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アデノウイルスベクターのマウスへの導入 トピック削除
No.1829-TOPIC - 2008/08/27 (水) 10:22:21 - らしでむ
Cre-loxPシステムを用いたコンディショナル・ノックアウトマウスの実験を行っています。より強い表現型を誘導する目的で、アデノウイルスベクターを用いたCreタンパクの導入を考えているのですが、マウスへのベクター導入に苦労しています。
生後2日目のマウスへ4000000 pfuのウイルスベクターを皮下投与、腹腔内投与しました。投与後2日で同時に投与したGFPの蛍光は尾部に認められましたので、ウイルスベクターはきちんと導入されていると思いますが、みられるはずの表現型が認められません。
アデノウイルスベクターのマウスへの全身投与につき、投与法やウイルスの量など、何か気をつけるべき点があれば、アドバイスをいただきたいです。よろしくお願いいたします。
 
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No.1829-9 - 2008/09/05 (金) 15:10:12 - らしでむ
文献をおしえていただきありがとうございます。
皮膚の細胞へはたしかに遺伝子が導入されているようですが、思いのほか導入効率が低いことに驚きました。もう少し実験計画を練り直してみたいと思います。
Tさん、atsさん、アドバイスをありがとうございました。

(無題) 削除/引用
No.1829-8 - 2008/09/02 (火) 12:27:13 - T
ついでに、こんな論文もありました。
"Ex Vivo and In Vivo Gene Transfer to The Skin Using Replication-Deficient Recombinant Adenovirus Vectors"
Journal of Investigative Dermatology (1994) 102, 415-421
ウイルスを皮下注してこの程度の発現、ということで参考になるのでは?

(無題) 削除/引用
No.1829-7 - 2008/09/02 (火) 12:11:57 - T
例えば以下の論文によれば、
"Ablating CAR and Integrin Binding in Adenovirus Vectors Reduces Nontarget Organ Transduction and Permits Sustained Bloodstream Persistence Following Intraperitoneal Administration"
Molecular Therapy (2004) 9, 218–230

ウイルスベクターの腹腔内投与後、個体レベルでは体全体が光っている (luciferase) ように見えますが、組織レベルでは

We used green fluorescent protein (GFP) expression
vectors with (Adf) and without (Adf.PB*F*) native re-
ceptor binding to identify the organs that were trans-
duced following intraperitoneal administration. At day
3 postadministration of Adf, we observed most GFP
expression in the squamous epithelial cells of the me-
sothelium that lines all of the organs and tissues in the
peritoneal cavity (Fig. 3). Although the majority of the
expression was observed on the surface of intestine and
diaphragm, sliced specimens of the liver and spleen
showed some limited transduction of the parenchyma
(data not shown). These observations indicated that the
mesothelium is the primary target of the conventional
vector following intraperitoneal administration.

ということです。切片を切ってみれば皮膚にどれくらいウイルスが感染しているかは容易に判別できますよ。

> 血流やリンパ流を介して、遠隔臓器内への感染は起こりうるのでしょうか?

もちろん起こります。ですから尾に静注したものが肝臓で発現するわけですし、腹腔内に打っても肝臓や脾臓でも発現が見られるわけです。ただ、大量の血液が流れる上にウイルスに対する感受性が高い臓器でもこの程度なので、血流経由で全ての皮膚細胞に感染させるのは極めて困難というのは容易に理解されると思います。

(無題) 削除/引用
No.1829-6 - 2008/09/02 (火) 11:29:33 - らしでむ
Tさん、アドバイスありがとうございます。
腹腔内に打てば、ウイルスが全身に播種されると思っていたのですが、そんなに単純なものではないのですね。GFPウイルスを腹腔内に注入してみたところ翌日から全身に緑色の蛍光を発していたので、ある程度は播種されるのだろうと判断したのですが、目的とする臓器にウイルスが到達しているかどうかは、また違う問題なのかな、と考えています。
ところで、大変基本的な質問ですが、アデノウイルスはどのように細胞内に感染するのでしょうか?血流やリンパ流を介して、遠隔臓器内への感染は起こりうるのでしょうか?

atsさん、アドバイスありがとうございます。
ウイルス液の外用、というのも面白そうです。とりあえず培地にウイルスを加えたうえで皮膚の器官培養をして、皮膚にどのくらい感染するのか確認してみようと思います。
ところで、ウイルス軟膏は取り扱いが難しそうですが、気をつけるべき点などあればおしえてください。

(無題) 削除/引用
No.1829-5 - 2008/08/30 (土) 15:17:54 - ats
皮膚全体ですか。
皮膚科の先生に聞けば、良い知恵があるかも。
ツベルクリンでしたっけ、細かい針の剣山のようなのものでウィルス液を接種すれば可能かな〜??
軟膏(グリセリンなど)に混ぜて塗りたくっても、どうでしょうか(皮膚呼吸を阻害して危険?)
新生児なら皮膚も薄いので何とかなるかもしれませんが、母親が育児放棄するかもしれません。
あるいは一時的に炎症を起こしてアデノウィルス軟膏?を塗るとか?

(無題) 削除/引用
No.1829-4 - 2008/08/30 (土) 11:52:13 - T
腹腔内に打てば、主として腹膜の細胞が感染するだけです。ウイルスは巨大な蛋白複合体ですから、受動拡散による感染範囲は極めて限られています。直接ウイルスに接するか、特別な輸送経路がある細胞にしか感染しないと思った方がいいでしょう。これに加えて細胞種ごとの感受性の違いもあります。

皮膚全体にウイルスで遺伝子導入した報告はあるのでしょうか?まだしもウイルス液にマウスをざぶんと浸けてやる方が可能性は高いかも。

というか、まず GFP ウイルスを打って調べれば、感染範囲は一目瞭然では?

(無題) 削除/引用
No.1829-3 - 2008/08/30 (土) 10:33:20 - らしでむ
皮膚全体に遺伝子を導入したいと思っています。
Creタンパクを組織特異的に発現するマウスを作成していますが、組織特異的プロモーターの活性が弱いため、Creタンパクを外部から導入することを考えついた次第です。アデノウイルス感染が数ミリのオーダーでしかできないとは知りませんでした。腹腔内投与で全身に行き渡らせることは可能なのでしょうか?

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No.1829-2 - 2008/08/27 (水) 15:14:02 - ats
アデノウイルスベクターでどの部位に遺伝子導入したいのでしょうか。
ここ2、3年followしていないので画期的な技術が開発されているかもしれませんが、少々古い知識・経験でお話させていただきます。
皮下投与、腹腔内投与は行ったことがないので不明ですが、静注したウィルスの8割ほどは肝臓に入ります。
全身にCreを発現させるのは、(マウスの細胞数とウィルスの力価を考えてみても)TGマウスとの掛け合わせでないと無理だと思います。
アデノの局注では針に周りの組織に数ミリ幅にしか導入できないので、アデノで臓器特異的にCreを発現させることも困難です。
マウスに投与するウィルスはPEG沈殿後CsClによる密度勾配遠心によりバンドを取り出し、透析して、濃縮・精製していました。精製しないとDNAの入っていない空ウィルスの混入や、余分なウィルスタンパクによる毒性が強いようです。濃縮しないと液量の多さから浮腫になります。

アデノウイルスベクターのマウスへの導入 削除/引用
No.1829-1 - 2008/08/27 (水) 10:22:21 - らしでむ
Cre-loxPシステムを用いたコンディショナル・ノックアウトマウスの実験を行っています。より強い表現型を誘導する目的で、アデノウイルスベクターを用いたCreタンパクの導入を考えているのですが、マウスへのベクター導入に苦労しています。
生後2日目のマウスへ4000000 pfuのウイルスベクターを皮下投与、腹腔内投与しました。投与後2日で同時に投与したGFPの蛍光は尾部に認められましたので、ウイルスベクターはきちんと導入されていると思いますが、みられるはずの表現型が認められません。
アデノウイルスベクターのマウスへの全身投与につき、投与法やウイルスの量など、何か気をつけるべき点があれば、アドバイスをいただきたいです。よろしくお願いいたします。

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