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ヒト遺伝子の大腸菌での発現 トピック削除
No.1888-TOPIC - 2008/09/03 (水) 19:55:31 - 発現
いつも大変参考にさせていただいています。

今回私はヒトのある細胞質内タンパク質を大腸菌で大量発現させて、精製したいと考えているのですが、ヒトの遺伝子であるためかやはりなかなか発現してくれません。

ヒトの遺伝子を大腸菌で大量発現させて精製されている方など何かご教授いただけたら幸いです。

よろしくお願いします。
 
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(無題) 削除/引用
No.1888-19 - 2008/09/08 (月) 11:13:50 - 発現
>皆様

返事の書き込みが遅くなりまして、申し訳ありません。
皆様のアドバイスとても参考になりました。ありがとうございます。

私の研究室でも大腸菌でのタンパク質発現系で実験している人が多々いるので、ベクターの情報を見直すと共に菌株を変えるなど条件検討を行いたいと思います。
遺伝子の全長はすべてシークエンスしてますので、問題はないと思われます。
ちなみに用いているベクターはpMAL-cシリーズのもので、ヒトの遺伝子ではありませんがうちの研究室でJM109での発現が可能だった遺伝子もありました。

2/2 削除/引用
No.1888-18 - 2008/09/04 (木) 19:26:09 - A

3.発現条件の検討
これも指摘されていますがCBBのみで発現を確認するのは良い方法とは思えません。どのような発現条件を使われているのかわかりませんが今使われている条件が発現に適した条件ではなく発現量が少ないかもしれないからです。まずは発現しているのかしていないのかがわからなければ次のより詳細な条件検討にすすむことが出来ませんから。EcoRIさんが指摘しておられますがMBPのTagを使われているのですから1mL培養液から得られた菌体を200uLの8MUrea+PBSで抽出して(室温で一晩放置後に遠心した上清、煮沸はしないこと)をAnti-MBPでWBして確認するのが一番手っ取り場や異様に思います。のせ過ぎると膜の容量を超えてしまうので上で書いた方法なら1-10uLものせれば発現チェックには十分なはずです。何らかの発現が確認できたのであれば後は誘導時のOD(0.5,0.8,1.0,2.0)、IPTG濃度(0.1-1mM)、誘導後の発現温度(18,25,30,37度)、発現時間(3,6,12,24h、温度が低い場合は数日の時も)などを検討するしかありません。発現量がそれでも変わらない時にはおおさんが指摘されているようにレアコドンの影響もあるかもしれません。その場合にはRosettaの様な特殊な菌株に代えるか今もっているコンストラクト上のレアコドンをQuickChangeの様なキットを使って同じアミノ酸になるコドンに変換するかといったところです。
4.その他
これらの条件検討を行っても駄目な場合はコンストラクションを代えるしかありません。他のGSTやHisの様なTagに代えたり、今もっているコンストラクションの目的蛋白質をコードしている部分の長さを機能的なドメインのみに代える等が次の方策です。発現が確認できていて封入体に行ってしまう蛋白質を上清にもってくるのが目的ならTAKARAのコールド系のベクターも一つの手です。それでも駄目なら思い切って発現系を酵母、昆虫細胞、培養細胞などに変更するのが最後の手でしょうね。

1/2 削除/引用
No.1888-17 - 2008/09/04 (木) 19:24:04 - A
発現さんが大腸菌による蛋白質発現にどれくらいの経験をお持ちなのかわかりませんが
お話を伺った感じでは確認することがまだまだありそうな気がします。既にいろいろな方が指摘されていることも含んでいますが私ならこういう手順で確認するだろうなということを書きたいと思います。
1.シークエンスの確認
念のためもう一度シークエンス時のクロマトグラフを確認。時々あやふやなピークを「まあ大丈夫だろう」と思って前に進んでみてそれがたまたま一塩基抜けていたとか時々ありますから部分的にでもはっきりしないシークエンス結果ならきっちり読み直す必要があります。
2.大腸菌の選択
APさんもおっしゃっていましたが私も基本的にJM109を使うのはクローニングの時だけです。もちろん蛋白質発現に使えるようですが蛋白質発現時にあまり使われないのは何らかの理由がありそうな気がします(発現量が少ないなど)。この当たりは今使っているベクターのメーカーに問い合わせて、少なくともJM109で問題ない(少なくとも発現できる)ことを確認するべきでしょう。もしメーカーから幾つか推奨される菌株があってそれが今の研究室にあるのであればそちらに乗り換えるほうがベターだと思います。もし所属研究室で今使っているベクターと菌株との組み合わせでいくつも実績があるのであれば(それがヒト遺伝子である必要はありません)現段階で変える必要はないと思います。

(無題) 削除/引用
No.1888-16 - 2008/09/04 (木) 18:35:11 - DDD
No.1888-10 にコメントされているように
Codon Usageを考えて他の株も試してみてはいかが?
以前に私はRosettaを使用していました。
まぁそれで解決されるかはわかりませんが。

(無題) 削除/引用
No.1888-15 - 2008/09/04 (木) 17:00:19 - AP
自分で書いといてなんですが、JM109だから発現しないということはなさそうです。昔の実験ノートを見てみたら、pMAL-2cのコンストラクトで、TB1も準備したけれど、JM109でもチェックしたらちゃんと発現していたのでそのままそれでタンパク質精製までやっていました。まあ、ベストチョイスではないことに変わりはないでしょうけど。

pMAL-pのシリーズはperiplasmに発現しますが、自然に培地中に放出されるわけではないので、そのために菌体から検出できないということはないでしょう。
一般的に、periplasmに発現するほうが発現量は少なくなるので、もしpMAL-pシリーズならpMAL-cに変えるというのもありだし、毒性や安定性から細胞質では発現しにくいタンパク質もあるので、cではなくpにしてみるというのもありですね。そこまでやるなら、pETとかpGEXとか全く違うのに変えるのと違わないですが。

実際、同じcDNAをpMALとpGEXにいれたものをパラレルに作ってみて、一方しかうまく発現しなかったとか、pMALに入れてうまく発現していたcDNAを、Factor Xaで切れやすくなるようにと別のクローニングサイトに入れ直したら、発現しなくなってしまったとかの経験がありますので、なにが効いているのかよくわからないところもあります。

(無題) 削除/引用
No.1888-14 - 2008/09/04 (木) 16:13:29 - T
そもそも空ベクターで MBP の発現は見えるのでしょうか?

これは結構簡単に CBB で見えるレベルで発現するはずなので(そうでなければタグとして使いません)、もしそれも見えないようなら菌株その他の条件が適当でないのでしょう。

確実にコントロールの発現が見える条件を作って、それから自分の蛋白を検討された方がいいですよ。

(無題) 削除/引用
No.1888-13 - 2008/09/04 (木) 10:47:59 - pessimist
「私は自分自身は悲観的に見ることができるんです。あなたとは違うんです」

すみません。言ってみたかったんです。

本題ですが、精製するまえのcrude lysateのレベルでCBB染色でバンドがしっかり見えることって、そんなに当たり前に期待できることじゃないですよ。私がトライしたタンパク質だと半分くらいですね。残りは精製してやっとこさ見えるとか、ウェスタンでは検出できるけど精製してもほとんど見えないとか。codon usageの問題もあるでしょうし、foldingの問題もあるでしょうから、何が原因かは一概には言えないと思いますけど。いろいろ条件を振って試してみるしかないですよ。

(無題) 削除/引用
No.1888-12 - 2008/09/04 (木) 10:13:51 - EcoRI
そもそもクローニング用の大腸菌であって、タンパク質発現に向かないのでは?
BL21やOrigami B, Rosetta-gamiなどを使うのがよろしいかと思います。

pMalといっても、ペリプラズムに発現するもの(pMal-pシリーズ)と細胞質に発現するもの(pMal-cシリーズ)がありますので、PAGEサンプルの調製も若干変わってくると思います。
とはいっても、LysozymeとTritonで菌体全部を壊してしまえばいいのですが。

このとき、可溶性画分にはLysozymeが残りますから、
用いたLysozymeの量を参考に、目的のタンパク質の量が推察できるはずです。

それから、個人的には、
発現しているかどうか、不溶性や可溶性のチェックには
western blotの結果が欲しいところです。
確か、抗MBP抗体が市販されていると思います。
チェックしてみてはいかがでしょうか?

(無題) 削除/引用
No.1888-11 - 2008/09/04 (木) 09:45:13 - qq
The vector pMAL-p4E is designed to produce maltose-binding protein (MBP) fusions, ..........., MBP fusions made with this vector include an N-terminal signal sequence, so the fusion protein is directed to the periplasm. The MBP has been engineered for tigher binding to amylose resin.

と、NEBに書いてありますが、培地に出ているのではないですか????
もしくは、そのためにJM109ではダメだとか??

(無題) 削除/引用
No.1888-10 - 2008/09/04 (木) 01:06:31 - おお
コドンユーセイジの問題も考慮に入れた方がいいかもしれません。ATリッチやGCリッチな配列は大腸菌でレアーなtRNAをコードしている可能性がたかいです。BL21K系ではレあーなtRNAを補った株が作成されています。これで劇的に変わった例がありましたので、、、

(無題) 削除/引用
No.1888-9 - 2008/09/04 (木) 00:40:39 - りょう
長文コメントしている間にAP先生が菌株のコメントなどされていますね。
勉強になります。
1mM IPTGを試すか、ホストを変えるかという所でしょうか。

僕も発現してないことは無いと思います。
検出限界以下なのでしょう。

幾つか改良点は既出でしょうから、それらを試されて後は量で勝負するのも良いでしょう。

(無題) 削除/引用
No.1888-8 - 2008/09/04 (木) 00:33:54 - りょう
発現効率低い場合、total lysate流しただけではIPTG未処理のものと差が見えないことは良くあります。
MBP-tagを付けてられるのでしたら菌液1ml分でも良いのでtotal lysateを樹脂で精製し、その結合画分をSDS-PAGEサンプルバッファーでダイレクトにboilして最低限コンストラクトは完成していて蛋白も発現していることを第一に調べられるべきでは?
IPTGは高価ですが発現チェック段階では1mMまで上げても良いでしょう。

大量精製に移る際に、IPTG濃度下げても発現効率が下がらないなら低濃度にシフトすると良いのでは(細かいことを言うと低濃度の方が可溶化率が高くなる場合もあるので誘導効率と抽出効率の両方を考慮すべき)。
50kDaと結構大きめの蛋白なので、樹脂精製できるmildな(非変性)条件での抽出で可溶化できれば良いのですが、ちょっと不安ですね。

発現効率の改善はそれから色々考えれば良いでしょう。
何mg回収する必要があるのですか?
僕は条件検討するのは面倒なので量で勝負することが多いです。僕のオーソドックスなやり方はBL21株に入れ替えてリットルオーダーで菌体量を稼いで大量精製します。
JM109は使用経験ないのでBL21との発現に違いがあるのか知りません。
promotorとか調べればある程度推察できるのか知りませんが、僕の仕事じゃないので失礼。
乱文で済みませんが参考まで。

(無題) 削除/引用
No.1888-7 - 2008/09/04 (木) 00:23:24 - AP
>MBPを結合した形で発現されますので、

この場合、それがtagですね。

>crudeにも沈殿にも発現は見られませんでした。

誘導をかけた大腸菌を直接サンプルバッファーで溶菌しても、lysateの上清だけでなくincludion bodyを含む沈殿でもSDS-PAGEで検出できない、だから全く発現していないようだということですね。

当然、コンストラクトはシークエンスをしてフレームのずれやmutationがないことは確かめてあるのですよね。

可能性としては、発現したタンパク質が大腸菌に対して毒性で、プラスミドを失うなどして発現しなくなった菌だけが殖えていて、ほとんど収量がないということはあります。こういう場合、CBBでは見えなくてもWestern blotして抗体で検出してやると見えることがあります。見えたからといって実用的な収量は望めませんが。発現タンパク質の毒性に対するディスカッションは過去にいろいろあったはずです。

それと、このために全く発現しないとは考えられないんですが、引っかかるところは、JM109を使っているところです。メーカーの推奨はTB1ですね。

pMALはそれ自体にlaqI^qが乗っています。laqIはlacプロモータのサプレッサーで、laqI^qはより強くサプレッションをするmutantです。これによって、誘導をかけない増殖させる間、leakyに発現するのを防いでいるわけですが、誘導には高めのIPTG濃度(〜1 mM)を要求するとされています。
ところがJM109はF'にlaqI^qが乗っていたはずなので、二重にサプレッションがかかって発現しなくなるんじゃないかなあと危惧します。また、JM109にはプロテアーゼの欠損突然変異がないですから、タンパク質の分解もしやすいでしょう。

(無題) 削除/引用
No.1888-5 - 2008/09/03 (水) 22:44:38 - 発現
>りょう様

検出と言いますか、大量発現されているかどうかはSDS-PAGE、CBB染色を行うことで確認しています。
かなり大量のタンパク質を確保したいので、CBBで発現が確認できるくらいの条件を探しています。

用いているベクターはNEBより販売されています、pMALというベクターでMBPを結合した形で発現されますので、アミロースレジンを用いたアフィニティー精製を考えています。

IPTGはfin conc. 0.5 mMから0.01 mMとふって行いましたが、差は見られませんでした。

やはりベクターと大腸菌株との相性というものなのでしょうか?
何かオススメの株があれば、アドバイスいただけたらと思います。

(無題) 削除/引用
No.1888-4 - 2008/09/03 (水) 22:34:00 - りょう
tag無しということですが検出方法は何ですか?
endogenous蛋白に対する抗体でしょうか?


crudeに本当に無いなら収量ウンヌンという以前にそのコンストラクトが正しく作成されているのか疑問に思います。
IPTG誘導しなくても少しは発現していてもおかしくないのでは?(検出方法にもよるのですが)

精製はどのようにされるのでしょうか?
発現量が少ない場合、精製ステップを入れれば夾雑蛋白に埋もれて見えなかったレベルのものも特異的に見えてくると思うのですが・・・。

inclusion bodyに行ってしまうなどの問題なら25-30度くらいの低温IPTG誘導などが考えられます。

コンストラクトが本当にきちんと作成されていて(リボソーム結合サイトが頭にあって、stopまでmutation入ってなくて・・・など)発現しないのなら、宿主をコドン補充されたものとか、高次構造とり易く改良したもの(オリガミだったっけ?)とかに変えてみる案もあるでしょう。
JM109という株を使用したことないので何とも言えませんが。

失礼ながら、ベクターは大腸菌蛋白発現用ですよね。

あとはIPTG濃度を0.2-1mMの間でふってみる。

まだまだ情報が不足していてコメントしずらいです。

(無題) 削除/引用
No.1888-3 - 2008/09/03 (水) 21:49:37 - 発現
>りょう様

詳細なことを述べず申し訳ありません。
目的のタンパク質は約50 kDaでタグは付加させてません。

大腸菌JM109をトランスフォーメーションし、培養の際、IPTGを添加して発現誘導を行いましたが、crudeにも沈殿にも発現は見られませんでした。

(無題) 削除/引用
No.1888-2 - 2008/09/03 (水) 20:44:21 - りょう
何kDa ?
tagは何?
発現していないのか、不溶化してしまって抽出できていないのか?
詳細を書かれた方が良いです。

ヒト遺伝子の大腸菌での発現 削除/引用
No.1888-1 - 2008/09/03 (水) 19:55:31 - 発現
いつも大変参考にさせていただいています。

今回私はヒトのある細胞質内タンパク質を大腸菌で大量発現させて、精製したいと考えているのですが、ヒトの遺伝子であるためかやはりなかなか発現してくれません。

ヒトの遺伝子を大腸菌で大量発現させて精製されている方など何かご教授いただけたら幸いです。

よろしくお願いします。

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