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組織中の分泌タンパクの染色 トピック削除
No.2133-TOPIC - 2008/10/17 (金) 10:19:58 - kamo
組織免疫染色初めて2ヶ月の初心者です。

今私はマウスの肺組織において、組織中に分泌されるであろうタンパク(例えばVEGFとか)の局在を見ようとしているのですが、なかなかうまくいきません。蛍光でもDABでも染まってない感じなのですが、組織中での発現はELISA等により確認しております。普通の膜タンパクとかはきれいに染まっています。

新鮮凍結切片(10ミクロン)を後固定していて、抗体の添付文書に従い、メタノール-20度、10minを使っています。固定法によって分泌タンパクの組織中での保持され具合とかは変わるのでしょうか?

その他、分泌タンパクを染めたことがある方、アドバイス等ありましたらよろしくお願いします。
 
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(無題) 削除/引用
No.2133-15 - 2008/10/21 (火) 18:47:13 - 組織
ちなみに抗体を選ぶときは、
・データシートにパラフィン切片可能(IHC-P)と明記してあるものを優先する
・その抗体を使っている論文を探し、染色像を確認する
・できるだけ信用のあるメーカーを選ぶ、なければ多くの論文で使われているものを選ぶ
くらいを基準にしてます。

いろんな抗体を買いましたが、このへんを押さえていれば、あまりはずれないですね。あと、組織学系のラボならいろんな種類の抗体を扱ってますし、知名度の高い抗原ならどこのメーカーがいいか聞いてみるのも手かもしれませんね。

(無題) 削除/引用
No.2133-14 - 2008/10/21 (火) 18:22:00 - 組織
> 還流固定に関しても複数抗体使用により、今の所検討していません。マウスをもっと増やせば可能だと思いますが、タイムコースを取ってるので莫大な匹数になりそうです。そもそもメタノールやアセトンで還流固定は出来なさそうですね、、、。
複数の固定液が必要なら、既固定の凍結切片は難しそうですね。組織学的解析が主体の実験なら、肺を切り分けて、それぞれ別々の固定液に浸漬した後で包埋したりしますが、非常に手間がかかりますから。この辺は実験目的によりますよね。

ちなみに有機系の固定液は組織浸透性が高いので、灌流固定は必要ないです。もともと灌流固定は、浸透性の悪いアルデヒド系固定液の浸透を助けるための方法です。さらに言えば、肺のようにアプローチしやすい臓器なら、仮にPFAの浸漬固定でも免疫染色には十分対応できると思います。ただやはり灌流できるにこしたことはないですが。


> 固定条件をいくつか振って検討しました。メタノール、アセトンに加え、4%PFA、2%PFAを試しましたが、ダメでした。
パラフィンでも染まる抗体があるとのご指摘がありますので、凍結でこれだけ固定条件を振って染まらないのなら、抗体の問題かもしれませんね。

(無題) 削除/引用
No.2133-13 - 2008/10/21 (火) 17:38:04 - kamo
様々な助言ありがとうございます。


私も初めは、摘出後すぐにOCTで脱気し、凍結、薄切を行っていました。OCT脱気は100%と50%両方で試しましたが、ともにシリンジ内での気泡の動きが非常に緩慢でした。そのため効率よく脱気できていないのではないかと考え(実際薄切時に一部穴を確認)、より粘性の低い液体の脱気を試みました。リーズナブルなのは固定液でしょうが、複数抗体を使用しており、それぞれで固定法が違っているため、前固定は出来ませんでした。そこで30%スクロースで脱気という結論に至ったわけですが、操作自体は5分ほどで終わるので、この段階での変性の可能性は低いと思われます。

還流固定に関しても複数抗体使用により、今の所検討していません。マウスをもっと増やせば可能だと思いますが、タイムコースを取ってるので莫大な匹数になりそうです。そもそもメタノールやアセトンで還流固定は出来なさそうですね、、、。


固定条件をいくつか振って検討しました。メタノール、アセトンに加え、4%PFA、2%PFAを試しましたが、ダメでした。今度抗原の賦活化も検討してみますが、それでもダメな場合は抗体を検討してみます。

(無題) 削除/引用
No.2133-12 - 2008/10/21 (火) 12:40:27 - 組織
スクロース処理で抗原がロスすることはあまりないとは思いますが、新鮮凍結だったら組織を取り出して、すぐにそのままコンパウンドに包埋してやればいいと思います。うちのラボではこの方法で色々な臓器の免疫染色をしています。肺だと脱気する必要があるかもしれませんが、コンパウンドをPBSかなんかで希釈すれば、シリンジを引けるようになると思います。脱気後、原液のコンパウンドに少しなじませて、包埋すればいいでしょう。

ただトピ主さんのケースでは、固定条件か抗体の良悪が問題になっている気がします。みなさんからご意見があるように、このあたりをもう少し検討されてみてはいかがでしょうか。

追加 削除/引用
No.2133-11 - 2008/10/21 (火) 10:44:46 - ポスドク2
 固定前にSucrose置換を行っているとのことですが、その間にたんぱく質(つまり抗原)が変性しているということはないでしょうか。Sucroseは一晩とかですか?

知りませんでした 削除/引用
No.2133-10 - 2008/10/21 (火) 10:41:37 - ポスドク2
 私も脱気はシリンジ内でやっています。ただ、固定液をシリンジに入れていました。やりすぎるとよくないということは知りませんでした。(やればやるほどいいのだと思い込んでいました) アドバイスありがとうございます。

 ところで、還流固定をされていないということですが、それが原因と言うことはないでしょうか。たとえばGFPは固定せずにスライドガラスに貼り付けると、貼った瞬間に流れ出てしまいます。スライドに貼った後にどんなに強く固定しても手遅れになります。

 また、別の例として以下のような事例もあります。一般に還流固定時に、固定液の前にSalineを流すことがあります。これは脱血のためです。しかし、Solubleの低分子を扱っていた知り合いは、いきなり固定液を流していました。Salineが目的の分子を流してしまうからと言うことです。ここまで気にする人もいるようなので、還流固定は試す価値があるのではないかと思います。

脱気に関して 削除/引用
No.2133-9 - 2008/10/21 (火) 09:27:48 - kamo
自分は新鮮凍結切片を作った後に固定をしているので、シュクロース置換の段階でやっています。摘出した肺を洗って、30%シュクロースで脱気してます。これだと沈むまで待つという作業がいらなくなるので楽です。

脱気は気管から液体を注入するのが普通なんでしょうが、あいにく自分にはあまり技術が無いので、摘出肺をシリンジにいれてやってます。いろいろ試したところ、あまり粘性が高すぎる液体、例えばOCTとかは、効率的に脱気出来なさそうです。

あと、シリンジ法はあまり激しくやりすぎると、肺胞が損傷を受けて見るからに肺が赤くなっていきます。HEでも明らかに損傷が確認できます。容積1から1.5の間で5回ほどゆっくり往復、が今の所のベストです。

ポスドク2さんのように、還流固定後に気管から固定液を注入するというのが私はベストだと思います。固定後だと組織損傷も少ないのではないでしょうか。

脱気 削除/引用
No.2133-8 - 2008/10/20 (月) 21:30:43 - ポスドク2
 自分で脱気の話題を振っておきながら質問してしまって恐縮なのですが、脱気は固定液ではなく、Sucroseの段階でやるものなのですか? 私は一度だけしか経験がないのですが、固定液を使ってやってしまいました。(潅流固定後です)

 わき道にそれてしまって恐縮なのですが、近々また肺をサンプリングしなければならないかもしれないので教えていただければ幸いです。

VEGFでしたら・・・ 削除/引用
No.2133-7 - 2008/10/20 (月) 10:22:49 - 千
当方では、マウスの膵臓でVEGFはきれいに染まっています。
4% PFAで一晩固定、パラフィン切片で、賦活はpH6.0クエン酸Buffer 120℃ 5分でオートクレーブです。
洗浄用のPBSに界面活性剤などは使っていません。
ちなみにFitzgeraldの抗体で、DAB、蛍光どちらも良い染色像が得られています。
組織が違うのでなんともいえませんが、ご参考までに。

(無題) 削除/引用
No.2133-6 - 2008/10/20 (月) 09:37:03 - kamo
皆様、ご教授ありがとうございます。

自分が持っている抗体を用いた論文もあるのですが、アセトン固定としか書いておりませんでした。メールで詳しいプロトコルを聞いてみたのですが、今の所返信はありません、、、。今度はメーカーに問い合わせてみようと思います。

やはり自分の方でも、組織中での保持が難しいと言うことを考え、界面活性剤は完全に抜いております。PFA等は水溶液ですので、溶け出てしまうのかな、と考えてました。今後はより強い固定や、抗原の賦活化も視野に入れて頑張ってみようと思います。

あと、肺の脱気はシュクロース置換の段階で行っています。助言ありがとうございます。

今までやってきたことに比べると、組織染色は本当に難しいですね。
ありがとうございました。

GAは? 削除/引用
No.2133-5 - 2008/10/18 (土) 21:18:48 - ポスドク2
 ごく一般的に、免疫組織染色では、固定が強いほど抗原性が低下して抗原を検出しにくくなるということがあります。たとえば、4%PFAでダメな場合、2%PFAに切り替えるのが常道です。

 しかし、私はこれとは逆に、固定を強くして初めて検出できたと言う経験があります。それは分子量が小さくてSolubleな分子でした。固定を強くしたために流出を防げたのだと思っています。具体的には、4%PFA→4%PFA+グルタールアルデヒド0.1%でした。(電顕の条件に近いですね。)

 私は個人的にはアルコール系の固定は難しいように思います。GFPを固定する場合に、アルコール系では流出してしまう(PFAを使うべき)ということからそう推測しています。

 また、すでにご存知と思い、失礼でなければと思いつつ書くのですが、肺の組織固定の場合は脱気が必要です。これをしないと、空気に邪魔されて固定液が浸透しません。

(無題) 削除/引用
No.2133-4 - 2008/10/18 (土) 08:50:16 - sea
添付文書にしたがって、ということはその抗体が組織染色に使える、
と書いてある、ということですよね。
マウスに対するreactivityがあること、免染にも使える、と書いてあって
しかも固定法まで推奨されているのならばそれでうまくいかなければ
メーカーに聞いてみてもいいような気がしますが。

ただ、組織ではよく覚えていませんが、培養細胞などでは
細胞質のタンパク質はアルコール系の固定では大体流れ出てしまうので
ホルマリン固定をすることが通常ですし、組織でも分泌タンパクでは
同様のことを考慮する必要があるのかもしれません。

いずれにしてもすでにsuggestionがあるように、
同じ抗体を使っている論文を探してプロトコルを踏襲するのはいい
方法だと思います。また、メーカーによっては、自社の抗体を
使っている参考文献はこんなのがあります、と把握している場合も
ありますので、それもあわせて聞いてみてはいかがでしょうか?

そういうことを繰り返していると、メーカーごとのデータシート情報の
信頼度とかカスタマーサポートの傾向とかが
わかってくるようになると思います。

(無題) 削除/引用
No.2133-3 - 2008/10/18 (土) 00:45:24 - AP
核タンパク質や細胞質タンパク質に比べ、膜タンパク質のIHCは難しいですが、分泌タンパク質は輪をかけて難しいです。固定によるimmobilizeが難しいことと、界面活性剤などによって流出しやすいことによります。ほかの抗原でうまくいっているprotocolが同じように使えるというほうが、ほとんどないと言っていでしょう。

これまでのトピの膜タンパク質についての論議が役に立つともいます。
処理過程に添加される界面活性剤を抜くか濃度を下げる、あるいはマイルドなものに変える、固定法を工夫する(PLPなど糖も固定できる固定液にするなど)など。

(無題) 削除/引用
No.2133-2 - 2008/10/17 (金) 20:03:15 - 組織
> 固定法によって分泌タンパクの組織中での保持され具合とかは変わるのでしょうか?
あります。ただし免疫組織化学全般に言えることですが。
もし固定法を検討されるなら、ホルマリン(またはPFA)、アセトン、メタノールくらいは試してみる価値があると思います。

最近は、VEGFとかメジャーな増殖因子は市販抗体でも良いものが多く、きれいに染めてる論文をよく見ます。そのメーカーの抗体を使っている文献を探して、染色条件をチェックしてみてはいかがでしょうか。

組織中の分泌タンパクの染色 削除/引用
No.2133-1 - 2008/10/17 (金) 10:19:58 - kamo
組織免疫染色初めて2ヶ月の初心者です。

今私はマウスの肺組織において、組織中に分泌されるであろうタンパク(例えばVEGFとか)の局在を見ようとしているのですが、なかなかうまくいきません。蛍光でもDABでも染まってない感じなのですが、組織中での発現はELISA等により確認しております。普通の膜タンパクとかはきれいに染まっています。

新鮮凍結切片(10ミクロン)を後固定していて、抗体の添付文書に従い、メタノール-20度、10minを使っています。固定法によって分泌タンパクの組織中での保持され具合とかは変わるのでしょうか?

その他、分泌タンパクを染めたことがある方、アドバイス等ありましたらよろしくお願いします。

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