おそらくSDSの存在で構造が開いて、その瞬間に残っていたプロテアーゼ活性が作用したということかと思います。
これは割とあります。SDSの変性作用によるプロテアーゼ活性の消失に要するよりも、
SDSによって立体構造が開いて、nativeより切れやすい構造を作るまでの時間の方が短いということでしょう。
おそらく活性部位は堅いfoldをしてるけど、
切れやすい部位の構造は元々弱いから、ということでしょうね。
極端な例はProteinaseKです。
まあ、これは0.5%SDSでも活性があるので、fairではないですが、
基質を加えて、反応停止をして電気泳動でみる、という実験をやる場合、
かならずPMSFを加えて活性部位をつぶしてから、SDSバッファーを加えないといけません。
当然ながらSDSサンプルバッファーを加えただけで反応停止と思って泳動すると
全然止まってないどころか基質が無くなってしまった、という状態になります。
PAGEさんの場合も、SDSに割と耐性の酵素なのかもしれないですし、
あるいは上に書いたような時間差なのかもしれません。
セリンプロテアーゼでしたら、先にPMSFなどの共有結合阻害剤を先にめいっぱい加えて活性をつぶしてから、そのままSDSを入れられればニックが入ることは
無くなると思いますよ。泳動には影響しません。 |
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