>実際そのようなケースがどのくらいの確率で起こるのか知らないので、もしかしたら無視出来るくらいに低頻度でしか起こらないのかも知れませんが…。
新たに遺伝子導入を行ってPを挿入した場合には稀、というかほとんど起こらないと思います。
いったん挿入したPを再転移させた場合、もとあった場所に近いところに入りやすく、しばしばすぐ隣に入ることがあり、挿入が切り出されたあとが姉妹染色体で組換え修復されてもとのコピーが残ることがあります。そういった場合はhead-to-headあるいはhead-to-tailにちかいタンデムになる場合はあります。
もしそういうことがあったとしても、トランスジェニックマウスのように、コンストラクトがhead-to-tailで多数連なって挿入するということはまずないでしょう。そういう形態の挿入の場合は、どんな切り方をしても同じ繰り返し単位の断片が複数生じるか、タンデムリピートをすべて内包する一個の断片にしかできないので、コピー数をサザンのシグナル強度やqPCRで推定するくらいしか手がありません。でもPの場合は仮におきたとしてもせいぜい数個のタンデム、しかも完全なhead-to-tailではなくランダムな長さのスペーサーがあいだに入るはずですから、先に書いた
>なので、たとえばベクター内部で一箇所切れる制限酵素で消化、そのサイトから右側だけ、あるいは左側だけのユニークな配列(inverted repeatなどを含まない)をプローブにして、インサートの片側+隣り合ったゲノムのフラグメントを検出するといいでしょう。
で、問題は回避できます。
ただし、異なる挿入を検出するバンドが偶然ほぼ同じ長さを生じる場合もありますから、複数の切り方をして見ることをお勧めします。
蛇足ですが、P由来の配列をプローブにすると、ゲノム中に潜在的に存在しているPの痕跡(一般的なラボ系統はP-freeということになっていますが、実際はそうでもないようです)を拾ってしまう可能性があるので、exogenousは配列をプローブにするのが理想的です。 |
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