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目的部位に人工的にイントロンを作るには トピック削除
No.2113-TOPIC - 2008/10/13 (月) 15:37:11 - ぷにゅにゅ
膜タンパクをコードする遺伝子(植物由来)を扱って、植物の形質転換を行おうとしている者です。

cDNA(StartからStop)をGatewayのエントリーベクター(ドナーベクター)にクローニングし、LR反応によってバイナリーベクターを作成しました。このバイナリーベクターの目的遺伝子を発現させるためのプロモータ-は35SCaMV、ターミネーターはnosです。

通常の大腸菌/ベクターの操作によってバイナリーベクターまでは問題なく完成したのですが、アグロバクテリウムに導入しようとした段階でトラブルが発生しました。

これまで4種類のアグロを試してきましたが、2種類ではコロニーが全くできず、他の2つはコロニーが形成されるのですが、菌の生育が非常に遅く、植物の形質転換を試みても転換体を得ることができません。同時並行で行っているこの膜タンパクの相同遺伝子ではこの問題は全く起きませんでした。

35Sでドライブさせていることが一番の問題とも思いますが、新たに発現誘導性のプロモーターなどをもつベクターを探して、取り寄せたりするのも手間と時間がかかると思い、手っとり早く(?)導入遺伝子(膜タンパクのcDNA)を少し改変してみようと考えています。

そこで、膜タンパク遺伝子の「第一イントロンのみ(もしくは第二イントロンも)」を残したcDNAコンストラクトを作りたいと思っています。イントロンの挿入によって、植物ではしっかりスプライシングが起きて翻訳が正常に起こり、一方、菌の体内では翻訳がうまくいかなくなることを狙っています(特にシグナルペプチドの翻訳の阻害)。

はじめの一歩として、第一イントロン(もしくは第二イントロン)の前後のエキソンで適当な制限酵素を探したのですが、残念ながら、その周辺部で特異的に切断できる酵素が見当たりませんでした(かなりマイナーな制限酵素まで調べたのですが)。

ようやく本題に入りますが、制限酵素を使わずにPCR等の技術だけで目的の部位にイントロンを作り出すことは可能でしょうか?

イントロンの長さは98bp(ゲノムDNA配列を参考にしました)なので、イントロン自身の素材は人工的に合成できる、もしくはPCRで容易に産物を得られる範囲だと思います。

通常の遺伝子工学の切り貼りを使わずに、この人工産物(もしくはPCR増幅産物)を目的部位に導入する方法が何かあると思い、少し調べてはみたのですが、点変異を挿入する方法ぐらいにしかたどりつけません。どなたか何かよい方法をご存知の方おられましたら、是非アドバイスをいただきたいと思い、ここに投稿させていただきます。

また、上述のアグロバクテリウムに関する問題についても対応策がありましたらアドバイス頂けると幸いです。

長文になりましたが、どうぞよろしくお願いします
 
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(無題) 削除/引用
No.2113-8 - 2008/10/14 (火) 12:46:37 - おお
>[Re:6] ぷにゅにゅさんは書きました :
> いろいろとアドバイスありがとうございます。

> 直感的に、テンプレートが多ければ極力サイクル数を減らしても十分な増幅バンドが得られ、polymeraseの反応が少ない分エラーの起こる可能性も少ないように感じます。


私もこれに準じて多めに、場合によってはかなり多めにいれます。ただしプライマーによっては多すぎると変異というよりはノンスペとかが出たりして増えにくくなる場合もあるかもしれません。

STRATAGENEとかPCRベースの変異導入用キットがありますが、それを使えというのではなくそのプロダクトマニュアルとかよむと具体的な量が書いてありますので参考になるかもしれません。

変異が入りにくい条件というのは、私はごく普通の条件でやってますので分からないのですが、伸長反応を遅くしてプルフリーディングが促進されるという考えに基づくのでしたら、もしかしたら伸長反応温度を低めでやってみるのもいいかもしれないというのが感想です。68度とか66度とかでしょうか、、、68はシャトルで使う温度なのでワークすると思います。

(無題) 削除/引用
No.2113-7 - 2008/10/14 (火) 11:56:56 - 現実逃避
ひちみ様、

あの、鋳型濃度が高いと変異率が上がるって本当ですか?変異を入れたくない場合には、サイクル数を落とすために鋳型を大目にするということを良くやるのですが。

確かにdNTPが枯渇するような条件はよろしくないと思いますが、サイクル数を落としているんだし、最終産物の量が同じならdNTPの枯渇の程度は鋳型の量には依存しませんよね。

また、エラーを誘導するPCRでdNTPの濃度を絞るとありますが、これも逆で、dNTPの濃度は高い方が変異率は高くなると思います。dNTPの濃度を過剰にするとforwardの反応が促進されてproofreadされにくくなるので。4つのdNTPの内の一つだけ濃度を絞ることは確かにありますが、これは濃度をアンバランスにするのが目的だと思います。

エラーの少ないPCR条件 削除/引用
No.2113-6 - 2008/10/14 (火) 06:16:40 - ぷにゅにゅ
いろいろとアドバイスありがとうございます。

ここに追加でみなさんにお伺いしたいのですが、プルーフリーディングの酵素を用いた場合、予期しないエラーの発生をさらに低減するするPCRの反応条件や組成、テクニック等がありましたら、是非お聞かせいただけないでしょうか?

これまでに私はpfu (Strat), Pfu ultra(Strat),Pfu ultraII(Strat), Expand high fidelity(Roche)などの使用経験があります。しかし、どの酵素の場合でも、エラーのないクローンを得るのに幾分苦労しました。反応液は付属の取扱説明書に従った組成になるように調整し、PCRの反応条件も説明書の指示に従っています。ただ私の場合は、反応ボリュームを15uLもしくは20uLにスケールダウンし、テンプレートは数十から数百pg/μL(標準的なプラスミド(3kb)+インサート(1〜2kb)を鋳型とする場合)になるよう調整しています。サイクル数は15から25程度を、気分と感覚で選んでます(乱暴ですが)。


ちなみに、プラスミドをテンプレートとする場合は、どの程度の量を鋳型として与えるべきなのか、最適値みたいなものがあれば、お教えいただけるとありがたいです。

直感的に、テンプレートが多ければ極力サイクル数を減らしても十分な増幅バンドが得られ、polymeraseの反応が少ない分エラーの起こる可能性も少ないように感じます。ただ、基質の濃度を高めるとエラーが起こる可能性が増えるというアドバイスありますので、これらの中間をとった最適値がきっと存在するのだと思います。反応サイクル数と合わせて、プラスミドをPCRテンプレートに用いる場合の濃度について、経験談など示していただけるとありがたいです。
よろしくお願いします。

(無題) 削除/引用
No.2113-5 - 2008/10/14 (火) 03:34:21 - おお
プルフリーディング活性を持っていれば、拾ったクローンでどれも使えないものであると言う程ミューテーションが入るとは思えません(酵素によってたしかに頻度の程度は変わるようですが)。PCRの場合配列の確認はしないといけない作業ですので、そのとき正確なもの、使えるものを選べば良いと思います。

私はちょっと違った方法を示しておきます。まず導入したいエクソンの境界から、プラスミド全体をPCRするプライマーを設定します。
でイントロンを増幅するプライマーも同時に用意します。イントロン用のプライマーはPNKで燐酸かして置いた方がいいでしょう。
でプラスミド、イントロンをそれぞれPCRで増幅し、両者を混ぜてライゲーションし形質転換する、という方法です。
配列の確認は、コーディングリージョン(イントロンを含む)位は見ておいた方がいいでしょう。ひつようなら、イントロンが導入された所をカバーする制限酵素で切出し、元の(テンプレートでつかった)プラスミドにもどせば、バックボーンのミューテーションは除外できます。この辺はどの程度必要かはここの実験で変わってくるかもしれません。

単純なPCRで進めていきますのでトラブルシューティングがしやすいのでわたしはよくこの方法で何かインサートしたり、ミューテーションいれたりしています。

(無題) 削除/引用
No.2113-4 - 2008/10/13 (月) 23:20:32 - ひちみ
横槍ですけど、

PCRによる変異で、サイクル数を気にしているようですが、問題なのは基質の濃度です。
サイクル数をふやすとNTPsが足りない状況になりやすいので、主犯格として扱われがちですが、鋳型やプライマーーを過剰量入れたりしても同じことが起こります。エラーを誘導するPCRではNTPsを絞ったりしますしね。

一歩前進 削除/引用
No.2113-3 - 2008/10/13 (月) 17:05:27 - ぷにゅにゅ
早速の回答ありがとうございます。

なるほど、と思いました。そのような方法まで考えがたどりついていませんでした。

イントロンが入ったcDNA全長を得るまで、それぞれの断片(5’側と3’側)に関して正味2回のPCRが必要ということですね。

さっそく、この方法を試してみたいと思います。

しかしながら、やはり最低2回はPCRをかけなければ私の目的は達成できないものなのでしょうか。極力サイクル数を減らして、High Fidelityの酵素を使ってやることになると思いますが、やはり予期せぬエラーが気になります。

実は、本トピックを投稿する前に、できれば1回のみのPCRと平滑末端制限酵素を複合的に使って、極力エラーを抑えられる方法がとれないかどうか検討していましたが、ステップの煩雑さと金銭的な面で考えが頓挫していました。

ご提案頂いた方法のほうが、シンプルかつ安価であり、試すべき方法かと思いました。

ありがとうございます。

アグロに関する問題に関して、引き続き助言等ございましたら、よろしくお願いします。

(無題) 削除/引用
No.2113-2 - 2008/10/13 (月) 15:59:55 - AP
>少し調べてはみたのですが、点変異を挿入する方法ぐらいにしかたどりつけません。

おそらく、内部プライマーにmutationをいれて、5'末端までのPCRと3'末端までのPCRをそれぞれおこない、両者の残物を混ぜて、5'末端から3'末端までのPCRをする、というような方法でしょうか。それの応用でできるでしょう。

cDNA
2nd exon <==> 3' end

genomic DNA
5' end <==> 2nd exon ( 1st intronを含む)

でPCRをかけます。両者の2nd exonはそれぞれ全長でなくても良いですが、十分なオーバーラップをとります。これらのPCR産物を精製(プライマーを除く)後、混合して5'末端と3'末端のプライマーでPCRをかければ良いです。

Wlakingしてとったgenomic DNAやcDNAをつないで全長を取る場合なんかにも使う方法です。

目的部位に人工的にイントロンを作るには 削除/引用
No.2113-1 - 2008/10/13 (月) 15:37:11 - ぷにゅにゅ
膜タンパクをコードする遺伝子(植物由来)を扱って、植物の形質転換を行おうとしている者です。

cDNA(StartからStop)をGatewayのエントリーベクター(ドナーベクター)にクローニングし、LR反応によってバイナリーベクターを作成しました。このバイナリーベクターの目的遺伝子を発現させるためのプロモータ-は35SCaMV、ターミネーターはnosです。

通常の大腸菌/ベクターの操作によってバイナリーベクターまでは問題なく完成したのですが、アグロバクテリウムに導入しようとした段階でトラブルが発生しました。

これまで4種類のアグロを試してきましたが、2種類ではコロニーが全くできず、他の2つはコロニーが形成されるのですが、菌の生育が非常に遅く、植物の形質転換を試みても転換体を得ることができません。同時並行で行っているこの膜タンパクの相同遺伝子ではこの問題は全く起きませんでした。

35Sでドライブさせていることが一番の問題とも思いますが、新たに発現誘導性のプロモーターなどをもつベクターを探して、取り寄せたりするのも手間と時間がかかると思い、手っとり早く(?)導入遺伝子(膜タンパクのcDNA)を少し改変してみようと考えています。

そこで、膜タンパク遺伝子の「第一イントロンのみ(もしくは第二イントロンも)」を残したcDNAコンストラクトを作りたいと思っています。イントロンの挿入によって、植物ではしっかりスプライシングが起きて翻訳が正常に起こり、一方、菌の体内では翻訳がうまくいかなくなることを狙っています(特にシグナルペプチドの翻訳の阻害)。

はじめの一歩として、第一イントロン(もしくは第二イントロン)の前後のエキソンで適当な制限酵素を探したのですが、残念ながら、その周辺部で特異的に切断できる酵素が見当たりませんでした(かなりマイナーな制限酵素まで調べたのですが)。

ようやく本題に入りますが、制限酵素を使わずにPCR等の技術だけで目的の部位にイントロンを作り出すことは可能でしょうか?

イントロンの長さは98bp(ゲノムDNA配列を参考にしました)なので、イントロン自身の素材は人工的に合成できる、もしくはPCRで容易に産物を得られる範囲だと思います。

通常の遺伝子工学の切り貼りを使わずに、この人工産物(もしくはPCR増幅産物)を目的部位に導入する方法が何かあると思い、少し調べてはみたのですが、点変異を挿入する方法ぐらいにしかたどりつけません。どなたか何かよい方法をご存知の方おられましたら、是非アドバイスをいただきたいと思い、ここに投稿させていただきます。

また、上述のアグロバクテリウムに関する問題についても対応策がありましたらアドバイス頂けると幸いです。

長文になりましたが、どうぞよろしくお願いします

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