>何故プレートに撒かずそのまま増やしてコンピテント化してはいけないのですか?
プレートでシングルコロニーを拾うのは、F'因子を保持したクローンを選択するというのが主要な目的です。そのためにM9最少培地プレートや、宿主の種類によっては薬剤プレート(XL1-Blueならtetracyclin、など)で選択します。
薬剤の入っていない通常培地のプレートに開いてもあまり意味がないと思います。
多くの宿主・ベクター系では、宿主にF'因子が保持されている必要があります。
F'因子に系に必要な遺伝子、例えば青白セレクションに必要なlacZ遺伝子の一部、lacZのレプレッサーでIPTG誘導に必要なlacIや、M13系ファージの感染に必要なF線毛の遺伝子が乗っていたりするからです。
F'因子は培養をしているうちに落ちます。植え継ぎ植え継ぎで培養を繰り返すとその頻度も高くなります。F'因子が抜けたクローンでは、本来は青くなるべき非組換えプラスミドの形質転換体でも青くならなかったり、融合タンパク質発現系で、誘導をかけなくてもタンパク質が発現してしまって増殖ができなくなったり、いろいろ不都合があります。 |
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