いろんなレベルの論文があるので、何とも言い難いですが、
察するに、その人たちは自分らの調製した酵素がアグリにくい、性質の良いものだということを宣伝したいのかなという気がします。
もちろんそれでも良いですが、nonamphiphilicというのは、
あまりscientificな表現ではないです。
きっと言いたいのは、今回調製した、組み替え体は、
Tritonを入れなくても凝集性が低くてオリゴマーをあまり形成しないから、
使用時や保存時に界面活性剤を加える必要もなく、
だから、多分、水溶液中で安定なので長持ちするよ、
ということではないですかね。
TritonX100は商品名です。これはどこかの会社がかなり昔に開発した
界面活性剤のシリーズで、いろんなのがあります。
今では生化学・細胞生物の分野では可溶化にX100と相分離にX114と、まれに、リソソーム由来のでかい顆粒形成を誘発するWR1339が使われるくらいです。
TritonX114による相分離の方法はJ. Biol. Chem., Vol. 256, Issue 4, 1604-1607, 02, 1981が最初です。
界面活性剤のcloud point(http://en.wikipedia.org/wiki/Cloud_point)が
TX114では室温近くなので、30度ではcondensationをおこし
4度では透明になって溶液となることを利用しています。
TX100ではcloud pointが高く、確か、50度以上ではなかったですかね、
大抵のタンパクの変性を起こすので使えません。
上のJBCの方法は界面活性剤自体への親和性の有無を見るもので、
ショ糖密度勾配遠心とは意味合いがちょっと違います。 |
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