LNCaP 細胞は、Charcoal/Dextran-treated FCS (CD-FCS) では増えません。
Normal FCS でないダメです。
どうしても CD-FCS を使いたいのならば、10 nM DHT を添加する必要があります。
なお、私が実験したところ、Normal FCS と 10 nM DHT+CD-FCS では、Normal FCS の方がよく増えました。
同じようなことをした人が論文を出しています(フリーアクセス)。
JP Michiel Sedelaar and John Isaaks
Prostate 2009; 69(16): 1724-1729
Tissue Culture Media Supplemented with 10% Fetal Calf Serum Contains a Castral Level of Testosterone
次に、接着性が弱い、という点ですが、確かにそのような傾向はあるものの、継代に支障が出るほど甚だしくはありません。
血清の問題だと思います。
もっとも、古い(オリジナル?)論文には、「一度剥がれると二度と接着しない」という記述があるので、先祖の性質を強く残しているロットに当たったのかもしれません。
参考(フリーアクセス):Horoszewicz JS, et al. Cancer Res 43, 1809-1818, 1983
私が思うには、接着性の悪い細胞は次第に淘汰されてしまい、樹立以来30年ちかく経った現在では、接着性はあまり問題にならなくなったのではないか、と考えています。 |
|