現在S.cerevisiaeにおいて、糸状菌由来の遺伝子による物質生産の系を構築中なのですが、形質転換後2回目の植継のコロニーPCRで導入遺伝子に相当する配列が増えないという現象が起きて困っています。1回目の植継(シングルアイソレーション)ではPCRで配列を確認できるのですが、2回目の植継時と同時に行っているコロニーPCRで、同じ配列が増えなくなってしまいます。
ベクターはstratageneのpESC-Ura、宿主はBJ2168(genotype MATalpha,ura3-52,leu2,gal2,prb1-1122,1 pep4-3)を用いていました。ベクターのoriを除いたベクターを構築して、クロモソーム組込みの形質転換を試したり、宿主はプロテアーゼ欠損株なので遺伝的に不安定なのかと思い、プロテアーゼ欠損株でない宿主(invitrogen INVSc1)を用いたりしましたが、同じ現象が起きます。また、1回目の植継後、すぐに遺伝子の発現を試みましたが、やはり目的タンパク質の発現は見られませんでした。前培養の段階でPCRを行いましたが、やはり目的遺伝子の増幅は確認できませんでしたので、液倍にてプラスミドが保持できなかったためと思われます。
現在の所対処法として、選択時の培養温度を現在の30℃からより低温に下げたり、ベクターを低コピーにしたり、薬剤耐性にすることを考えています。効果はあるのでしょうか?なぜこのような現象がおこるのでしょうか?また、薬剤耐性ではZeocinかBlasticidinを考えているのですが、併用は可能でしょうか?将来的に複数のプラスミドの導入を考えているので。どなたか同じ現象に遭遇された方で対処法を知っておられる方はご教授下さい。よろしくお願いします。 |
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