生物組織から抽出を行う場合、一番のRNaseソースは生物組織自身です。それでも、たとえRNasが豊富な膵臓や肝臓であっても、迅速にRNaseを失活できるように抽出法がデザインされているはずなので、ホモジナイズする段階で使われる器具を、オートクレーブなどRNaseを失活させる目的の処理をするのは「ナンセンス」だと思います。普通に、きれいに洗浄しておけば十分です。RNaseの汚染がどうしても気になるなら、過酸化水素水で処理、あるいは200℃以上の乾熱滅菌した方がオートクレーブより信頼できます。なにしろ、オートクレーブでは失活できないということがわかっているのですから。
ただ最近は、PCRベースで検出を行ったりするので、RNaseのコンタミより、RNAやDNAのキャリーオーバーのほうに神経を使います。0.2 MくらいのNaOHやKOHで処理(RNAを加水分解するほか、ガラス器などの表面が汚れごと溶け落ちる)、UV照射と塩酸処理(DNAの分解、不活性化)などを考えます(RNase不活性化も期待できる方法です)。 |
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