1)本来ない融合蛋白質が細胞内に蓄積したり、その融合蛋白質がうまく折り畳まれないままだと、分子シャペロンが多数そこに動員され続けると思いますし、それでもだめなら蛋白質分解系がそこに動員されると思います。フォールディング過程やある種の蛋白質分解系ではATPも消費しますし、こうした状態が長く続くことは、本来細胞内の個々の蛋白質量が合成と分解のバランスである程度きちんと制御されている細胞内でははけっして生理的な状態ではないように思います。実際、フォールディング異常のある蛋白質の蓄積が原因となる病気もいくつか知られていたはずです。
2)2番目の事柄は、自分でそういう経験したときに、少し調べたときに何かに書いてあったのを思い出して書きました。ただ、そのときは、上記のような状態が積極的に死滅に導いているということではなくて、状態の良い細胞の方が状態の悪い細胞より増殖がよいということと、加えてシングルセルからコロニーができるまでの立ち上がり(普通の細胞でも細胞密度があまりに低すぎると、しばらく増殖が停滞したりときには死んだりします。)がうまくいかなかったりということと解釈しました。(これとは関係ないですが、クローニング中あるいはクローン化した後に遺伝子が抜ける場合もあるそうです。仕組みはわかりません。)
いずれにせよ、どうしてもGFP融合蛋白質を使わざるをえない事情のときは、観察可能な範囲で、できるだけ、発現量がすくないクローンを使った方が良いように思います。また可能な限り蛍光抗体法などで内在性蛋白質ではどうかも見る必要があると思います。 |
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