Bio Technical フォーラム

  • 書き込みがかなり増えてしまいサーバーの負荷が大きくなったので、新しいBioTechnicalフォーラムに移行してください。
  • 新しいトピックは新フォーラムでのみ立ち上げ可能です。レスは2009年2月15日までつけられますが、その後は、つけられません。

トピック一覧 | 研究留学ネットに戻る

最新のフォーラム | このフォーラム(readのみ) | ひとつ前のフォーラム(readのみ)

このスレッドをはてなブックマークに追加このスレッドをはてなブックマークに追加

ファージのプレートにコロニーが出現して困っております トピック削除
No.1872-TOPIC - 2008/09/02 (火) 14:55:07 - sawa
10年ほど前に頂いて誰も使用していなかったλファージライブラリーを使用しようと思い、タイターチェックをしたところ存外にタイターが低下しておりました。

そこで、教授のアドバイスの下、SM bufferとクロロホルムを用いてプレート上に生じた数個のプラークを回収し、それをまた蒔きなおすことでタイターを上昇させようとしていたのですが、その作業を繰り返すうちに徐々に大腸菌様のコロニーが出現しはじめるようになってしまいました。

用いている大腸菌はXL-I Blue MRF'で、プロトコールはMolecular cloning のものに従っております。

周りにファージを用いている人がおらず、きちんとプレートを見ていただくことも出来ないのですが、個人的にはファージに感染しない変異体の大腸菌が出現してきているかのように思っております。

このようなことってありうるのでしょうか。
アドバイス、宜しくお願いいたします。
 
- このトピックにメッセージを投稿する -



17件 ( 1 〜 17 )  前 | 次  1/ 1. /1


(無題) 解決済み 削除/引用
No.1872-19 - 2008/09/03 (水) 21:06:19 - sawa
下っ端様

> ファージのストックがプレートライセートそのものだとすると、濃度は10^10pfu/mL程度あることもまれではありませんから、

その程度まで上がることもあるんですね!
論文や本等には載っていない、経験しないと得られないような情報を教えてくださって、本当にありがとうございます。
ライブラリーは頂いた後すぐ使う予定だったようなのですが、結局誰も使用せず・・のまま置いておかれたようでして。今後は然るべき状態にしたうえで保管、タイターの維持をしていきたいと思います。

AP様

> 溶原タイプなのか否かは、通常使われるベクター・宿主の組み合わせではあまり気にしなくて良いと思います。

昨夜から今日にかけて溶原タイプかどうなのかを調べておりましたが、いまいちはっきりと分からず、どうしたものか・・と思っておりましたが、今回の実験(ターゲッティングベクターのスクリーニング)においては気にしなくてもよいのですね。


この度は、多くのアドバイスを下さって本当に有難うございました。
本やインターネット等で得られる情報だけではあやふやだった点も多くあったのですが、このようにおふた方から直接アドバイスを頂け、よりはっきりと理解することが出来ました。
では、とりあえずこのトピックは「済」にさせていただくことにします。
本当にありがとうございました。

(無題) 削除/引用
No.1872-18 - 2008/09/03 (水) 16:32:33 - AP
>溶原タイプなのか否か

は、通常使われるベクター・宿主の組み合わせではあまり気にしなくて良いと思います。あるとしたら、cIセレクションベクター(cDNA libraryによく使われるlambda10系)で新規に作ったライブラリーを、hfl+の宿主でチェックするときくらいかな。recombinatのclearなプラークと、non-recombinantのturbidのプラークが両方出てきます。それでも実際に使用するときはhfl-をパッセージするので、recombinatのプラークしかでませんので。
FIXIIはSpi selection系だと思うので、どっちにしろ関係なさそうです。

Ampifyしたライブラリーを長年使ってきた経験からですが、4℃保存だとpfu濃度で年2桁くらいは落ちてきます。一度Ampifyすると100 mLくらいできますので、数年のあいだは、濃度が落ちた分だけ体積を増やして必要なpfuを達成出来ます。オリジナルのlibraryやよそから分けてもらったlibraryは、直ちにプレーティングしてスクリーニングするとともに、SMで回収してAmplifyしておきます。保存とともにpfuが下がってくるのはどうしようもないので、とにかく増やしておくのが手です。

ただし、ご存じと思いますが、Amplifyしたlibraryは冗長性ができ、増殖率や使用するときのサンプリングになどによって、偏りが生じる可能性があるので、オリジナルのlibraryをスクリーニングするときより多くのファージをスクリーニングしなければなりません。オリジナルで10万pfuスクリーニングするのと同等のcoverageをamplifyしたので達成するには50〜100万pfuとか。

今あるライブラリーを全部使っても必要なpfuがまかなえないなら、やれば必ずあたりがとれる、という保証は全くないです。

(無題) 削除/引用
No.1872-17 - 2008/09/03 (水) 16:18:57 - 下っ端
書き忘れていたことがあります。

増やし直したファージストック、もしくはオリジナルのストックの中に求めるクローンが含まれているかどうかは、配列情報が分かっているならPCRを使って簡単に確認することができます。

(無題) 削除/引用
No.1872-16 - 2008/09/03 (水) 15:43:28 - 下っ端
ファージのストックがプレートライセートそのものだとすると、濃度は10^10pfu/mL程度あることもまれではありませんから、1/10^4に希釈したもの10uLには10,000pfuあることになります。bottom agarの乾き方にも依りますが、作りたてのfreshなものを使うとこれでも一面溶けてしまうかもしれません。

次回、他の点を検討される際に、騙されたと思って1/10の希釈系列を1/10^6程度まで試してみてはいかがでしょうか。

また、このライブラリーを受け取った方が取るべき対応だったのだと思いますが、10年間4℃というのはちょっと大胆だと思います。大丈夫な場合もあるのだと思いますが、長期の保存の際にはDMSOを入れて凍らせた方が安心です。

(無題) 削除/引用
No.1872-15 - 2008/09/03 (水) 14:44:36 - sawa
下っ端様

こんなにも丁寧にアドバイスをしてくださって、本当にありがとうございます。

> 10cmのプレートなら、数万pfuも蒔いたらプラークがつながって一面曇ったようになってしまうでしょうから、それをご覧になっているのではないでしょうか。

その可能性も大いにアリですね。
ただ、素人目には宿主菌だけを蒔いたときに出来るlawnと、ファージ回収液を加えたときに出来る「一面曇ったように見えるもの」の見分けがつかないため、用いてるλファージが溶原化したものなのかどうかは判断できないかな、と思っております。
また、頂いた元のストックは4℃で10年程度置いておいたものであることと、以前それを10000倍程度に希釈して感染させた際にもturbid様のプラークが確認され無かったことから、タイターが下がってなかったという可能性は残念ながら低いのではないかな、と考えております。

今後は、AP様と下っ端様からアドバイスを受けた、
宿主菌の保存期間
宿主菌とファージとの量比
溶原タイプなのか否か
に注意して、もう一度最初からやり直してみようと思います

(無題) 削除/引用
No.1872-13 - 2008/09/03 (水) 11:52:43 - 下っ端
溶原化するタイプのラムダファージベクターでもプラークは出来ます。ただし、そのプラークはクリアに抜けたものではなくて、曇っています(turbid)。ほとんどは溶菌して一部が溶原化するだけなので。

10cmのプレートなら、数万pfuも蒔いたらプラークがつながって一面曇ったようになってしまうでしょうから、それをご覧になっているのではないでしょうか。まれにvirurentになったファージが出てきてそれがクリアに抜けるので、それが数百のプラークとして見えている。まれに耐性菌が出るでしょうから、それがコロニーとして出ている。どちらも背景はホスト菌のlawnではなくて、turbidプラークが一面につながって一様なlawnの様に見えているところを背景として見えているのではないかと思います。元のストックのタイターは実は下がっていなかったということかもしれません。

(無題) 削除/引用
No.1872-12 - 2008/09/02 (火) 19:31:31 - sawa
AP様

教えていただき、ありがとうございます。
先日回収したファージの原液を1μL,100μLと振って感染させたところ、1μの方で見えた複数のプラークが、100μでは全く見えず、コロニーが一面に生えたようになっていたので、宿主菌が古くなってしまったのに加え、回収時に入り込んだ耐性菌までもが出現してきてしまったのではないかと思いました。


下っ端様

> 一面のlawnに数百のプラークが見え、lawnの上のそのプラークの場所とは別のところにコロニーが生えているということですか?

僕が見た感じではまさしくその通りで、lawn上にプラークがあったり、コロニーが生じていたりという感じです。

> λFixUって溶原化するタイプですか?

お恥ずかしい話なのですが、溶原化するタイプなのかどうかを調べることが出来ませんでした。が、λFixUを用いた論文でプラークにハイブリさせているものがありましたので、おそらくは溶菌するタイプなのではないかと考えております。
アドバイスをしてくださっているのに、あやふやな理解で大変申し訳ございません。

(無題) 削除/引用
No.1872-11 - 2008/09/02 (火) 17:46:40 - AP
>AP様、もうひとつお聞きしたいのですが、ラムダファージに対する耐性菌は結構な頻度で生じるものなのでしょうか?

ファージ過剰の場合は、かなりの確率でぽつんぽつんと耐性菌のコロニーがでます。

それと、宿主菌が古くなってくるとmaltoseで誘導したレセプターを失ってファージに感染しない耐性菌が出てくる可能性があるのではないかと思います。
というのは、DNAを精製するためにliquid cultureをするとき、新鮮な宿主で始めると溶菌して培養液が透き通ってくるのに、古い宿主を使うとdebrisがあまり出ず、培養液もにごっていく一方なので。

(無題) 削除/引用
No.1872-10 - 2008/09/02 (火) 17:38:06 - 下っ端
私の経験だと耐性菌のコロニーは出て当たり前だと思います。ただし、それはプレート一面にプラークが出ている状態で初めてコロニーとして現れてくるはずです。

一面のlawnに数百のプラークが見え、lawnの上のそのプラークの場所とは別のところにコロニーが生えているということですか?lawnの上にさらにコロニーが生えるというのはおかしいと思います。

λFixUって溶原化するタイプですか?だとしたら、実はtiterを大きく読み誤っていて、lawn全体一面にプラークがつながっていて、まれにvirulentになったファージだけがクリアなプラークを作ってそれをプラークとしてカウントしているということはないですか?コロニーの方はホストの耐性変異由来で。

(無題) 削除/引用
No.1872-9 - 2008/09/02 (火) 16:54:47 - sawa
下っ端様

うーん、そうですね。(としか、立場上いえないのですが・・)
実験手法や方向性に悩む日々です。

本当にこういうサイトや書き込んでくださる皆さんに助けられております。

(無題) 削除/引用
No.1872-8 - 2008/09/02 (火) 16:49:49 - sawa
AP様
アドバイス、誠にありがとうございます。

> せいぜい古くて2-3日、ファージの増殖やライブラリーのファーストスクリーニングなどなら、調製当日のものを使うべきです。

早速、実践してみたいと思います。ファージを入れなかったものでは綺麗にlawn が生えるため、大丈夫なのかなーと思っていたのですが。今後ライブラリーを貰いなおすことになった際にも、気をつけることにします。

> 一旦、P2 strainでamplifyしてあってnon-recombinantが排除してあることが確かなら、

これは論文を読む限りではamplifyしていることが間違いないようです。

これまで、ファージの回収液を原液のまま数マイクロリットル感染させておりました(それでも数百個のプラークしか生じないため)が、AP様が仰られるように宿主に対して過剰すぎて、耐性菌のみが生じてきているのかもしれませんね。とても参考になりました。

AP様、もうひとつお聞きしたいのですが、ラムダファージに対する耐性菌は結構な頻度で生じるものなのでしょうか?

(無題) 削除/引用
No.1872-7 - 2008/09/02 (火) 16:44:58 - 下っ端
> 僕もそう思ったのですが、とりあえず溶菌されるようにファージを整えて、スクリーニングをしてみてから対策を・・との事だったので、このような実験を行っている次第です。

APさんの仰るように、スクリーニングのためにクローン数を稼ぐのが目的ならば、これはどう考えても無意味です。ボスがそう主張しているとしたら、そのボスに付いていって良いかどうかを考えてみる必要がありますよ。

(無題) 削除/引用
No.1872-6 - 2008/09/02 (火) 16:28:58 - AP
それと、宿主に対してファージが過剰で、lawnを形成する前にほとんどが溶菌してしまうと(プレート表面が、ほとんどつるつるになる)、耐性菌だけが生えてコロニーになることはよくあります。

(無題) 削除/引用
No.1872-5 - 2008/09/02 (火) 16:21:04 - AP
>宿主菌はMaltose存在下で培養したものを冷蔵庫にストックし、ここ2週間程度使用しております。

保存期間が長すぎです。これが原因と見えます。
せいぜい古くて2-3日、ファージの増殖やライブラリーのファーストスクリーニングなどなら、調製当日のものを使うべきです。

長く置けば、死ぬ菌が増えてくるのはあたりまえで、
死んだ菌にもファージが吸着するので、実質的なタイターを下げてしまいます。
生きた菌の密度が下がってくると、きれいにbacterial lawnが生えず、まばらにばら撒かれた生きた菌が独占的に成長してコロニーを形成しますよ。

>用いている大腸菌はXL-I Blue MRF'で、
FixIIではP2 strain (XL-I Blue MRA(P2)やP2392など)を使ったほうがいいかもしれません。そのライブラリーが、一旦、P2 strainでamplifyしてあってnon-recombinantが排除してあることが確かなら、かならずしもそうでなくていいですが。

ありがとうございます。 削除/引用
No.1872-4 - 2008/09/02 (火) 15:47:33 - sawa
返信ありがとうございます。

> 数個のプラークをamplifyしたところで、そのプラークの個数分のクローンしか存在しないですよ。

僕もそう思ったのですが、とりあえず溶菌されるようにファージを整えて、スクリーニングをしてみてから対策を・・との事だったので、このような実験を行っている次第です。

> コロニーが生えてくるという問題については、宿主だけでなく、ラムダベクターの種類をあげてください。

頂いたベクターの種類は、Stratagene社のλFixUです。宿主菌はMaltose存在下で培養したものを冷蔵庫にストックし、ここ2週間程度使用しております。上記の蒔きなおしを行うごとにコロニーの数が増大していくため、なんらかのコンタミなのかなとも思うのですが・・。宿主菌のみで同様に蒔いた時にはこのようなコロニーは生じておりません。

ファージを扱ったことがほとんどなく、見よう見真似で行っているため、実験上おかしな点がたくさんあるかと思いますが、アドバイス宜しくお願いいたします。

(無題) 削除/引用
No.1872-3 - 2008/09/02 (火) 15:16:26 - AP
質問に答える前に、根本的におかしなことをやろうとしているようなので、

>プレート上に生じた数個のプラークを回収し、それをまた蒔きなおすことでタイターを上昇させようとしていたのですが

数個のプラークをamplifyしたところで、そのプラークの個数分のクローンしか存在しないですよ。単にコピーが増えるだけで、それによってlibraryから失われたクローンが復活するわけでもなし。何万pfuをスクリーニングしましょうというのは、単にそれだけpfuがあればいいというのではなく、それだけの種類からなるユニークなクローンをスクリーニングするということでして。


コロニーが生えてくるという問題については、宿主だけでなく、ラムダベクターの種類をあげてください。XL-I Blue MRF'は本来、組換え体ラムダを選択するのには向かないのですが。

>プロトコールはMolecular cloning のものに従っております。

宿主菌はフレッシュなものを使っていますか?またMaltose存在下で培養していますか? そうでないとラムダにたいするレセプターをうしない、普通に増殖してコロニーを形成する可能性があります。

ファージのプレートにコロニーが出現して困っております 削除/引用
No.1872-1 - 2008/09/02 (火) 14:55:07 - sawa
10年ほど前に頂いて誰も使用していなかったλファージライブラリーを使用しようと思い、タイターチェックをしたところ存外にタイターが低下しておりました。

そこで、教授のアドバイスの下、SM bufferとクロロホルムを用いてプレート上に生じた数個のプラークを回収し、それをまた蒔きなおすことでタイターを上昇させようとしていたのですが、その作業を繰り返すうちに徐々に大腸菌様のコロニーが出現しはじめるようになってしまいました。

用いている大腸菌はXL-I Blue MRF'で、プロトコールはMolecular cloning のものに従っております。

周りにファージを用いている人がおらず、きちんとプレートを見ていただくことも出来ないのですが、個人的にはファージに感染しない変異体の大腸菌が出現してきているかのように思っております。

このようなことってありうるのでしょうか。
アドバイス、宜しくお願いいたします。

17件 ( 1 〜 17 )  前 | 次  1/ 1. /1


パスワードを入力してチェックした記事を チェックした記事を