ここ最近の動向は追っかけていませんが、状況は大して変わっていないとして。
> MALDI-TOF-MSによる分析は良く見るのですが、
> ESI-LC/MSの分析はあまり見ませんが、なぜでしょうか。
LC-MSの方が操作が難しい、良いデータを得るまでに熟練を要するため
敬遠されがちなのだと思います。気楽に使える人も少ないでしょうし。
また方法論が確立されていないのも原因の一つでしょう。
(これは改善されているかも)
あと欧米では、完全メチル化してMALDI-MS(/MS)というのが主流です。
糖鎖の分離とESIの相性が良くないから、という話を聞いたことがあります。
> Nano-LC/MSを用いた分析で、通常のLC/MSでありません。
> 通常のLC/MSで難しいのでしょうか。
一般にNano-LCの方が高感度だからです。サンプルが勿体ないので。
測定だけを考えたら、通常の(高流速の)LCの方が操作は楽ですし、
MS側の操作についてはLCの流速はほとんど関係有りません。
> 2-AP、2-AA、2-AB等でラベル化した糖鎖を質量分析する時、
> イオン化のしやすさ等に違いはあるのでしょうか。
これらは元々蛍光検出のために糖鎖のラベル化剤として利用されたと
思いますが、アミノ基を有していますのでMSでのイオン化効率を
向上させる働きがあります。その効果はそれぞれの試薬により異なります。
示された試薬による違いについては判りませんが、MALDI-MS用に
適した試薬について示した論文を読んだ記憶があります。 |
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