100kDaより小さいタンパク質であれば、遠心して回収した細胞をSDSサンプルバッファーに懸濁し、すぐに煮沸してその上清を泳動すれば大丈夫だと思います。沈殿は細胞壁などの不溶性の残渣ですので、あまり気にしなくともよいでしょう。ただしサイズの大きなタンパク質や疎水性の高いタンパク質などは、これでは失われる可能性もありますので、そのような場合にはグラスビーズなどで細胞を破砕する必要があります。
それより気にすべき事はタンパク質の分解です。酵母の液胞内にはプロテアーゼなどの加水分解酵素がしこたま詰まっているので、SDSサンプルバッファーに懸濁した状態で長く置くと、漏れ出たプロテアーゼが半端に変性して切れやすくなったタンパク質をズタズタにしてしまいます。懸濁から煮沸まで10秒程度を目標にしています。 |
|