>バッファー懸濁後、Freeze and thawを繰り返すというプロトコールもあります。
そのとおりですね。手間と時間がかかるので最近はやる人はあまりいないかもしれませんが、超音波破砕によるダメージを避けたいときや界面活性剤を極力使いたくないときには今でも有効です。
グリセロールを入れるのは凍害による菌体のダメージを防ぐ意図だと思いますが、どうせ溶菌するためのものなら必要ないと思います。
おそらく、超音波処理で菌体がほとんど壊れていないから目的のタンパク質が検出できないのでしょう。処理後の上清だけでなく、沈殿のほうもSDS-PAGEすれば、おそらく存在が確認できるでしょう。超音波処理の条件検討をするというのがひとつの解決法でしょう。
別な解決法としては、Triton-X100を含むバッファーを使っておられますが、ライセートに界面活性剤が入ってもよいのであれば、lysozymeと0.5-1%のTritonまたはNP-40だけで十分溶菌できます。冷蔵庫やコールドルームのなかで、コニカルチューブにでも入れてローテーターで転倒混和、あるいはビーカーに入れてスターラーで緩やかに攪拌すれば30分から1時間くらいで完全に溶菌するでしょう。
超音波処理と違って、高分子DNAがせん断されないため粘性が出ますが、同時にDNase I(RT-PCRにつかうような高品質なものではなく安いcrudeな粉末品などでOK)を入れておくか、溶菌後に注射針を通すか超音波処理をして物理的にせん断すればよいです。 |
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