かなり培養のキャリアの長いベテランでもコンタミするときはあるし(たぶん言わないと思いますが。)、ビギナーの学部学生でも幸運にもいまだ全く経験しないひともいます。だからコンタミすること自体は事故であって、別に格好わるいことではありません。早く見つけてさっさと処分することが、研究の時間をロスしないためにも、また(カビの場合は)汚染を拡大しないためにも大切です。ただ頻繁に起こるのであれば、たまたま手技上のミスということ(経験的には、すくなくとも多少慣れてきた後では、これ自体は原因としてはあまり多くないように考えます。)よりも、別の問題の可能性が大きいとおもいます。たとえばあなたがその細胞を手にする前から、もともと細胞にコンタミが起きていたのではのではないでしょうか。あるいは細胞をアンプルから起こした時にコンタミが起きたのではないでしょうか。使用している培地や試薬の無菌テスト(少量をシャーレ等にれてインキュベーターで1週間くらい放置してチェック)も一応したほうがいいでしょう。実験目的からみて特に問題ないなら抗生物質はいれても構わないとおもいます(ただ酵母やカビの場合は通常つかう抗生物質は効かないので注意)。培養室内のエアコンなどの気流はしばしば頻発するコンタミの原因になります。心配ならシャーレでなくててフィルター付き(口をしっかり閉められるので)のフラスコが安全です。どうもはっきりした原因が分からないときは、時間がもったいないので、新しい細胞を細胞バンクから入手して、使用する培地や試薬を一新するか、あるいは全て~0.22μmフィルターを通して滅菌し直してトライする方が早道と思います。培養初期の段階でたくさん凍結ストックを作っておくことも忘れずに。 |
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