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リアルタイムRT-PCRによる段階的増幅がうまくいきません。 トピック削除
No.611-TOPIC - 2008/02/01 (金) 14:57:22 - かよこ
はじめまして、失礼します。

現在、ライトサイクラーを用いて、リアルタイムPCRを行っております。
SYBR Green I入りPremixをつかった反応で、targetとする遺伝子を比較的安定に増幅させることに成功しているといった状況です。
しかし、問題があります。

検量線を描く為に希釈系列の反応液を用意しておりますが、内部標準とする遺伝子に関してはtemplateの希釈を反映した段階的増幅が観察されるのに対して、targetとしている遺伝子に関しては目的とするproductの増幅は果たされるものの、どのtemplate濃度のtubeも、全く同じサイクル数から蛍光強度曲線の立ち上がりが見られるのです。何度実験を繰り返してもこの現象は現れ、非常に再現性があります。RNA抽出の方法の検討もいくつか行いました。

キアゲン社のRNeasy extraction kitを用いてtotalRNA抽出を行いDNaseI処理を行ったもの、またはDNaseI処理を行っていないもの。
インビトロジェン社のFastTrack kitを用いたmRNA抽出。

PCRのプライマーはイントロンを含んだ設計にしており、DNaseI処理を行っていないもの以外のtemplateに関しては、ゲノムのコンタミなく目的の増幅に成功しています。
内部標準の立ち上がりが十数サイクル頃なのに対して、targetとする遺伝子の発現は非常に微量であることが、増幅が30サイクル近辺で立ち上がりをみせることから予想されます。
原因は、この発現レベルの低さにあるのではないかと考えてはおりますが、PCRの原理上、それがtemplate濃度が増幅に反映されないことの理由となりうるものなのか非常に疑問です。

さらには、RNA抽出に用いる組織をさらに解剖して今までの方法より限定して抽出に用いることで、全cDNA中のtargetのcDNA割合を上げてみることもこれから試みるつもりです。

何度試しても同じ結果に悩まされています。
検量線をかけないことには、定量解析も行えず、非常に困っております。
どなたか同じ様な現象に悩まされた方はいらっしゃいませんか。そして、どの様な解決方法が考えられるのかご教示賜りたく、質問させてもらいました。

長文失礼しました。
 
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とりあえず手っ取り早い確認は。 削除/引用
No.611-14 - 2008/02/08 (金) 09:17:10 - 56
今ある情報からとりあえず以下のことをチェックしてから確認実験をしてみてはいかがでしょう。

1.メルティング(ディソシエーション)ではキレイな1ピークか。
⇒ ダイマーか、目的産物以外のものか、コンタミかが予想できると思います。

2.増幅する領域の配列で大腸菌に共通する配列はないか。
⇒ 試薬に含まれる酵素(Taqとかその改変版)は大腸菌で製造されているためかなりの大腸菌ゲノムDNAが混入しています。それを増幅している可能性はないでしょうか。

段階希釈したサンプルのシグナルとネガコンを合わせて考えると上手くいかなかった原因が見えてくると思います。

まぁ、経験的にコンタミの可能性が高い気がしますが・・・。あるものだけがコンタミるということはPCR産物がコンタミってる可能性が高いですよね。

いかがでしょう。

ありがとうございます。 削除/引用
No.611-13 - 2008/02/07 (木) 12:46:40 - かよこ
そば様、ありがとうございます。

>検出系にどのような問題があるのかを同定するために、まずは検量線のポジコンを作ってみるのが問題を解決する近道になるのではないでしょうか?(他の方同様、プラスミドの希釈系を構築することをお勧めします)

わかりました、やってみます。急がば回れ、ですね。

>今回の現象は、かよこさんが設計したRT-PCR条件の定量可能範囲内に、今回のサンプルが入っていないのではないかと予測しますが・・・

なるほど、ご指摘通りかもしれません。実はその後、cDNA溶液をMiniEluteカラムに通して濃度を上げたサンプルで試みたところ、若干の改善がみられました。結局、検出可能(増幅が果たされるという意味)限界と定量可能限界の間には開きがあるのだろうというのが最近もっていた印象です。これから、さらに濃度を高めたcDNA溶液をつくって、PCRしてみるつもりです。

急がば回れ 削除/引用
No.611-12 - 2008/02/06 (水) 22:52:49 - そば
内部標準が綺麗に希釈されているのであればサンプルの希釈系列の作成に問題は無いと、まずはそう判断して良いかなと思います。

そうすると、検出系に問題があるということになる訳ですね。

検出系にどのような問題があるのかを同定するために、まずは検量線のポジコンを作ってみるのが問題を解決する近道になるのではないでしょうか?
(他の方同様、プラスミドの希釈系を構築することをお勧めします)

>PCRの原理上、それがtemplate濃度が増幅に反映されないことの理由となりうるものなのか非常に疑問

おそらくその概念自体は正しいものだと思います。が、希薄なテンプレートを定量出来ないRT-PCRというものも現実的に存在します。原因はPCR条件やPCR反応液の問題だったりと様々です。
(同じプライマーでもSYBRのキットを変えたら検量線の定量可能範囲が変化することがあります。複数の企業が「うちのキットなら数コピーから定量可能!」のような広告を打つのはこのためです。)


今回の現象は、かよこさんが設計したRT-PCR条件の定量可能範囲内に、今回のサンプルが入っていないのではないかと予測しますが・・・

報告。 削除/引用
No.611-11 - 2008/02/04 (月) 19:08:12 - かよこ
シーケンスがよめました。
ちゃんとターゲットが増幅されていました。

ありがとうございます。遅くなりました… 削除/引用
No.611-10 - 2008/02/04 (月) 10:28:17 - かよこ
AC様、とも様、7878様、皆様ありがとうございます。

確かにこれまで真面目にネガコンはとっていませんでしたので、今後しっかりとろうと思います。
特異的バンドかどうかの検討もシーケンス、制限酵素処理両方から行ってみます。

ただ、私がもつ印象としてはダイマーまたはターゲット以外というのは考えにくいと考えております。と言うのは、目的のバンドサイズが得られるのもそうですが、解離曲線も綺麗にピークは揃っております。そして、非特異的増幅が見られる場合も勿論あり、その場合にもバンドサイズとピークの違いから判断できています。
さらにはDNaseI処理を行っていないcDNAを用いたPCRでは、問題としているプライマーでゲノム由来と思われるバンドが検出されます。

新しいプライマーを、とのお話。
現在イントロンを挟んだ設計にしておりますが、DNaseI処理またはmRNA抽出がゲノムのコンタミを有効に排除していることが考えられますので、この際エキソン内だけでの設計に変えてみようかなと思っております。

(無題) 削除/引用
No.611-9 - 2008/02/02 (土) 15:38:43 - 7878
ともさん同様,私もまずターゲット以外の増幅を疑います。解離曲線のピークは1つでしょうか?ダイマーなどが出来ていると綺麗なピークが得られないのですぐ分かります。ネガコンがあれば判断材料が更に増えます。

あと,プライマーの設計は何を使ってされているかは分かりませんが,場合によっては改良する余地があるかも知れません。
また,私はPCRプロダクトサイズが少し大きい気もしています。70-100bp位に抑えた方が増幅効率も良くなると思いますよ。

(無題) 削除/引用
No.611-8 - 2008/02/02 (土) 14:07:31 - とも
あとPCR産物をシークエンスするときはPCR産物をそのままシークエンスするのではなくTAクローニングなどを行ってからベクター側のプライマー(一般的にM13プライマーとか)でシークエンスする方が確実ですよ。あとはどうしてもシークエンスできないならば、PCR産物をいくつかの制限酵素で切ってバンドの大きさをみるっていうのもいいと思います。

(無題) 削除/引用
No.611-7 - 2008/02/02 (土) 14:03:03 - とも
希釈しても段階的にならないのであれば、それはプライマーダイマーをみているのではないのですか??それかターゲット遺伝子が多過ぎて希釈が足りないのでは??

まずターゲット遺伝子がちゃんと増幅できているのかを、PCR産物をクローニングしてシークエンスした方がいいと思います。

サイクル数を増やすと、40サイクルを超えたくらいからPCRのときのポリメラーゼ活性が弱くなってしまいますので、サイクル数は最大でも40くらいにした方が経験上いいと思います。

50サイクルやるよりは最初に10〜15サイクルPCRを行って、そのPCR産物を30〜40サイクルやった方がPCR産物の量は多くなりますよ。

Re: 削除/引用
No.611-6 - 2008/02/02 (土) 06:37:23 - AC
予めcDNAを合成してからのPCRだとして、Reverse Transcriptaseなしのネガコンは試されました?

ご教示ありがとうございます。 削除/引用
No.611-5 - 2008/02/01 (金) 20:27:58 - かよこ
a様、お返事ありがとうございました。

PCR産物は泳動より、目的のバンドサイズ(180bp程度)であることから判断しました。さらにシーケンスをよもうと試みているのですが現段階では、シーケンス反応のtemplate量が良くないのか失敗しております。

プライマーは数セット試してみました。

特に、targetの遺伝子は4つのisoformよりなるのですが、その全isoformに関して同様の現象が見られます。

>あと、30〜35サイクルで立ち上がる遺伝子でも十分定量できています。
わかりました、ありがとうございます。

ご教示ありがとうございます。 削除/引用
No.611-4 - 2008/02/01 (金) 20:01:20 - かよこ
とも様、お返事ありがとうございました。

ご指摘の、クローニングしてプラスミドを用いての実験は未だ試みておりません。確かに、そうすれば検量線はかけるかもしれません。

しかし、私がやろうとしているのは、wild typeとmutant間の発現量の比較です。なので結局生体由来のサンプル間で比較しなければならないのですが、希釈に応じて増幅が段階的にならない現象そのものが不可解なため、仮に検量線が得られて定量できたとしてもその定量結果が正しいものとは言えないと考えております。

そして、質問です。一度数サイクルPCRをかけてからそれを定量するといった方法があると教えてくださいましたが、それはリアルタイムPCRにおいてサイクル数を増やすことどどのような違いがあるのでしょうか、教えてください。

(無題) 削除/引用
No.611-3 - 2008/02/01 (金) 19:03:11 - a
>目的とするproductの増幅は果たされるものの、どのtemplate濃度のtubeも、>全く同じサイクル数から蛍光強度曲線の立ち上がりが見られるのです

目的とするPCR産物はどのように確かめましたか?primer dimerの可能性はありませんか?

primerを変えてみるのがベストだと思います。我々も、ある程度までは条件検討しますが、駄目なら即チェンジしてます。

あと、30〜35サイクルで立ち上がる遺伝子でも十分定量できています。

(無題) 削除/引用
No.611-2 - 2008/02/01 (金) 15:03:44 - とも
検量線はターゲット遺伝子をクローニングしてプラスミドで作っていますか??そうすればすぐに検量線できると思うんですが。。。

あと発現が微量な場合は一度数サイクルPCRをかけてからそれを定量するといった方法でありますよ。そのときは絶対数ではなく相対的な比較しかできませんが。。

リアルタイムRT-PCRによる段階的増幅がうまくいきません。 削除/引用
No.611-1 - 2008/02/01 (金) 14:57:22 - かよこ
はじめまして、失礼します。

現在、ライトサイクラーを用いて、リアルタイムPCRを行っております。
SYBR Green I入りPremixをつかった反応で、targetとする遺伝子を比較的安定に増幅させることに成功しているといった状況です。
しかし、問題があります。

検量線を描く為に希釈系列の反応液を用意しておりますが、内部標準とする遺伝子に関してはtemplateの希釈を反映した段階的増幅が観察されるのに対して、targetとしている遺伝子に関しては目的とするproductの増幅は果たされるものの、どのtemplate濃度のtubeも、全く同じサイクル数から蛍光強度曲線の立ち上がりが見られるのです。何度実験を繰り返してもこの現象は現れ、非常に再現性があります。RNA抽出の方法の検討もいくつか行いました。

キアゲン社のRNeasy extraction kitを用いてtotalRNA抽出を行いDNaseI処理を行ったもの、またはDNaseI処理を行っていないもの。
インビトロジェン社のFastTrack kitを用いたmRNA抽出。

PCRのプライマーはイントロンを含んだ設計にしており、DNaseI処理を行っていないもの以外のtemplateに関しては、ゲノムのコンタミなく目的の増幅に成功しています。
内部標準の立ち上がりが十数サイクル頃なのに対して、targetとする遺伝子の発現は非常に微量であることが、増幅が30サイクル近辺で立ち上がりをみせることから予想されます。
原因は、この発現レベルの低さにあるのではないかと考えてはおりますが、PCRの原理上、それがtemplate濃度が増幅に反映されないことの理由となりうるものなのか非常に疑問です。

さらには、RNA抽出に用いる組織をさらに解剖して今までの方法より限定して抽出に用いることで、全cDNA中のtargetのcDNA割合を上げてみることもこれから試みるつもりです。

何度試しても同じ結果に悩まされています。
検量線をかけないことには、定量解析も行えず、非常に困っております。
どなたか同じ様な現象に悩まされた方はいらっしゃいませんか。そして、どの様な解決方法が考えられるのかご教示賜りたく、質問させてもらいました。

長文失礼しました。

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