私は組織でしかin situ hybridizationしたことがありませんが
わたしの手元にあるプロトコールと比べてみると主な違いは
1.細胞固定後のProteaseK処理が無い。
10ug/mL Protease K in 50mM Tris pH7.5, 5mM EDTA
for 3 min at 37C
その後ホルムアルデヒドで再固定が必要
2.EtOHによる脱水、脱脂処理が無い(再固定後)。
70%EtOH 3min at RT
80%EtOH 3min at RT
90%EtOH 3min at RT
100%EtOH 3min at RT
風乾
3.ハイブリ後のRNaseA処理がない。
2ug/mL RNase A in RNase buffer for 30min at 37C
1.の理由はmRNAを露出しやすくするため
2.の理由は正直良くわかりません
3.の理由はもしプローブRNAが非特異的に細胞に付いていた場合
分解されてバックが下がるからです。特異的にハイブリして
2本鎖になっていればRNaseAで分解されません。この酵素は
1本鎖だけ分解しますから。
プローブについては全長をそのまま使って問題の無かった論文
を何度か見たことがあるのでもしかしたらアルカリ処理は必要
ないかもしれません。ただ私のいたラボではだいたい300bpぐらいの
特異性の高い配列のプローブを設計して使っていました。もちろん
長すぎれば組織内に入りづらくなるでしょうから。私の場合はいつも
プローブの精製をスピンカラムで行っていました。精製は必要だと
思います。もしそれでシグナルがなくなったのであれば、以前の
シグナルはバックかも。
書き込みにはありませんが通常アンチセンス配列を同時に準備して
バックを見るコントロールとして使うのですがそれは行われてい
ないのですか?それがあればシグナルがバックかどうかある程度
判断できると思います。
あと蛇足ですが経験的にSP6 RNAポリメラーゼはあまり合成量が
多く無いので大量に必要であれば他のプロモーター(T3やT7)の
ポリメラーゼを使われたほうが良いかもしれません。 |
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