1時間くらいなら問題ないと思います。細かい部分は分かりませんが、少なくとも見かけの泳動パタンが変わるような事は無いと思います。ただ数時間とかO/Nとかあまり長いのは、ゲルからのリークがスポットの拡散が無視できなくなると思うので止めた方がいいと思います。経験的には30分というのはむしろ平衡化に最低限必要な時間という感じがします。特に添加蛋白質量が多い場合は平衡化は十分に行った方がいいです。平衡化を十分に行う(45分程度、10〜15分ごとにこの間bufferを4〜5回交換)と、2次元目のスポットの縦方向のテーリングがだいぶ改善され(つまりSDS化がしっかりできた)、ゲルに入ってくる各スポットの蛋白質量が幾分増えましたので、そのくらいの長さやってました。蛋白質が拡散したり抜けたりしているという感じは無かったです。
1次元目(IEF)で止めたい時は、(洗ったり平衡化したりしないで)ゲルをそのまま-20〜−80Cでフリーズ出来ます。10ml用の使い捨てプラスティックピペットの両端をヤスリで切ってパラフィルムで蓋するといいです。小さいゲルなら15ml用ファルコンテューブもいいかも。これで1週間くらいなら特に問題ないです。(それ以上長いと横の拡散が目立ってきましたので勧めません。)
凍結保存したゲルを2次元目に持っていくときに大事な事は、フリーザーから出したら、まだゲルが凍ってるうちに手早く平衡化bufferに入れてしまうことです。
あとIEF後のゲル内の蛋白質は室温でもそんな簡単には拡散しませんから30分くらいならあまり神経質にならなくてもいいと思います。
固定処理はした事はないです。残存アンフォライトはIEFゲルをCBB染色するときは染まってしまい大きな問題になるので除去する必要がありますが、2-DPAGEするなら、無理して一生懸命に除く必要性は無いと思います。平衡化中に拡散して抜ける分だけで十分でしょう(アンフォライトはゲルの一番下の部分に来るのでその辺のスポットをよく見たいと言う特別な場合以外は。)
IEF後に固定処理した場合、ゲル内で固定された全ての蛋白質がきちんとSDSで再び可溶化しているという保証はあるのでしょうか?ここで可溶化が不完全な蛋白質はうまく2次元目のゲルに移行出来ず、再現性に問題が起きたりアーティフィシャルなスポットの量的変化につながる可能性は無いのでしょうか。あまりいい事は無いような気がするのですが。 |
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