純系が弱いのは、ほとんどの遺伝子座がホモ接合になり、その中には生存力に不利になる劣性アレルが少なくないからでしょう。
血統書付きのペットでは、生まれつき耳が聞こえないとか、オッドアイだとか、遺伝的な異常が良く出る品種があったりするそうですが、同じことですね。
人で三親等以内の近親婚が禁じられている理由も根本的に一緒です。
純系よりも雑種が丈夫だというのは、べつにネズミを含めほ乳類に限ったことではなく、古くからいろいろな生物の遺伝学、育種学で雑種強勢(heterosis, hybrid vigor)として知られていることです。
MHCのheterozygousityも関係ないとは言い切れませんが、ヘテロ接合とホモ接合で多様性は倍しか違わないわけですし、それで特別に不利になるとは考えられません。考えすぎではないでしょうか。
KOや突然変異生物をバッククロスしてcongenic化するのは、実験区と対照区で何か違いが見つかった場合、本当につぶした遺伝子のせいか、もともと系統間にあったgenetic backbroundのバリエーションによるのか、分からなくなるからです。 |
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