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M13K07 phageによるssプラスミドの取得 トピック削除
No.247-TOPIC - 2007/09/26 (水) 22:09:47 - 初心者
こんにちは,私は,pBluescript II KS+(f1因子を有する)をトランスフェクトしたDH12S大腸菌(Invitrogen)からM13K07 Helper phage(Invitrogen)を使って,single-strandプラスミドを得ようとしています。
しかしながら,得られるssプラスミドは大変少量で,低収率でこまっています。
また,純度も低いです。
(通常,大腸菌培地1mLに対し,0.5マイクログラムのssプラスミドが取れるようです)

培地組成やカナマイシンの入れる量,そしてmoiの計算などは間違いないとおもっています。
いろいろ調べているうちに,M13phageが大腸菌に感染するときに必要なpiliが,大腸菌を培養していく内に無くなっていくという記述を見つけました。
これはどういう意味でしょうか?
また,なにが原因で,いつpiliがなくなってしまうのでしょうか?

まったくの初心者で申し訳ありませんが,どなたか教えてください。
よろしくお願いします。
 
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(無題) 解決済み 削除/引用
No.247-21 - 2007/10/22 (月) 11:14:09 - 初心者
中年様
いろいろご助言をありがとうございました。
まだ問題を抱えていますが,なんとかやってみます。
トピックを上げずにお礼のみ書かせていただきます。

(無題) 削除/引用
No.247-20 - 2007/10/15 (月) 16:42:00 - 中年
苦労しておられますね。

> これは何のバンドでしょう?

DH12S株はendA+なので、共雑してくるDNAは少ないはずなんですけどね。ssDNAの取り方をどのようにしていらしゃいますか?

> ヘルパーファージとM13の違いは何ですか?また,そのM13はどこで手に入れることが出来ますか?

ご質問の意図を取り違えているかも知れませんが、ヘルパーファージは本来のM13ファージに手を加えて、ssDNAが複製される効率を落としてしまったものです。おかげで、ヘルパーファージの感染した大腸菌内に、M13(もしくはf1)ファージの複製起点をもったプラスミドが共存した場合に、そちらから複製されたssDNAを、自分のssDNAよりも優先的に粒子にパッケージします。M13ファージベクターは、それ自身がファージとして増殖するベクターで、コロニーではなくプラークとしてクローニングします。

違いというのが実用上の利点・欠点という意味であれば、プラスミド+ヘルパーファージの系は、ヘルパーを感染させるまでは通常のプラスミドと一緒なので、大きいDNAも安定して保持させることができるのが利点で、なぜか分からない理由でssDNAの取れが悪いことがあるのが欠点。ファージベクターの系は、長いインサートをクローニングしにくいことが欠点でしょうか。

M13ファージベクターはTaKaRaなどから市販されています。
http://catalog.takara-bio.co.jp/product/basic_info.asp?unitid=U100003447

(無題) 削除/引用
No.247-18 - 2007/10/12 (金) 19:32:21 - 初心者
先日,質問させていただいた初心者です。
以前よりわずかに収率が良くなりましたが,ssDNA以外のDNAが大量に夾雑してきます。
アガロースによるバンドの位置は,dsDNAの上(nicked circle dsDNAとほぼ同じ位置)に出てきます。
割合から申しますと,それが95%以上で,ssDNAが1,2%程度です。
これは何のバンドでしょう?

中年さんの助言通り,2度遠心しましたが,変化ありませんでした。
「PEG沈殿でファージ粒子を回収しておられるなら、その前の培養上清を二度遠心することをお勧めします。溶菌しかかったような大腸菌のクズを十分に除くことがコツだと思います。」

それから,No247-8の下の「それから、目的に合うかどうかは分かりませんが、ssDNAを取ることが目的なのであれば、ヘルパーファージを使う系ではなくM13ファージベクターを使った方が確実だと思います。先に書いた収量の悪いクローンの場合も、M13を使ったら一発で解決しました。」に関して,M13が大変良いということですが,ヘルパーファージとM13の違いは何ですか?また,そのM13はどこで手に入れることが出来ますか?

(無題) 解決済み 削除/引用
No.247-17 - 2007/10/03 (水) 14:15:48 - 初心者
atsさん,ありがとうございました。

回答してくださった皆様
今,実験やってます,もし,問題がでてきましたら,再度質問させてください。

おおきなplasmid 削除/引用
No.247-16 - 2007/10/01 (月) 16:44:47 - ats
F エピソームは、1copy/cellの約100kbのplasmidです。
100kb以上の動物ゲノムDNAをクロ−ン化するために、この複製系遺伝子群を利用してBACベクタ−が構築されています。
DH10BにM13系phage感染性を持たすために、アルカリSDS法でXL1BlueからF' plasmid(tet耐性遺伝子を有する)を先端を切って穴を大きくしたチップおよびlysozymeを利用し「注意深く」抽出して、DH10Bにelectroporationで導入したことがあります。

(無題) 削除/引用
No.247-15 - 2007/10/01 (月) 16:04:11 - 初心者
atsさん,回答ありがとうございました。
大きなplasmid?これはどういう意味でしょうか?

deletionですか,数kbpどかっとdeletionしてれば見つけやすいですが,数bpだと気づかずに使ってしまいそうです。
とにかく,シーケンスなどで確認してみます。

F pili 削除/引用
No.247-14 - 2007/09/28 (金) 16:23:40 - ats
F' エピソーム(大きなplasmid)は、野生型Fエピソームが改変されたものを表します。
F' 上の遺伝子群から合成されるF piliは、37度で大腸菌を生育させないと正常に合成されずM13系phageが(効率良く?)感染できないので注意が必要です。また、大腸菌が増えすぎて定常期になっても感染効率が下がりますので、通常の培養(定常期OD600=2〜3)ならOD600<1の増殖期の大腸菌をお使いください。
M13系phageのg3タンパクがF piliに結合して感染が成立します。
感染細胞が作り出す過剰の(?)g3タンパクが、新たな重複感染を阻害するそうです。F piliの合成(伸長)を阻害するのかもしれません。
M13系のphageのbodyはpackagingされるssDNAのサイズに応じて長くなります。
しかし、あまり大きなssDNAだと(複製時?に)deletionしやすくなりますので注意してください。

(無題) 削除/引用
No.247-13 - 2007/09/27 (木) 21:54:28 - 初心者
中年さん,失礼しました。
まさかリアルタイムにお返事を頂けるとは思ってもみませんでした。

DH12Sを,アンピシリンを含んだ最少培地(プロリン無し)で生じさせれば,F'因子とプラスミドの両方を持っているということをお聞きし,さらに古い手法の奥深さを感じました。
まずこれをやってみます。

(無題) 削除/引用
No.247-12 - 2007/09/27 (木) 21:46:00 - 中年
復活してる・・・

No.247-8の私のコメントはNo.247-10に対するものです。

(無題) 削除/引用
No.247-11 - 2007/09/27 (木) 21:44:44 - 初心者
すいません。
書き足そうと思いましたが,やめました。

(無題) 削除/引用
No.247-10 - 2007/09/27 (木) 21:43:14 - 初心者
Freshさん,中年さん,回答ありがとうございました。
大変参考になりました。

ssDNAの用途は都合上申し上げられませんが,面白いことに使います。
古い手法は,誰もやらなくなったからって決して使い物にならなくなったわけではなく,時代に左右されるものだとおもいます。
基本的に,私は大勢がやっている流行の手法はあまり好きではなく,やらないようにしています。

話がそれました。
回答をお聞きして,総合しますと,-80度にストックした大腸菌をつかっておりますので,おそらくF'が落ちていっているのだと思われます。

早速,XL1-Blueについてstratageneで調べますと,XL1-Blue Competent Cells(cat#200249) のページに「抗生物質耐性 F' エピソーム (+) なので、最小培地プレートでの時間を要する選択操作の手間を省略」と書いてありました。
これは,寒天プレートで無くても良いということでしょうか?
つまり,テトラサイクリン含有の液体培地(M9最小培地?)でサバイブできるXL1-BlueがF'pilliを持っているということでしょうか?

本当に初心者で申し訳ありませんが,再度教えてください。
ちなみにXL1-Blueも初めて知りました。

(無題) 削除/引用
No.247-9 - 2007/09/27 (木) 21:42:08 - 中年
あれ?
初心者さんのメッセージが消えてる・・・

(無題) 削除/引用
No.247-8 - 2007/09/27 (木) 21:40:35 - 中年
なんだか楽しそうですね。

f1複製起点とM13ヘルパーファージの系は、一つの大腸菌の中にこの両者が共存すれば、f1複製起点を持つプラスミドのssDNAがファージ粒子として回収されるというもので、F'因子が必要なのはM13ヘルパーファージを感染させるためです。

DH12S株のF'因子はプロリン生合成系の遺伝子を持っていて、最少培地(つまりプロリンを含まない培地)ではF'因子を含まない大腸菌は生えることができません。ですから、アンピシリンを含んだ最少培地で生じたコロニーは、F'因子とプラスミドの両方を持っているはずです。今回の場合、グリセロールストックからこのプレートに生やしてみれば良いと思います。

XL1-blueなどの株は、F'因子にテトラサイクリン耐性遺伝子が乗っていて、生えも遅いし作るのも面倒な最少培地を使う必要がないのがメリットです。液体か寒天かは関係ありません。テトラサイクリンとアンピシリンを加えたLBプレートで生えてきたコロニーはF'因子とプラスミドの両方を持っていることが保証されていますので、これをアンピシリン含有のリッチな培地(2xYT等)に植菌し(テトラサイクリンはもう不要)、さらにM13KO7を感染させてからカナマイシンを加えて培養するという手順になります。

それから、目的に合うかどうかは分かりませんが、ssDNAを取ることが目的なのであれば、ヘルパーファージを使う系ではなくM13ファージベクターを使った方が確実だと思います。先に書いた収量の悪いクローンの場合も、M13を使ったら一発で解決しました。

(無題) 削除/引用
No.247-6 - 2007/09/27 (木) 15:33:15 - 中年
忘れていたことがあります。ヘルパーファージを感染させた後の培養時のエアレーションがssDNAの収率に大きく効きます。私の場合は、14mlの丸底チューブに2mlの培地を入れて、チューブを45度くらいに傾けて培養していました。先細のチューブなどをお使いなら、振とうに気をつけた方が良いと思います。

また、純度が低いとお書きになっていますが、DNA以外の夾雑物があるという意味でしょうか、それともssDNA以外のDNAが夾雑してくるという意味でしょうか。PEG沈殿でファージ粒子を回収しておられるなら、その前の培養上清を二度遠心することをお勧めします。溶菌しかかったような大腸菌のクズを十分に除くことがコツだと思います。

(無題) 削除/引用
No.247-5 - 2007/09/27 (木) 12:51:52 - 中年
M13KO7!懐かしいなぁ・・・

大事な点はFreshさんがお書きになっている通りなのですが、M13KO7感染後にカナマイシンを加えて、一晩培養して翌朝、いわゆるover night cultureくらいに濁っていますか?カナマイシン耐性遺伝子はM13KO7に乗っているので、pilliが落ちて感染性が低下している場合には、ここで判断がつく場合が多かったです。

それから、サイズもさることながら、プラスミドによっては収率が低いものがあります。サイズが大きい方が収率が低い傾向がありますが、それでは説明できないほど取れないものもありました。

また、これもFreshさんがお書きになっていますが、F'の選択がTetでできる株を使うようになって、トラブルがぐっと少なくなったことも覚えています。

ところでssDNAを何にお使いですか?私自身は、M13の系を使ってssDNAを取らないといけない実験が最近ほとんど無くなりました。

(無題) 削除/引用
No.247-4 - 2007/09/27 (木) 11:46:27 - Fresh
F因子をもつ大腸菌(F+)はF pilliを生じ、F因子をもたない大腸菌(F-)と接合するというのはご存じですね。F因子がどうして落ちてしまうのかは、まだはっきりしたメカニズムがわかっていなかったはずだと思います。でも、実際問題落ちます。そうでなければ、世の中全ての大腸菌がF+になってしまうはずですが、そうはなりません。

F+でも継代培養を続けるとF-が増えてくるとか、培養した大腸菌を保存しているうちにF因子が落ちてくるなんてことは、むかしから言われています。
30年ほどまえまでは、サンガー法シークエンスの鋳型はM13ファージ系の一本鎖DNAを使うのが普通でした。F pilliがないと感染できないので、宿主はM9最少培地プレートでF'因子をもつコローニーを選択した上、速やかに培養・調製せよと言われていました。培養済みの大腸菌を、たとえ冷蔵でも、一晩も保存してしまうとかなりの細胞はF'を失うと書いてあるものもありました(そんなにひどいとも思えませんが)。

また、F'因子はBlue/white selectionに必須で、これが落ちていると青くなるはずのコロニーが発色しません。

いずれにせよ、F'の宿主を調製するには、M9プレートで選択したものから速やかに調製することにつきます。前の培養液の残りから植え継ぐなんてことはやめましょう。
なお、XL1-blueはF'にテトラサイクリン耐性が乗っているので、テトラサイクリンで選択や培養中の維持が出来ると思います。

(無題) 削除/引用
No.247-3 - 2007/09/26 (水) 22:34:52 - 初心者
書き忘れました。
そのプラスミドはインサートを含め,約9kbpあります。
長すぎるということもあるでしょうか?

M13K07 phageによるssプラスミドの取得 削除/引用
No.247-1 - 2007/09/26 (水) 22:09:47 - 初心者
こんにちは,私は,pBluescript II KS+(f1因子を有する)をトランスフェクトしたDH12S大腸菌(Invitrogen)からM13K07 Helper phage(Invitrogen)を使って,single-strandプラスミドを得ようとしています。
しかしながら,得られるssプラスミドは大変少量で,低収率でこまっています。
また,純度も低いです。
(通常,大腸菌培地1mLに対し,0.5マイクログラムのssプラスミドが取れるようです)

培地組成やカナマイシンの入れる量,そしてmoiの計算などは間違いないとおもっています。
いろいろ調べているうちに,M13phageが大腸菌に感染するときに必要なpiliが,大腸菌を培養していく内に無くなっていくという記述を見つけました。
これはどういう意味でしょうか?
また,なにが原因で,いつpiliがなくなってしまうのでしょうか?

まったくの初心者で申し訳ありませんが,どなたか教えてください。
よろしくお願いします。

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