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GFPの発現 トピック削除
No.2625-TOPIC - 2009/01/10 (土) 17:57:27 - 細胞初心者
現在、HEK293で目的遺伝子の安定発現細胞株を作出使用としています。作出の段階で、ベクターをトランスフェクション後の細胞をシングルコロニーとして単離しているのですが、GFPの発現に差が見られます。トランジエントなトランスフェクションのときの緑色蛍光(GFPの発現)と比べ、シングルコロニーとして単離した細胞の緑色蛍光がかなり弱くなっています。また、シングルコロニーとして単離した細胞株によっても緑色蛍光に差が見られます。
もともとは同じHEK293でも発現の誘導に差が生じるものなのでしょうか?また、トランジエントとステイブルで緑色蛍光が違う理由は何なのでしょうか?(違っていても大丈夫なのでしょうか?)
どなたかご教授頂けると幸いです。
 
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No.2625-5 - 2009/01/12 (月) 21:14:06 - せぴー
>トランジエントとステイブルで緑色蛍光が違う理由は何なのでしょうか?

単純に、GFPの発現量は、導入されたベクターのコピー数に比例しているのではないでしょうか。
トランジェントの遺伝子導入の場合、導入されたベクターのほとんどはゲノムに乗りませんので、時間経過に伴って脱落していきます。
トランジェントに導入してから選別の過程で、導入プラスミドの分子数は減少しますので、GFPの発現量も減少するのだと思います。
安定発現株のGFPの発現量もゲノムに乗ったコピー数に比例するのではないかと思います。

(無題) 削除/引用
No.2625-4 - 2009/01/12 (月) 17:11:21 - 名無し


1)本来ない融合蛋白質が細胞内に蓄積したり、その融合蛋白質がうまく折り畳まれないままだと、分子シャペロンが多数そこに動員され続けると思いますし、それでもだめなら蛋白質分解系がそこに動員されると思います。フォールディング過程やある種の蛋白質分解系ではATPも消費しますし、こうした状態が長く続くことは、本来細胞内の個々の蛋白質量が合成と分解のバランスである程度きちんと制御されている細胞内でははけっして生理的な状態ではないように思います。実際、フォールディング異常のある蛋白質の蓄積が原因となる病気もいくつか知られていたはずです。

2)2番目の事柄は、自分でそういう経験したときに、少し調べたときに何かに書いてあったのを思い出して書きました。ただ、そのときは、上記のような状態が積極的に死滅に導いているということではなくて、状態の良い細胞の方が状態の悪い細胞より増殖がよいということと、加えてシングルセルからコロニーができるまでの立ち上がり(普通の細胞でも細胞密度があまりに低すぎると、しばらく増殖が停滞したりときには死んだりします。)がうまくいかなかったりということと解釈しました。(これとは関係ないですが、クローニング中あるいはクローン化した後に遺伝子が抜ける場合もあるそうです。仕組みはわかりません。)

いずれにせよ、どうしてもGFP融合蛋白質を使わざるをえない事情のときは、観察可能な範囲で、できるだけ、発現量がすくないクローンを使った方が良いように思います。また可能な限り蛍光抗体法などで内在性蛋白質ではどうかも見る必要があると思います。

(無題) 削除/引用
No.2625-3 - 2009/01/12 (月) 15:40:53 - 細胞初心者
名無しさんお忙しい中返答して頂きありがとうございました。確かにトランジエントな細胞(Tf効率約70%)の場合でも、GFPの発現量がまちまちでした。

> @細胞が想定していないような外来の融合蛋白質が大量に発現するとき、細胞はなんとかこの事態に対処。
>A結果としてそうした細胞は、増殖、長期の生存率が良くなくて、抗生物質による選択の過程で除かれやすい。

上記の2点がよく分からないのですが、
@は事態への対処とは具体的にどのようなものなのですか?(融合蛋白質の分解とかですか?)
Aの抗生物質の選別段階で細胞を死滅(増殖、生存率の低下)へと導く原因と理由がよくわかりませんでした。
何度も申し訳ないのですが、再度返答して頂けると幸いです。

(無題) 削除/引用
No.2625-2 - 2009/01/10 (土) 20:09:52 - 名無し
トランジエントな発現の場合、うまく遺伝子が入った細胞(Tf試薬や細胞種など条件によると思いますが全体の50~80%くらい?)の間でも個々の細胞で発現量はまちまちと思います。細胞が想定していないような外来の融合蛋白質が大量に発現するとき、細胞はなんとかこの事態に対処しようとするので、しばしば細胞にとって大きな負担になる場合があります。実際、強制発現させた蛋白質を精製してくると、分子シャペロン蛋白質がいっしょに共精製されてくることはしばしば経験することです。結果としてそうした細胞は、増殖、長期の生存率が良くなくて、抗生物質による選択の過程で除かれやすいのではないでしょうか。結果として、細胞に負担にならないほどほどの発現量のクローンが残り、あなたが観察したような結果になるのではないでしょうか。複数のクローンを得ていると思いますが、WB等で発現量を比較してみて、内在性蛋白質の量との比較から、実験目的に合った適切な発現量のものを用いるのが大切と思います。強い発現は生理的には起こりにくいような蛋白質間相互作用を招きしばしばアーティファクトの原因となる場合があります。可能な限り内在性蛋白質でも見ることを勧めます。

GFPの発現 削除/引用
No.2625-1 - 2009/01/10 (土) 17:57:27 - 細胞初心者
現在、HEK293で目的遺伝子の安定発現細胞株を作出使用としています。作出の段階で、ベクターをトランスフェクション後の細胞をシングルコロニーとして単離しているのですが、GFPの発現に差が見られます。トランジエントなトランスフェクションのときの緑色蛍光(GFPの発現)と比べ、シングルコロニーとして単離した細胞の緑色蛍光がかなり弱くなっています。また、シングルコロニーとして単離した細胞株によっても緑色蛍光に差が見られます。
もともとは同じHEK293でも発現の誘導に差が生じるものなのでしょうか?また、トランジエントとステイブルで緑色蛍光が違う理由は何なのでしょうか?(違っていても大丈夫なのでしょうか?)
どなたかご教授頂けると幸いです。

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