そういうことは時々ありますよね。
タグ切断によってコンフォメーションが変わって
凝集してしまうのだと解釈していますが、
場合によってはタンパクの内部が切断されて
凝集してしまうことも十分ありえます。
塩は、水和水だかなんだかの問題で、入れたほうがよいといわれていますが、
凝集の要因はいろいろなものがあって一概には言えませんよね。
例えばマグネシウムがコンフォメーションの維持に必須だが、
対イオンは塩化物イオンではダメで、酢酸イオンがよいとか、その逆とか、
トリスはダメでヘペスがいいとか、
グリセロールが10%あれば安定とか、トレハロースがよいとか、
タグを切断するときにアルギニンを共存させるとよいとか、
切断するときのタンパク濃度は高いほうがよいとか、低いほうがよいとか、
界面活性剤でとりあえず何とかするとか、
とにかく、
試行錯誤でいろいろなことを試さなくてはなりません。
さらには
わずかに変性したタンパクが核になって凝集を促進するが、
発現時の温度を下げたら劇的に凝集が抑えられたとか
発現系を変えたら解決したとかもあります。
タグとタンパクの間のリンカーの長さで変わることもあります。
残念なことに、これらはケースバイケースであって、
こうすればよい、ということは簡単には言えません。
一般的には
塩を入れる、等電点からずらす、
くらいが、よく知られている対応策だと思いますが、
解決の困難さに対して、エアロさんの質問がサラっとしているので、
サラッと答えることはかえって難しくおもいます。 |
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