ちょっと幅広い視野で考えてみました。mRNAの増減あるいは発現維持は転写だけではありませんので少し注意が必要です。実際に転写活性を直接的に示すためにrun-onアッセイが要求されることもありますね。サイトカイン関係のmRNAはよくAUリッチな配列があって、その配列がmRNAの安定性を制御しているばあいがあります。場合によってはスプライシングとNMDのカップリングなどでmRNA(遺伝子)の発現を調整していたりもします。スプライシングとAUリッチな配列の制御のコンビネーションと言うのもあるかもしれません。
あとはチップアッセイの性質上、定量的にはならないですね。特定の遺伝子のプロモーターに対して十分な発現を誘導する転写因子のそのプロモーター(厳密にはエンハンサー)へのアフィニティーとか、ある程度以上のアフィニティーでは頭打ちになる可能性とか割り出せるものではありませんから、、、
NF-kB阻害剤を含め細胞レベルの実験ではどうしても2次的な作用も拾ってしまいますので結論を急ぐと危険かなとも思います。あなたの実験系でNF-kBで直接的に発現が制御されている可能性が高いものと比べながらタイムコースを取ってみてもいいかもしれません。
話をややこしくしましたが、実験の発展のさせ方でこの辺の考慮の仕方が変わってくるかもしれませんので、参考になるところがあれば幸いです。 |
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