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ウエスタンとゲルの染色 トピック削除
No.443-TOPIC - 2007/11/03 (土) 08:06:07 - ZBN
あるタンパク質に3xHAをつけて、液体培養で分泌発現をさせています。
培養後、液体培地を濃縮し、SDS-PAGE後、ウエスタンで確認すると、
目的のサイズにバンドが確認できました。
ネガコンでは、このバンドは認められませんでした。

次に、この画分から目的のタンパクを精製するために、
まず抗HAマトリックスを用いて免疫沈降を行いました。
最終的な精製画分をウエスタンで確認すると、
非常に微量ながらもバンドが確認できました。

ところが、このバンドをゲルの染色で可視化しようとすると、
全く何も見えません。
マトリックスの量と(精製前の)濃縮培地の量を限界まで増やしても、
だめでした。
クマシー染色、銀染色のいずれもうまくいきませんでした。

濃縮培地は1ulも流せばウエスタンで十分バンドが見えるくらい
目的タンパクは発現しています。
免疫沈降では、マトリックスを20ul、濃縮培地を5ulくらい使えば、
ウエスタンでなんとか検出できます。
しかし、最大マトリックスを100ul、濃縮培地を100ulほど使っても、
ゲルの染色では何も見えず、(外れた?)マトリックスの抗体と思われる
バンドが2本(重鎖と軽鎖?)見えるだけです。
この2本のバンドは、ネガコンでも同様に見えるものです。

ウエスタンでの検出レベルと、ゲル染色での可視化レベルは
こんなにも違うものなのでしょうか。
なお、目的タンパク質にはN-link糖鎖不可部位はありません。
Hisタグ精製も試みましたが、His抗体での検出が出来ず、
断念した経緯があります。

将来はアフィニティー精製を行い、タンパク質を活性のある形で
精製したいと考えていますが、免疫沈降(溶出時にboil)の段階で
可視化できないので、困っています。

似たような経験をお持ちの方から、アドバイスをいただけたらと思います。
 
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(無題) 削除/引用
No.443-9 - 2007/11/10 (土) 01:57:12 - ZBN
おおさん、ご回答ありがとうございました。

私はタグによるタンパク精製の経験があまりないので、
経験上判断する、ということが出来ないので、
とても参考になります。

私はまず、目的タンパク質にHisタグを付けました。
N末端につけたものとC末端につけたもの、2種類作成しました。
しかし、N末端の方は、上清ではHis抗体で検出できたものの、
カラムでこのタンパク質を精製すると、ウエスタンで検出
されなくなりました。
C末端の方は、上清ですら検出できませんでした。

Hisタグが抗体に認識されにくい構造をとってしまっているのか、と思い、
Hisタグより長い3xHAタグに切り替え、アフィニティー精製を
やっています。

3xHAでは、N末端のものもC末端のものも上清でしっかり検出できます。
ただ、IPした結果、かなり回収率が悪い印象を受けました。
今までIPをしたことがなかったので、この回収率が低いかどうか
経験で判断できないのですが、予想以上に悪い回収率でした。

添付の取扱説明書の方法では回収率が悪かったので、
IPではオーバーナイトでマトリックスに吸着させたり、
アフィニティー精製では上清を何度もカラムに通しています。
物理的な接触時間を長くする以外に、効率を上げる方法は
あるのでしょうか?
とりあえず今度、IP後の上清に対して、ウエスタンをやってみます。

HisでもHAでも、私のタンパク質は、検出や精製に適さない
場所(構造)なのかもしれません。
しかし、タンパク質の活性に必要だと推定される場所だけを
発現させているので、真ん中にタグを入れたくはないのです。
かといって、HisやHAでうまくいかないものを
FLAGなど他のタグに換えて、どこまで改善されるか、甚だ疑問です。

現在、他のアプローチを考えています。
この度はありがとうございました。

(無題) 削除/引用
No.443-8 - 2007/11/09 (金) 11:17:59 - おお


ウエスタンの感度は抗体検出方法によって大きく異なりますがHRPで発色色素を使いますと100ng程度まで検出できますし、クラシカルなケミルミはそれより少し劣ります。100ngはCBBで何とか検出できるぐらいの量で銀染色では1オーダーぐらい感度がいいと思います。ECLPLUSとかはケミルミで感度がもっと出るように工夫されていますのでCBBで染色不可能な物もシグナルが得られると思います。ただし、抗体によって感度が大きく違うことを念のためもう一度もうしあげておきます。例えばHis-tagの抗体は私の経験の範囲では、抗体の結合能力が弱いせいか、検出感度が悪く感じます。

>濃縮培地は1ulも流せばウエスタンで十分バンドが見えるくらい
>目的タンパクは発現しています。
>免疫沈降では、マトリックスを20ul、濃縮培地を5ulくらい使えば、
>ウエスタンでなんとか検出できます

少し気になりますが、IPで効率よく目的のたんぱく質を回収できていないのではないでしょうか。
たいていの場合C、N末は露出しているだろうという推量の元にC、N末で抗体を作ったりしますし、tagもそうですよね(分泌タンパクの時はN末は工夫しないといけないですが)。しかし、IP出来ないとなると、何かと結合してまたは多量体を形成して末端が隠れているとかの可能性を考えてしまいます。少しストラテジーを練り直してみるのも考えた方がいいかもしれませんよ。IP後の上清にどれくらい目的のタンパクが残ってますか?

(無題) 削除/引用
No.443-6 - 2007/11/08 (木) 13:05:42 - K
言い忘れてたことがありました。
固相化に使うカラムですが、proteinA/G sepharoseはおすすめしません
proteinA/G は酸溶出すると、抗体まで落ちてきてしまいます。
担体は、GE(旧アマシャム) の NHS とか CNBr がいいでしょう。
目的タンパク質がレクチン以外なら使えます。

(無題) 削除/引用
No.443-5 - 2007/11/06 (火) 12:56:52 - K
PAGEでバンドを確認したいだけであれば、どうせSDSとboilで失活させるのだし、
TCAで濃縮してみては?

それから、目的タンパク質をトラップするのであれば、抗体を適当なカラムに固相化して、抗体カラムを作ってしまうのも手です。
抗体カラムなら、供試する培地の量は理論上無限です。
溶出は酸(Glycine-HCl, pH 2.5)で行って、即Tris等で中和するのがいいでしょう。

濃縮法 削除/引用
No.443-4 - 2007/11/04 (日) 14:23:13 - りょう
トピック361が参考になるかと。
マイクロコン・セントリコン(個人的にはザルトリウスの同様の装置が好き)など遠心濃縮カラムが第一選択でしょうか。

(無題) 削除/引用
No.443-3 - 2007/11/04 (日) 13:56:30 - ZBN
atsさん、ありがとうございました。

やはり、シグナルを増幅しているとそこまで差があるのですね。
ウエスタンの検出には、ECL-PLUSを使っています。

銀染色などで可視化する場合、ウエスタンとの感度の違いを考慮して
濃縮する必要があると思いますが、硫安沈殿などで
濃縮すると、タンパク質の活性が失われるかもしれません。
可視化は出来ても、活性のないものしか検出できないとなると、
困ります。
何か良いタンパク質の濃縮法をご存じでしたら、
いろいろな方に教えていただきたいと思います。

(無題) 削除/引用
No.443-2 - 2007/11/03 (土) 11:39:28 - ats
ウェスタンブロットの検出法に何をお使いかによって感度はかなり異なります。
ですがウェスタンブロット法は増感法の一種ですので、感度が高いのは当たり前です。
ECL-plusなどpgオ−ダ−の感度ですので、銀染色(ngオ−ダ−)では可視化できません。
蛍光色素染色法なら可視化できるかもしれません。
一般に発光法は発色法と比べ感度が10倍〜1000倍高いです。
またABC法で増感しているとさらに高くなります。
メ−カ−のカタログを参照してください。
ウェスタンブロット法で定量するなら、内部標準を使ってください。
タグの入った組換えタンパクも購入できると思います。

ウエスタンとゲルの染色 削除/引用
No.443-1 - 2007/11/03 (土) 08:06:07 - ZBN
あるタンパク質に3xHAをつけて、液体培養で分泌発現をさせています。
培養後、液体培地を濃縮し、SDS-PAGE後、ウエスタンで確認すると、
目的のサイズにバンドが確認できました。
ネガコンでは、このバンドは認められませんでした。

次に、この画分から目的のタンパクを精製するために、
まず抗HAマトリックスを用いて免疫沈降を行いました。
最終的な精製画分をウエスタンで確認すると、
非常に微量ながらもバンドが確認できました。

ところが、このバンドをゲルの染色で可視化しようとすると、
全く何も見えません。
マトリックスの量と(精製前の)濃縮培地の量を限界まで増やしても、
だめでした。
クマシー染色、銀染色のいずれもうまくいきませんでした。

濃縮培地は1ulも流せばウエスタンで十分バンドが見えるくらい
目的タンパクは発現しています。
免疫沈降では、マトリックスを20ul、濃縮培地を5ulくらい使えば、
ウエスタンでなんとか検出できます。
しかし、最大マトリックスを100ul、濃縮培地を100ulほど使っても、
ゲルの染色では何も見えず、(外れた?)マトリックスの抗体と思われる
バンドが2本(重鎖と軽鎖?)見えるだけです。
この2本のバンドは、ネガコンでも同様に見えるものです。

ウエスタンでの検出レベルと、ゲル染色での可視化レベルは
こんなにも違うものなのでしょうか。
なお、目的タンパク質にはN-link糖鎖不可部位はありません。
Hisタグ精製も試みましたが、His抗体での検出が出来ず、
断念した経緯があります。

将来はアフィニティー精製を行い、タンパク質を活性のある形で
精製したいと考えていますが、免疫沈降(溶出時にboil)の段階で
可視化できないので、困っています。

似たような経験をお持ちの方から、アドバイスをいただけたらと思います。

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