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安定発現細胞系の樹立 トピック削除
No.2169-TOPIC - 2008/10/23 (木) 16:28:15 - !
こんにちは。質問させて下さい。
今、安定発現細胞系を樹立したいのですが、私が所属している研究室が合成系ということもあって、周りにアドバイスをくれる人がいなくて困っています。
私自身、全く生化学系実験に疎いのですが、何とかベクターをつくり、一過性導入で良い結果が出せました。(リポフェクション法)しかし、ここから先の安定発現させる方法が良くわかりません。自分で本を読んで、抗生物質を入れた培地で生き残った細胞をセレクションし、クローニングするという大まかな流れはつかんでいるのですが、プロトーコールが詳しくわかりません。

導入したいベクターにはピューロマイシン耐性遺伝子が入っているので、ピューロマイシンを一週間で通常細胞が90%死ぬ濃度で飼って、生き残ったコロニーはどうやって培養すればいいでしょうか?接着細胞なのでペニシリンキャップ法を試してみたいのです。


長々と長文すみません。
質問をまとめると、安定発現細胞をつくる参考プロトコールを良ければ教えて下さい。
細胞やベクター、実験方法など、その他色々な条件により必ずしもそのプロトコールが適応できるかわからない事も承知しております。
皆さんが安定発言させて成功した例をあくまで参考に教えて下さい。
 
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ありがとうございます。 解決済み 削除/引用
No.2169-14 - 2008/10/27 (月) 12:36:34 - !
皆さん、たくさんの質問に答えて頂き、本当にありがとうございました。
おかげで全て解決しました。

ピューロマイシンの注意文書は、後輩が勝手に持ち出していました。
すみません。

また質問することもあると思いますが、よろしくお願いします。
ありがとうございました。

(無題) 削除/引用
No.2169-13 - 2008/10/24 (金) 22:43:37 - K
細胞内に導入されたplasmidがゲノムに組み込まれ際にはランダムにどこかが切断されて直鎖になって挿入されます。このとき目的の遺伝子の発現に必要な領域が切断されるような組み込まれ方をしてしまうと正確な発現を維持できません。

そのためあらかじめ発現に必要ではない部分を切断して直鎖状にし、組み込まれるパターンを決めておくと薬剤耐性遺伝子と目的の遺伝子の両方が正確に発現するクローンが取得しやすくなります。

私のところではピューロマイシンは一度1mg/mlの濃度で滅菌水に溶かしておき、それを小分けにして-20度で保存し、その都度培地に添加して使用しています。何度も凍結融解を繰り返すと劣化してしまうと思い、心配なので小分けにしています。

ヒト由来の株化された癌細胞であれば選抜の濃度は0.5〜3.0μg/ml位が培地に添加して使用する濃度の目安になると思います。選抜にかかる時間は数日くらいでしょうか。この辺は選抜する薬剤の種類によります。

二週間という期間も薬剤耐性を獲得したクローン由来の細胞集団がある程度増殖して96well等に単離しやすい数になるのを待つ時間ということです。少ない細胞数でも増殖が早ければもっと早くクローニングできるものもありますし、逆に時間がかかるようなこともあります。

ピューロマイシンの取り扱いですが、私は皮膚に直接着かないように注意すること以上は特に警戒していません。滅菌水に溶かす前の粉末の状態では空中に舞わないように注意することは必要だと思います。

(無題) 削除/引用
No.2169-12 - 2008/10/24 (金) 22:41:55 - ~
>抗生物質でのセレクションは2週間ほどするのがオーソドックスなのでしょうか?
ピューロマイシンであれば、1週間経たずに薬剤耐性が無い細胞は死ぬでしょう。
ただ、ポイントは、取り出せるだけのコロニーのサイズが出来ることです。
コロニー1つあたり100個くらいの細胞があれば取り出せますので、コロニーのサイズを見ながら、いつ回収するかを考えましょう。

>鎖状で導入したら、細胞内で環状に戻るのですか?
ピューロマイシンを使っているということは、環状ではなくて、線状の染色体を持つ細胞に入れていますよね?
環状になる必要はありません。

>使用する時は粉末をそのまま培地に溶解すれば良いのでしょうか?
培地に溶かしてしまうと、別の培地で飼う細胞に使いにくくなりますよね。
1mg/ml位の濃度でミリQ水に溶かしてろ過滅菌しておいて、
目的の最終濃度になるようにピペットマンで添加して使うと、扱いやすいです。

>これは培地1mLに対して10μgの抗生物質を入れる
そうです。
上記の濃縮液であれば、1/100vol入れることになりますので、もう少し濃い原液があると便利ですね。
http://www.sigmaaldrich.com/catalog/search/ProductDetail/SIGMA/P8833
では、50mg/mLまで水に溶けるそうです。
ただ、あまり濃いと、少量の培地に添加する際に誤差が生じやすくなります。
(50mg/mLの原液を10mLの培地に0.5ug/mLになるように入れるには、0.1uL入れることになりますが、簡単に数倍の誤差が出てしまいますよね)
目安の濃度が決まったら、1000倍位の濃度にしておくと、扱いやすいです。
(10mLの培地に10uL添加することになります)

>目安濃度がわからないもので。
目安の濃度は、まずはその細胞で使用されている濃度を調べるところからはじめますが、
0.2~10ug/mL位が相場だと思います。
ピューロマイシンでは細胞が死ぬのが早いです。
毎日ディッシュをチェックして、細胞が死んで浮いているようだったら、培地交換したほうがいいです。
(死細胞が浮いていると、生きている細胞まで調子が悪くなることがあります)

>『劇物』と書いてありながら注意書きが何もないので
おかしいですよ。
まさか合成系の研究室だからといって自分で合成してませんよね。
メーカーがMSDSを発行する必要がありますので、取り寄せましょう。
皮膚や目に付いたときの対処法などが書かれています。
http://www.fermentek.co.il/MSDS/puromycin-MSDS.htm
合成系の研究室の方が、こういうのは詳しいのでは?

お礼と追加質問 削除/引用
No.2169-11 - 2008/10/24 (金) 19:28:57 - !
~様

一過性で導入率が高かったので、安定発現するのも多いかと思っていました。目安になる細胞播種数も教えて下さり参考になります。

抗生物質でのセレクションは2週間ほどするのがオーソドックスなのでしょうか?効きが早い抗生物質と遅いのもとあると聞いたのでピューロだとどの程度なのか調べているのですが、なかなか情報が得られずにいまして。

ところで環状プラスミドを切って、鎖状にしてから導入するという手法に非常に興味があります。鎖状で導入したら、細胞内で環状に戻るのですか?



追加質問
ピューロマイシンを粉末で手に入れたのですが、使用する時は粉末をそのまま培地に溶解すれば良いのでしょうか?それとも滅菌ミリQ水がなにかで一度、液体に溶解して使うべきでしょうか?
抗生物質濃度を10μg/mLでやっている論文があるのですが、これは培地1mLに対して10μgの抗生物質を入れると解釈してよいのでしょうか?
実際にセレクションに入る前に、抗生物質の最適濃度を決める実験をしたいのですが、目安濃度がわからないもので。

最後にピューロマイシンにでかでかと『劇物』と書いてありながら注意書きが何もないので、かなり使用におびえています。素手で扱わないなどの他に注意点があれば教えて下さい。

(無題) 削除/引用
No.2169-9 - 2008/10/24 (金) 11:49:26 - ~
>[Re:8] ~は書きました :

> 私は、入れている遺伝子が増殖抑制に働くと分かっている以上、
・・・
すいません。他のスレと間違えました。

(無題) 削除/引用
No.2169-8 - 2008/10/24 (金) 10:20:53 - ~
導入方法は、今の時点で高発現が得られていれば、特に変える必要はないでしょう。
ただ、環状ベクターをそのまま入れているのであれば、
適当なところで制限酵素で切ってから入れた方が、高発現になるかもしれません。
(経験上の話なので、絶対に発現量が増えるとはいえませんが)

>※1の時点でかなり細胞が増えてしまって
ベクターをリポフェクションで入れた場合、細胞によるでしょうけれども
一過性の発現では90%以上の発現があっても、
安定発現になる細胞は、リポフェクションした細胞10^3~6個あたりに1個くらいだと思います。
全部増えてくるようであれば、薬剤が効いていないと考えていいと思います。
(シュードウイルスのようにゲノムに取り込まれる頻度が高いものだと別ですが)

そのため、10cmディッシュに10^4~5個の細胞を撒いて下記のセレクションを行った場合、(3段階くらいに撒き数を振っておいて、残りも濃い目に撒いておきます)
ディッシュ1枚あたりに生えるコロニーが数十個以下位のディッシュが得られます。
これくらいの数であれば、周りのコロニーと離れているコロニーを対象にペニシリンキャップ法で取得できるでしょう。

私は、発現していれば良いという時は、10~20クローンくらい、
高発現のものをとりたい時や、クローン間で2つの遺伝子の発現量を揃えたいときには、それぞれ50クローンくらいは拾っていました。


私は、入れている遺伝子が増殖抑制に働くと分かっている以上、
シングルクローンで実験を行うためには、
恒常発現するプロモーター+IRESではなく、誘導プロモーターで行うべきだと思いますけどね。
いったんはWBで高発現なクローンが取れたとしても、その発現している遺伝子が増殖抑制を起こそうとしていますので、
いきなり増えなくなったり死んだり、いつの間にか発現していなくなったりすると、後ではまります。
誘導系を作るのに多少時間はとられますが、共同研究などでdox誘導用の親株を借りれたら、今の操作とほぼ変わらない手間で作ることが出来ます。

(無題) 削除/引用
No.2169-7 - 2008/10/23 (木) 20:53:23 - 平戦闘員
それから、ペニシリンキャップを用いないコロニークローニング法の話が最近もありました。

http://www.kenkyuu.net/cgi-biotech2/biotechforum.cgi?mode=view;start=1;Code=2117

(無題) 削除/引用
No.2169-6 - 2008/10/23 (木) 20:51:12 - 平戦闘員
一枚のディッシュに70個ペニシリンキャップを立てるわけにはいかないでしょうから、「合わせて」70クローンということでしょうね。

トランスフェクションの効率やベクターのデザインにもよるので一概には言えませんが、puroで選択した後にはディッシュあたり、大きいものだとせいぜい数十コロニー程度が残ることになると思います。

70クローンはちょっと多いかと思いますが、確実に高発現ラインを取ろうと思ったら、遺伝子によっては何十クローンもチェックしないとだめなこともあります。

質問続き 削除/引用
No.2169-5 - 2008/10/23 (木) 19:58:50 - !
ご意見大変参考になります。お二方ありがとうございます。
お勧めいただいた図書をすぐに探し拝見したところ、カップ法についてはほぼ完璧に理解できました。ありがとうございます。

加えて質問させて頂きたいのですが、安定発現のために導入する際は、導入方は一過性と同じ方法で良いのでしょうか?

また、論文で調べたところ、まず6cmのディッシュで導入し、2日後にトリプシンではがして10cmディッシュに移し通常培地で一日飼い、次の日に培地をアスピレーターで吸って、抗生物質入りの培地を加えていました。その後も培地を吸っては新たな抗生物質入り培地を加えるといったことを2週間続けています。トリプシンではがしたという記述はありません。※1
そして2週間に生き残ったコロニーをカップ法でいくつかピックアップし(70コロニー※2)、各々抗生物質の入っていない培地でしばらく飼って増やした後、細胞の形質を見るテストをし、きちんとベクターが発現しているものを安定発現細胞としていました。

ここで質問です。
※1の時点でかなり細胞が増えてしまってディッシュにいっぱいになっていまっていそうなのですが、一般的にこんなに長期間、継代もせずにいて増えないんでしょうか?カップ法なので、増えすぎてしまうと上手くコロニーが拾えないと思いました。
はじめは96穴で飼うのが一般的なのですか?

※2で70コロニーも単離しているのですが、こんなにピックアップするのでしょうか?


そもそも、この論文のやり方自体が一般的な方法でないのかもしれませんが。

異分野の人間なもので基礎的な質問を長々とすみません。

(無題) 削除/引用
No.2169-3 - 2008/10/23 (木) 17:06:38 - ~
http://www.shujunsha.co.jp/book/4-87962-/162-5.html
はいかがでしょうか。
第8章 細胞をクローニングする
1.メチルセルロース法
 メチルセルロース溶液の調製
 メチルセルロースへの細胞の播き込み
 コロニーの吊り上げと増殖
2.(ペニシリン)カップ法
 コロニー形成率の測定
 コロニーの回収
3.96穴プレートを用いた方法
という内容が含まれています。

大学で生物関係の学科があれば、図書館にあるかと思います。
定価3,465円ですので、細胞培養をやるのであれば、研究室や個人で買ってもいい本だと思います。

(無題) 削除/引用
No.2169-2 - 2008/10/23 (木) 17:04:26 - onso9
私は顕微鏡下でイエローチップでピックアップしてました。
流れとしては

96wellの丸底にあらかじめトリプシンを分注しておいてコロニーを各wellにいれていく。

10個くらい拾ったところで+medium、96well平底にtransfer

48well、24wellにスケールアップ。

ですかね。

24wellは2枚用意しておいて、ストック用と確認のウエスタンのサンプル用にしてました。

ペニシリンキャップ法ではないのですが。。参考になれば。

安定発現細胞系の樹立 削除/引用
No.2169-1 - 2008/10/23 (木) 16:28:15 - !
こんにちは。質問させて下さい。
今、安定発現細胞系を樹立したいのですが、私が所属している研究室が合成系ということもあって、周りにアドバイスをくれる人がいなくて困っています。
私自身、全く生化学系実験に疎いのですが、何とかベクターをつくり、一過性導入で良い結果が出せました。(リポフェクション法)しかし、ここから先の安定発現させる方法が良くわかりません。自分で本を読んで、抗生物質を入れた培地で生き残った細胞をセレクションし、クローニングするという大まかな流れはつかんでいるのですが、プロトーコールが詳しくわかりません。

導入したいベクターにはピューロマイシン耐性遺伝子が入っているので、ピューロマイシンを一週間で通常細胞が90%死ぬ濃度で飼って、生き残ったコロニーはどうやって培養すればいいでしょうか?接着細胞なのでペニシリンキャップ法を試してみたいのです。


長々と長文すみません。
質問をまとめると、安定発現細胞をつくる参考プロトコールを良ければ教えて下さい。
細胞やベクター、実験方法など、その他色々な条件により必ずしもそのプロトコールが適応できるかわからない事も承知しております。
皆さんが安定発言させて成功した例をあくまで参考に教えて下さい。

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