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固定液の緩衝液(0.1M PB vs 0.01M PBS) トピック削除
No.336-TOPIC - 2007/10/15 (月) 08:29:33 - びっくり
4%パラホルムアルデヒド固定液を作成するとき、0.1Mリン酸緩衝液(phosphate buffer, PB)ではなく、0.01Mリン酸緩衝食塩水(phosphate buffer saline, PBS=市販製品)を間違って使用していたことに気付きました。マウスを還流固定、目的組織を摘出、オーバーナイトで浸漬固定、10, 15, 20, 25%のシュークロース/PBSに置換、OCTに包埋、凍結切片作成、免疫染色をしています。同じ緩衝液としてPBSもPBの代用として使用できるのでしょうか?それともなんらかの不都合が生じるのでしょうか?ご存知の方がおられましたら、是非ご教示のほどよろしくお願いします。
 
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ありがとうございます 3 解決済み 削除/引用
No.336-9 - 2007/10/22 (月) 23:55:45 - びっくり
ご投稿頂いた皆様、ありがとうございました。

今回の“組織がぼろぼろ”の問題は、浸漬固定の段階で4%PFA/PBに
0.1%グルタールアルデヒド(GA)を添加することで解決できました。
免疫染色も施行しましたが、今回使用する抗体に関しては
過固定による抗原性低下の問題もないようです。

BR-2さま、凍結はアセトン+ドライアイスに浸して行っています。
実際に行ったことはないのですが、液体窒素では低温すぎて
組織に亀裂が入ることがあると聞きました。

atsさま、浸透圧の計算は高校レベルの化学で行ったものです。
溶質は完全溶解、イオンは100%電離、溶質の相互作用などは
全くないと仮定です。実際の測定値と多少異なるかもしれませんが、
0.1M PBは0.01M PBSと比べて組成的に高張なことはたしかなようです。
(ただしPBSには塩化ナトリウムが添加してあるので、はじめに
恐れていた10倍の浸透圧の差はありません。)

ねずみさま、たしかに後固定は重要でした。
同じ4%PFA/PBで還流固定後の組織でも、4%PFA/PBの浸漬固定では
空隙がなお認められたのに対し(4%PFA/PBS時と比べると大分改善)、
4%PFA/0.1%GA/PBの浸漬固定では組織構造が良好に維持されており、
空隙もほとんど見当たりません。GAは0.1%でも恐るべしです。

凍結方法は? 削除/引用
No.336-8 - 2007/10/22 (月) 11:21:38 - BR-2
> 最近になって6ミクロンの薄切を
> はじめると組織がぼろぼろで(組織中に間隙が散在)、

本トピックで、実際に問題になっている点は
上記の「組織中の間隙(ぼろぼろ)」という点ですよね。

一つお聞きしたいのは、凍結方法は
どのようにされているのでしょうか?
凍結方法によって組織像の状態もかなり変わります。

具体的には急速に凍結させると良い、
つまりゆっくり凍結させると
組織は間隙だらけ(穴だらけ)になります。

浸透圧 削除/引用
No.336-7 - 2007/10/21 (日) 17:12:42 - ats
PFAを加えると高張になるのは変わりませんが...。
0.1M PB 800mOsm/Lとされていますが、全イオンが解離していると計算していませんか。
0.1M PBも等張だと教わった記憶がありますし、培養細胞もshrinkしなかったような。

(無題) 削除/引用
No.336-6 - 2007/10/21 (日) 11:46:38 - ねずみ
びっくりさん

pHはあまり変わらないようですね。
PFAを粉から溶かすときには、NaOHを少量入れないと溶けませんので、溶解時にはやや塩基性になるのですが、市販のPFAだと、溶解後にpHを中和しているのかもしれませんね。
おっしゃるように、浸透圧に関しては、どちらの固定液にしてもPFAのせいで既にかなり高張なので、その差は現実的にはあまり意味がありませんね。このように改めて浸透圧を計算されたのを見ると、かなり高張な溶液を灌流された状態で組織が固定されていることが分かります。浸透圧による細胞の大きな形態変化が起こる前に固定されてしまっているのだと想像しますが、それでも、実際の生の組織と固定後の組織の細胞の形態は幾分異なる可能性があるということを示唆していると思います。

いずれにしても、お示しになった結果から考えると、どちらの固定液を用いても大きな違いにつながるようには思えません。おっしゃっている、固定強度の差に関しては、灌流の具合の個体差のようなものが大きく影響しうるので、すぐに固定液の違いによるものだと断定できないとは思いますが、もし、固定が柔らかすぎると感じるようでしたら、灌流後、臓器を取り出すまで固定後の動物を室温でしばらく(30分程度)置いておくとか、後固定の時間を長くするなどすれば(オーバーナイトは十分長いと思いますが)、固定強度の個体差のようなものを平均化することができます。

ありがとうございます 2 削除/引用
No.336-5 - 2007/10/18 (木) 08:41:43 - びっくり
ねずみさま、貴重なアドバイスを頂きありがとうございます。

PFAは市販の16%溶液を1/4に希釈して使用しているのですが、
早速それぞれの方法で少量を作成してpHを測定してみました。

4%PFA/PBSのpHは7.21
4%PFA/PBのpHは7.29
pHの大きな逸脱はなさそうです。

0.01M PBSと0.1M PBのモル数の違い(10倍!)をみて、私もびっくり
したのですが、残念ながら実際の浸透圧を測定する機器はありません。
そこで高校時代の化学を少し復習して浸透圧を計算してみました。

生理食塩水 308mOsm/L
0.01M PBS 334mOsm/L(リン酸塩に生食が添加してあります。)
0.1M PB 800mOsm/L

生食と比べPBSはほぼ等張ですが、0.1M PBが高張なのが気になります。
ただし4%PFA単独だけで、1330mOsm/Lあるので、固定液全体としては

4%PFA/PBS 1660mOsm/L
4%PFA/PB  2130mOsm/L

この差にどれだけの意味があるのか、残念ながら私にはよくわかりません。

(無題) 削除/引用
No.336-4 - 2007/10/18 (木) 05:23:52 - ねずみ
0.1 M PBと0.01 M PBSでは、リン酸の終濃度が異なるので緩衝能が異なります。一度、作製された固定液のpHを測ってみてください。
パラホルムアルデヒドを粉から溶かしておられるのであれば、その溶解液はやや塩基性になっていると思います。それを希釈する際に中性に持って来るためにリン酸バッファを加えているわけですので、その緩衝が弱いと、固定液もやや塩基性になり、目的とする抗原によっては免疫染色の際に染色性が変わってくることがありますし、固定強度の違いもこのpHの差によるものかもしれません。
また、もう一つの違いは浸透圧です。固定液の浸透圧が異なると、組織の形態に差が出るかもしれませんので、そのあたりも注意してみてみてください。

ありがとうございます 削除/引用
No.336-3 - 2007/10/17 (水) 22:35:32 - びっくり
組織さま、早速のレスを頂きありがとうございます。

今まで4%PFA/PBSによる還流固定でも、16ミクロンと厚めの切片では
それほど問題を実感していませんでした。最近になって6ミクロンの薄切を
はじめると組織がぼろぼろで(組織中に間隙が散在)、固定不足ではないかと教科書を読み返すうちにPBとPBSの違いに気がつきました。

昨日、還流固定を試みましたが、たしかにマウスの硬直の仕方では
4%PFA/PBの方が4%PFA/PBSよりも固定がいいような印象を受けました。
また凍結切片を作成後、免疫染色をして比較してみます。

(無題) 削除/引用
No.336-2 - 2007/10/17 (水) 13:53:51 - 組織
in situ hybridizationではどちらも使われているので、問題ないと思います。
一応、固定力はPFA/PBの方がPFA/PBSより強いといわれていますが。

ただ、固定液は統一すべきでしょうね。
試しに染めてみて目的の蛋白が染まるようなら、全サンプルをPFA/PBSで固定すればいいと思います。

固定液の緩衝液(0.1M PB vs 0.01M PBS) 削除/引用
No.336-1 - 2007/10/15 (月) 08:29:33 - びっくり
4%パラホルムアルデヒド固定液を作成するとき、0.1Mリン酸緩衝液(phosphate buffer, PB)ではなく、0.01Mリン酸緩衝食塩水(phosphate buffer saline, PBS=市販製品)を間違って使用していたことに気付きました。マウスを還流固定、目的組織を摘出、オーバーナイトで浸漬固定、10, 15, 20, 25%のシュークロース/PBSに置換、OCTに包埋、凍結切片作成、免疫染色をしています。同じ緩衝液としてPBSもPBの代用として使用できるのでしょうか?それともなんらかの不都合が生じるのでしょうか?ご存知の方がおられましたら、是非ご教示のほどよろしくお願いします。

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