以前の研究室ではソニケーション、現在の研究室では凍結融解と
フレンチプレスを使ったことがあります。現在の研究室の同僚が
同じ菌体を使って凍結融解とフレンチプレスでの可溶化の効率を
比べたそうですがその場合は凍結融解の方が効率が良かったそう
です。話からしてマイルドな条件で目的タンパク質を抽出したいと
いうことかと思います。念のため今の研究室で標準になっている
凍結融解による抽出プロトコールを示しますので良かったら参考に
してください。
1.菌体を1xPBSで溶く(1Lの菌体で13mL)。
2.細胞壁を除くためにリゾチームを加え(最終濃度300ug/mL)氷上で1時間。
3.液体窒素と37度の恒温相を使い凍結融解を4回繰り返す。
4.DNaseIを加え(400U)氷上に1時間置き抽出されたDNAを分解。
5.DNAを含むゲル状の溶液がさらさら流れる溶液になったことを確認して、4度、12,000rpmで30分遠心して上清を回収。
これで幾つかのタンパク質の抽出を行った経験がありますが抽出
効率で問題になったことはありません。
フレンチプレスの件ですがフレンチプレスに限らずソニケーション
やガラスビーズを含めて物理的な破砕は熱の発生を伴いますから
話に出てくる可溶画分に来る一定の構造を取らないでからまって
いるようなタンパクは部分的に熱変性しているのかもしれません。
そのような危険性を避けるには時間はかかりますが凍結融解が
安全かと思います。 |
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