Semi-quantitativeという言葉には曖昧なところがあるような気がします。
多い少ないは間違いないがその程度が計測できないという意味であれば、その値を統計処理することに意味があるとは思えません。
ブレが大きくて有効数字が一桁程度の粗い定量性であったり、常に較正曲線に当てはめる必要があったりという意味であれば、統計処理は有効でしょう。
挙げておられるPCRのシグナル強度やウエスタンのバンドの濃さをスキャナーで読み込んでその値を統計処理するという場合には、読み込んだ値をそのまま使うなら前者でナンセンス、一連の実験の中に(ウエスタンであれば同じゲル/メンブレン上に)濃度を振ったコントロールを置いて、その値で較正してあるならば後者なのでOKだと思っています。
ただし、論文の査読者にもそうは考えていない人がいるらしく、タンパク質分解をウエスタンで検出している論文を投稿したときに、X線フィルムのバンドをそのまま定量してアクチンのシグナルで割って、それを元に半減期を出せと一人の査読者に言われたことがあります。このときはエディターに事情を説明したらこちらの意見が通りました。 |
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