BALB/cマウスの骨髄由来樹状細胞(GM-CSFで誘導)とDO11.10由来脾臓CD4+T細胞の共培養でTh1/Th2分化を検討する実験系がうまくワークせず困っております。
問題点:
文献上ではTh1を誘導するといわれている条件(LPS刺激等)で前処理した樹状細胞とCD4+T細胞を共培養しても培養上清中のIFNgに上昇が見られません。
実験系の概要:
1)樹状細胞の誘導。BALB/cマウス骨髄細胞をGM-CSF存在下で培養。IL-4は使用していません。
2)1)の樹状細胞を回収し、各種条件下にて24h刺激
3)DO11.10マウス脾臓よりCD4+T細胞をautoMACS(negative selection)にて単離。このときCD62Lによるソーティングはしていません。
4)2)の樹状細胞と3)のCD4+T細胞を72時間共培養。T:DCの細胞数比は2:1。抗原としてOVAペプチド(10nM)を使用。
5)抗CD3抗体(2C11, 5ug/ml, プレートに固相化)抗CD28抗体(37.51, 2ug/ml, 固相化せずsolubleで)にて24時間刺激後に培養上清を回収。
6)培養上清中のIFNgおよびIL4をELISAにて測定。
樹状細胞単独での培養上清にIL12p70の上昇が見られる条件でもCD4+Tとの共培養ではIFNg産生の上昇が見られません。
また、5)の抗CD3/CD28抗体による刺激をしない場合にはIFNg産生の上昇が見られるのに対して、抗体刺激をすると無刺激の樹状細胞とCD4+Tを共培養したときよりもIFNg産生が低くなってしまいます。
逆に文献上でTh2を誘導するとされている条件では抗CD3/CD28抗体で刺激をしないとIL4の上昇がみられません。
条件検討の項目としては
1)OVAペプチドの濃度
2)抗CD3/CD28の濃度・刺激時間
3)T細胞:樹状細胞の細胞数比
4)培養時間
5)T細胞単離の際、CD62Lによるソーティングも行う。
等を考えていますが、検討項目が多岐に渡るためすべての条件をふって検討することが難しく困っております。
同様の実験系の経験が深い方がおられましたら是非、助言を頂ければと思います。 |
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