>実験などで、下記のデータが検出された場合、どのような考察をすれば
>よろしいのでしょうか。
場合によりけりかと思いますが,基本的に「活性化率(って言い方でいいのかな?)」を「最初」の指標にする意味はあまりないと思っています.細胞数,総タンパク量,内部標準などがサンプル間で差がないという前提ですが,リン酸化タンパクの総量がシグナル強度の最も基本的な指標になるのではと思います.次の段階として,標的タンパクの総量(ここではp38)の変動を見たり,割合(活性化率)などを見たりしてシグナル強度の増減の理由に近づいていくという過程が一般的かと.
つまり,リン酸化が亢進(減弱)した理由として,標的タンパク総量の変化によるものか否かを検討するために「活性化率」を算出する形になると.
標的タンパク総量の変化に意味があまりないと考える場合(例えばテクニカルな問題などで生じてしまった場合)はそこで終了でしょうし,標的タンパク総量の変化にも着目する場合には続けて転写翻訳や分解等にも目を向けて考えていく形が基本ではないでしょうか?(個人的には,どちらかというとテクニカルな問題で「活性化率」を算出している場合が多いのではないかと思います.その率に特別な意味があるのであれば,論文中に言及されているでしょうし,そうすれば質問者さんもここに質問しなかったでしょうし).
質問者さんはデータの一例を出されて解釈を伺っておられますが,リン酸化,タンパク発現(転写翻訳),タンパク分解のタイムコースはそれぞれ大きく違うので,すべてを同時に満たす解釈は困難だと思います.ケースバイケースで妥当な解釈を求めていくしか無いのではないでしょうか.
>昔はp-p38を検出できなかったので、p38の発現量の増加=活性化の亢進と
>いう感じで捉えられていたように思います。
活性化という単語を混同されていませんか?
標的タンパクの発現量の増加を「刺激に伴う標的タンパクの転写翻訳の増加(つまり細胞の活性化)」と考えれば標的タンパクの発現を指標に「(細胞の)活性の亢進」と言っても良いと思います.標的タンパクの活性化(リン酸化.つまりタンパクの活性化)を見るために,標的タンパクの発現量を測定することは昔の人でもやらなかっただろうと思います.
長くなってしまい恐縮です. |
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