>GFPをつけた時とつけないときで、挙動が変わってしまった報告、あるいは経験
>などはあるでしょうか?GFPが影響を与えにくいとは言っても、ある機能がマス
>クされてしまったりしないのでしょうか?
あります、何回も。いや何十回もかな?
酵素などにつけたときは
多かれ少なかれ影響はでるのが普通だと考えたほうがいいです。
GFPにつなげたらdominant negativeに機能するようになってしまい
内因性の分子の機能阻害をするようなってしまった例もあるぐらいなので。
>また、逆にGFPが影響を与えないようにするための工夫(例えば目的タンパク質
>とGFPの間にスペーサー配列を入れるなど)はあるのでしょうか?
使っているGFPがオリジナルのものかどうかわかりませんが、いわゆる最も普及しているタイプのEGFPやvitrogenのEmeraldなどは、高発現したときにdimerやaggregateを作ってしまい局在や分子機能がおかしくなることがあります、この場合はGFPそのものに変異を入れたりすることでmonomer typeのGFPにしたり、いくつかの会社から販売されているGFPと波長が類似した蛍光タンパクにシフトすることで回避できます。
次にGFPがN末端やC末端に融合させた分子の機能に影響する可能性はまず自分の興味のある分子そのものやファミリー分子などの機能解析からN末端やC末端のどちらのほうに機能ドメインがあるか調べてその逆側のほうにGFPをつけるように工夫すれば防げる可能性は多少高まりますが、
余計おかしくなる場合ももちろんあるし未知のタンパクなどはやってみるまで
わかりませんからね。
とりあえずはN末端とC末端につけたコンストラクトを両方作ってみて
どちらがendoの分子の局在や活性などに近いかcheckすべきです。
またスペーサーを入れることで影響を最小限にしたりすることができることもあります。この場合のスペーサーで多く使われるのは
(Gly-Gly-Gly-Ser) or (Gly-Gly-Ser)をタンデムに4,5個ぐらいつなげたものか
(Ala)を20個ぐらい並べたものでやるのが多いです。
ただこれらをやってももうどうしようもないものもやっぱりあるのでそういう時はGFPなどはあきらめてFlashや最近だとHalo-tagなど小型の低分子によるラベリングタグなどにシフトするしかないです。
詳細は下記のpaperを参考にしてください。
Zhang, J., Campbell, R.E., Ting, A. and Tsien, R.Y. 2002.
Creating new fluorescent probes for cell biology. Nature Review Molecular Biology 3: |
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