膜一回貫通型タンパク質で、N型糖鎖の修飾は起こらず、推定上のO型糖鎖付加が起こりそうな配列がN末端側に一部存在します。そして膜貫通領域のN末端側にプロテアーゼ切断部位があり、切断後のN末端側が分泌型タンパク質Sとして細胞外に分泌されることが判明しています。

このSの検出を目的として以下の実験を行いました。

目的タンパクの安定発現CHO細胞から、SDSで溶かした細胞画分と48時間培養上清を得て15%SDS-PAGEに供し、ウェスタンブロッティングで検出しました。
今までは泳動時間控えめで、細胞画分と培養上清にSと見られるバンドが見られました。しかし泳動時間を40分ほど長くとったところ、培養上清は単一バンド(S)のみがみられ、細胞画分は二本のバンド(SとS')に分かれていました。培養上清のSは細胞画分のS'と比べて0.5kDa程度分子量が小さくなっています。また、細胞画分においてS'はSより10倍程多く存在していました。

今までは切断後直後の断片は修飾をうけずにSとして分泌され、細胞内と培地でのSの分子量は同じになると考えてきました。
が、上記の実験結果から、切断後に分泌型タンパク質の前駆体S'が細胞内でストックされ、その後に何らかの修飾(もしくは脱修飾)を受けることでSとして分泌されるとも考えられます。

ちなみに、今回はヒト由来膜タンパク質をハムスター卵巣由来CHO細胞で発現して上記の結果になりましたが、COS-7細胞で行った以前の実験結果についても、同じように泳動度の違いが見られました。

0.5kDa程度の泳動度の違いを与える要因はなんなのか、またはその要因を調べるため、どのような実験をしたら良いかアドバイスを頂けたらと思います。
 
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(無題) 削除/引用
No.1071-5 - 2011/10/15 (土) 17:33:54 - ch
切断前の分子は全然大きさが違うんですよね。
培養上清は単一バンド(S)って言うの面白そうですね。

(無題) 削除/引用
No.1071-4 - 2011/10/15 (土) 08:15:49 - CHOS-7細胞
ご意見ありがとうございます。


O-グリコシダーゼ、http://www.nebj.jp/f/58 こちらを参考にしますと、実験系を動かすのに3万円ほどでしょうか。これは試してみたいですね!
MASも良いとは思いますが、タグ無しで精製が難しい・発現量低い(6cm dishの細胞全部でS'=10〜20ng程度)、の状況なので、おそらく先生からのGOサインが出なさそうです。


サンプル調製方法を補足します。
・細胞画分:ディッシュ上の細胞を1×Loading bufferで溶かしてボイルしました。原液の5×Loading bufferからPBSで希釈して1×Loading bufferとして使用。
・培養上清:5×Loading bufferをそのまま加えてボイル。
なので、サンプルの大部分を占めるPBSおよび培地の塩濃度は把握する必要ありですね。

今のところ細胞画分に二本のバンドがあるのは確実ですが、培養上清の単一バンドと細胞画分の二本のバンドがすべて違うものの可能性も否定できません。
これほど泳動度が近いバンドの分離は初めてですので、細胞画分S'≠細胞画分S=培養上清Sを確実に支持するデータが取れればと思います。
(さらに泳動時間を伸ばして確認し、分離が改善しなければTricine-SDS-PAGEかグラジェントゲルの使用を検討してみます。)

(無題) 削除/引用
No.1071-3 - 2011/10/14 (金) 20:38:00 - ンンノ
試料中の塩濃度の違いで電気泳動の移動度が変わることがありますが、
細胞画分のS'と培養上清のSが同じものという可能性はありませんか。

(無題) 削除/引用
No.1071-2 - 2011/10/14 (金) 18:52:42 - ~
そのくらいの移動度の違いだと、高次構造の違いなども絡んできて、必ずしも”分子量”の違いが引き起こしているとはいえないと思います。
アミノ酸置換でですが、60 Daしか変わっていないのに、移動度からは数kDa変わっていたことがあります。
そのため、何か変わっているとしても、0.5kDaという数字に捕らわれないほうがいいかと思います。

O型糖鎖修飾を受ける可能性があるのでしたら、O-グリコシダーゼで処理してみてはいかがでしょうか。
培養上清と細胞画分の両方処理すれば、両方同じ位置に来ることが期待できますよね。

とくに"あたり"を付けずに解析するのであれば、MALDI-TOF/MSなどで修飾部分を同定するのが近道かと思います。

分泌タンパク質の細胞内と細胞外での分子量の違い 削除/引用
No.1071-1 - 2011/10/14 (金) 18:43:26 - CHOS-7細胞
はじめまして。実験結果の考察に行き詰ってしまいましたので、初めて質問させていただきます。

現在、CHO細胞を使用してヒト由来のタンパク質発現を行っています。
扱っているのは膜一回貫通型タンパク質で、N型糖鎖の修飾は起こらず、推定上のO型糖鎖付加が起こりそうな配列がN末端側に一部存在します。そして膜貫通領域のN末端側にプロテアーゼ切断部位があり、切断後のN末端側が分泌型タンパク質Sとして細胞外に分泌されることが判明しています。

このSの検出を目的として以下の実験を行いました。

目的タンパクの安定発現CHO細胞から、SDSで溶かした細胞画分と48時間培養上清を得て15%SDS-PAGEに供し、ウェスタンブロッティングで検出しました。
今までは泳動時間控えめで、細胞画分と培養上清にSと見られるバンドが見られました。しかし泳動時間を40分ほど長くとったところ、培養上清は単一バンド(S)のみがみられ、細胞画分は二本のバンド(SとS')に分かれていました。培養上清のSは細胞画分のS'と比べて0.5kDa程度分子量が小さくなっています。また、細胞画分においてS'はSより10倍程多く存在していました。

今までは切断後直後の断片は修飾をうけずにSとして分泌され、細胞内と培地でのSの分子量は同じになると考えてきました。
が、上記の実験結果から、切断後に分泌型タンパク質の前駆体S'が細胞内でストックされ、その後に何らかの修飾(もしくは脱修飾)を受けることでSとして分泌されるとも考えられます。

ちなみに、今回はヒト由来膜タンパク質をハムスター卵巣由来CHO細胞で発現して上記の結果になりましたが、COS-7細胞で行った以前の実験結果についても、同じように泳動度の違いが見られました。

0.5kDa程度の泳動度の違いを与える要因はなんなのか、またはその要因を調べるため、どのような実験をしたら良いかアドバイスを頂けたらと思います。

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