タンパク質など三次元の構造を取るものが抗原の場合、アミノ酸配列的には離れていても三次元構造的には近い部位を認識したり、(二次元的な)ル−プ的な構造部分を認識する抗体があるからです。
これらの構造は、SDS-PAGEで破壊されるので、抗体が結合できなくなります。
抗体の抗原認識部位は、デコボコした(どちらかというと)平面的な領域、溝、穴のような形状があり、抗原によってどの形状を(優先的に)使用しているか、言い換えれば抗原との結合に関与する部分が変わります。
ポリクロ−ナル抗体はいろいろな抗体の混合物なので、高次構造を認識する抗体、連続したアミノ酸配列(高次構造をとるもの、取らないもの)を認識する抗体が混ざっていると言えます。
ただし、ペプチドを免疫したポリクロ−ナル抗体(抗ペプチド抗体)は、そのペプチドの(高次)構造が天然タンパクと異なる場合、western blotには使えますが、免疫染色に使えないことは良くあります(涙)。抗ペプチド抗体を作製したとき、抗原として使用したペプチドにはELISAで良好な反応性を示すのに、western blotにも免疫染色にも使えなかったことも1回ですがありました(涙涙)。個の原因は不明です。合成ペプチドの取り違えかどうかの結論も出ず封印しました。このようなときは、ペプチドのデザインが悪かったと諦めるしかないですね。だから、いろいろな本では、最低2ヶ所、可能なら3〜4のペプチドをデザインして免疫しましょうと書いてあります。2〜3ヶ月程無駄になりますから。 |
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