3.発現条件の検討
これも指摘されていますがCBBのみで発現を確認するのは良い方法とは思えません。どのような発現条件を使われているのかわかりませんが今使われている条件が発現に適した条件ではなく発現量が少ないかもしれないからです。まずは発現しているのかしていないのかがわからなければ次のより詳細な条件検討にすすむことが出来ませんから。EcoRIさんが指摘しておられますがMBPのTagを使われているのですから1mL培養液から得られた菌体を200uLの8MUrea+PBSで抽出して(室温で一晩放置後に遠心した上清、煮沸はしないこと)をAnti-MBPでWBして確認するのが一番手っ取り場や異様に思います。のせ過ぎると膜の容量を超えてしまうので上で書いた方法なら1-10uLものせれば発現チェックには十分なはずです。何らかの発現が確認できたのであれば後は誘導時のOD(0.5,0.8,1.0,2.0)、IPTG濃度(0.1-1mM)、誘導後の発現温度(18,25,30,37度)、発現時間(3,6,12,24h、温度が低い場合は数日の時も)などを検討するしかありません。発現量がそれでも変わらない時にはおおさんが指摘されているようにレアコドンの影響もあるかもしれません。その場合にはRosettaの様な特殊な菌株に代えるか今もっているコンストラクト上のレアコドンをQuickChangeの様なキットを使って同じアミノ酸になるコドンに変換するかといったところです。
4.その他
これらの条件検討を行っても駄目な場合はコンストラクションを代えるしかありません。他のGSTやHisの様なTagに代えたり、今もっているコンストラクションの目的蛋白質をコードしている部分の長さを機能的なドメインのみに代える等が次の方策です。発現が確認できていて封入体に行ってしまう蛋白質を上清にもってくるのが目的ならTAKARAのコールド系のベクターも一つの手です。それでも駄目なら思い切って発現系を酵母、昆虫細胞、培養細胞などに変更するのが最後の手でしょうね。 |
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