インサ−トDNAによって薬剤耐性度が変わることは、まれにあります。
理由は、plasmidのコピ−数が減ったり、DNAの「ねじれ」の程度が変わり、薬剤耐性遺伝子の発現量が変動するからだと思います。
全く増えなかったことは経験上ありませんが、本当のところは不明です。
その時は増殖を速めるために、液体培養時に薬剤濃度を半分にしてlarge-prepしました。
質問の内容からは何にお困りか不明ですが、cloneが取れないと推定して話を進めます。
必ずしも教科書の濃度が最小生育阻止濃度であるとは限らないので、薬剤濃度を変えた寒天培地を作製してplasmidを持たない菌がcolonyを作らない最小濃度を決めて本実験を行うとよいでしょう。薬剤のlotによって薬効が異なるものもあるようです。
また、培地の塩濃度によっては薬剤が析出するためなどの理由で、薬効が変わる薬剤もあります。
カナマイシンも高濃度のリン酸塩で効きが悪くなるという論文があります。
(Studier,F.H. Protein Expr. Purif.41:207-34,2005、ちなみにこの論文は某社のAuto-Induction Mediumの元ネタだと思われます)
最近いろいろな薬剤を使うため、以上のことを考慮してLBではなくpremixのSOB培地(安くなったので)を利用して寒天培地を作製しています。
菌株に関して、メチル化遺伝子(制限系、不活化されていると遺伝子発現に影響すると思う)に変異がなければ同じK12株由来ではさほど差はないと思います。 |
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