審査する人は限られた期間で大量の書類を読んで評価しなくてはなりません。いま仮に、自分が審査する側になったつもりでここ数日で厖大な数の似たような書類を読まなくてはならないと想定して、どんな書類だと最後まで読んでみたくなるかを考えてみましょう。所詮、人間のすることですから半分くらいまで読んだ時点で、あまり読みたくないなあと感じるものと、最後まで読んでみたくなるものとがあるのは仕方ありません。採択率を考えればはじめから前者に振り分けられる方がはるかに多いでしょうし、その場合、採択される可能性はとても低いでしょう。内容を正当に評価してもらうにはまずここをクリアしなくてはなりません。そこで、1)文字は小さすぎない。(読みにくいとそれだけで読みたくなくなるので)2)文章はわかりやすい平易な言葉で簡潔に。(あなたの研究テーマについてほとんど予備知識が無い人が読んでいる場合も多いことを考慮して書く、少数の特定の専門家しか分からないようなことよりも、研究テーマを異にする人も理解し関心をもつような、より一般性のある部分に重点をおいて)。2)ここは重要とおもうところ、分かりにくいかもしれないと思うところ、文章だと説明が長くなりそうな所は、模式図を有効に使って説明。(文章を細かく読まなくてもパッと見て、言いたい事が分かるので読み手としてはとても有り難い。)3)(差し支えない範囲で、論文のように)実際のデータを入れる。(具体性、実現可能性をアピールできる)4)業績リストに挙げている論文との対応を明記。(関係ない論文を並べて数を稼いでいるのでないことを示す意味で。)5)目標は欲張らず1〜2点に絞る。6)ちょうど学会発表のポスターを作るみたいな感じで書く。
最後に、もしも可能ならば研究費審査の経験のある ベテランの先生に見てもらい意見を聞くとようでしょう。
前年はほとんど話にならないみたいな感じで不採択でしたが、翌年、書き方を上記のように一新したところ、内容、研究業績は全くそのままにも関わらず、採択されました。 |
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