ええとさん、
ありがとうございます。ただ申し訳ないのですが、
今ではほとんど使わなくなったファイルキャビネットをひっくり返して探してましたが、
TFAを可溶化に使うその論文が見つかりません・・
確か、80年代後半のAnalytical Biochemだったと記憶しているのですが。
PubmedでもGoegleでも引っかからず
自分でも論文に特にひいたことはなかったので、手がかりが残ってません。
極度に難溶性の膜タンパクの電気泳動に関するものだったか、
TCAで沈殿させたタンパクを収率良く電気泳動するか、という話だったのか、
たぶん、それが主眼の論文ではないので、検索に引っかからないのかな。
ただ、確認することは容易です。良くやっていますが、
たとえば、有機溶媒で沈殿させて乾燥させたタンパクの沈殿を可溶化するとき、
また酸でもアルカリでもDMFなどで熱してもどうにも溶けないペプチドや、
あるいは大腸菌で発現させたinclusion bodyを可溶化したい、だけどSDSは入れたくないというとき、
100%TFAをそれらの乾いた沈殿にほんの少量加えると、魔法のように溶けます。
pIが4くらいのタンパクの沈殿でも溶けます。
極度に酸性のペプチドはやったことないですが、それはTFA使わなくても溶けそうですね。
ですから荷電とは関係ないのかな。
面白いのは、TFAを揮発させて再び乾燥状態にしても、
その沈殿は形状が変わってフィルムのようになっていて、
水を加えるとほとんどの場合、すんなり溶けるようになります。
ただpHをあげてくと沈殿ができてしまう場合もありますが。
TFAの不思議な作用です。TCAからClがFに変わっただけなのに、
作用が一見、全く逆に見えます。
もっともTCAは水に溶かさないといけないので単純に比較はできないですが。
そういえば、ギ酸は難溶性のペプチドのHPLCによく使われているようでしたね。最近、やってないので忘れてました。
試してみられたら面白いと思います。ただ、100%TFAは極度に危険で、一度、足に落としたことがあって、ほんの少量でしたが何ヶ月も痛みました。 |
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