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制限修飾系による分解回避のためのDNA一本鎖化 トピック削除
No.1574-TOPIC - 2008/07/16 (水) 16:28:12 - カナマイシン
いつもお世話になっております。

二本鎖DNAの一本鎖化については
例えばDIGプローブ作製法などでよく話題にのぼっていますが、
当方、特殊な用途でこれを用いたく、トピを立て皆様にご意見を伺いたい所存です。

我々は、ある微生物の形質転換(プロトプラスト融合法)作業において、
導入したいDNAが制限系ヌクレアーゼに分解されてしまうのを防ぐ目的で、
DNA一本鎖化処理をしております。

処理操作の内容は直鎖状DNAでも環状DNAでも同様で、
・1 M NaOH を用い、終濃度 0.1 M になるよう
 DNAサンプルに加えアルカリ化。
・37˚C, 10 分インキュベート。
・1 M HCl にて中和。
というシンプルなものです。

ここで・・・
1. この方法ではそもそもDNAへのダメージが大きすぎるのではないか。
2. 煮沸→急冷、の方が分解ダメージが少なく、かつ簡便ではないだろうか。
3. アルカリにしろ煮沸にしろ、環状DNAにも効果はあるのだろうか。
4. 他に効果的な一本鎖化の方法はないだろうか。
といった疑問が生じました。

どなたか他の用途でも、アルカリ処理と煮沸処理とで
一本鎖化効率や分解ダメージ等の比較を行ったことのある方がいらっしゃれば
上記疑問の回答やアドバイス等をお願いしたいです。

やや漠然としていて恐縮ですが、よろしくお願いします。
 
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(無題) 削除/引用
No.1574-12 - 2008/07/17 (木) 16:14:04 - おお
もうかなり意見が出ていますし、あまり役立つコメントもできませんが、NaOH存在下で電気えいどうして、DNAにニックが入っているかが確認できます。そういう意味ではNaOHという強アルカリのイメージから来る物よりも使える方法かなと思います。実際エイどうそうとかDNAのコンタミを解消するにはNaOHはあまり有効でないのでHClで処理しろといいますし。

(無題) 削除/引用
No.1574-11 - 2008/07/17 (木) 14:30:18 - カナマイシン
AP様、名無し様、ccc様
皆様、大変有益な情報をありがとうございました。
また、私自身教科書的な知識として知っていながらご指摘をいただくまで
気付かない点が多々ありました。

結論を簡潔にまとめると(まとめ方が主観的かもしれませんが)…
1. こと直鎖に関しては、現状のアルカリ処理はかなり優秀な方法と考えられる
 (ボイルよりは信頼性がおけそう。また、DNAがひどいダメージを受けることはなさそう)
2. cccのDNAに関しては、直鎖DNAに比べてかなり一本鎖になりにくい
 (ニックを入れないと不可能)。
3. いずれにしろ、万全を期すのであれば二本鎖を解離させるのではなく
  一本鎖を調製すべき。
4. 1 と 2 を考えるに、特にcccのDNAを形質転換に使いたいのであれば、
  3. の方法で効率アップがはかれるかもしれない。
というところでよろしいでしょうか。

>AP様
毎度いろいろ聞かせていただきためになります。ありがとうございます。
ファージから一本鎖を調製してシーケンスを読んでいた、という話は
何度か聞いたことがあるのですが、アルカリ処理がその改変だとは知りませんでした。
確かに、シーケンスラダーがとれるということはかなり信頼がおけると判断できそうです。
修飾のないDNAを調製、という努力はしておりまして、実際
dam-/dcm- 大腸菌よりDNAを調製して用いております。
しかしながらなお二本鎖では種々の制限系にひっかかってしまうようです。

>名無し様
ご紹介ありがとうございました。
実はファージは取り扱ったことがなく、勉強になります。
実際に本格的に一本鎖を調製する段には利用させていただきます。

> ccc 様
過剰量のプライマーやTempliPhiを用いて一本鎖調製、いいアイデアだと思います。
ただ、シーケンスエラーのないことの保証されているDNAを用いたいため、
PCRを介したものを確認なく導入することに少し抵抗があります
(もっとも最近の酵素はエラーがほとんど入らないですし、また
TempliPhiも「滅多に入らない」とのうたい文句ですが…)。
そういった面では、ExoIIIの利用はとてもいいかもしれません。
参考にさせていただきます。

皆様ありがとうございました。

(無題) 削除/引用
No.1574-10 - 2008/07/16 (水) 20:07:56 - ccc
何度もすみません。追加です。

0.1 M NaOHはアルカリ法と大して変わらない条件なので、DNAへのダメージはそれほどでもないと思われます。

(無題) 削除/引用
No.1574-9 - 2008/07/16 (水) 20:02:27 - ccc
AP様、
なるほど、仰るとおりだと思います。

カナマイシン様、
下に書きましたような論旨で、cccの分子はニックが入っているもの以外は一本鎖にならないのだと考えます。

環状の分子はM13ファージの系を用いるか、ニックを入れる処理をしてからアルカリで変性するというのが良いのではないでしょうか。

直鎖状の分子の場合には、ExoIIIをつかって一本鎖にするという手もありますね。

(無題) 削除/引用
No.1574-8 - 2008/07/16 (水) 19:53:39 - AP
>[Re:6] cccさんは書きました :
> > シークエンスラダーが取れるくらいだから、十分に変性され、分解・切断などはほとんどなかったのではないかと思います。
> >
> > cccプラスミドをlinearizeせずに鋳型として、ランダムプライム標識をするときは、変性しにくくて効率が下がります。そのため、10 分以上のボイル、またはアルカリ変性をします。
>
> これって、いずれの場合も変性したプラスミドが戻り損ねて、もつれてしまって全長のごく一部が一本鎖に留まっている(もちろんその領域は分子毎にバラバラ)ことに期待しているのではないでしょうか。

そうかもしれませんが、cccの場合ボイルよりアルカリのほうがreliableであるという論旨です。

> > site-directed mutagenesisなどで、cccを一本鎖化するステップがあったりするので、
>
> これもQuickChangeのプロトコルを仰っているのでしたら、ニックを持った一部の分子だけが全長にわたって一本鎖になっていて、ポリメラーゼがぐるっと一回り複製できるのはその画分だけ、ほとんどの変性分子はトポロジカルにもつれてしまうから全長は複製できないのだと思っていましたが、間違っているでしょうか。

Kunkel法やDual Amber法を念頭にしていました。環状一本鎖からin vitroで二本鎖にするステップを考えていました。

>カナマイシンさん
>導入したいDNAが制限系ヌクレアーゼに分解されてしまうのを防ぐ目的で

この制限修飾系がどのようなものかはわかりませんが、修飾を受けた二本鎖がターゲットになるということならなら、in vitroで線形DNA(PCRなどで)、あるいは環状DNA(ファージミドなどの環状一本鎖を鋳型にして)二本鎖を合成したらいいのでは

トピックに関係して 削除/引用
No.1574-7 - 2008/07/16 (水) 19:32:20 - ccc
一方のプライマーを過剰量にしてPCRをすることでssDNAを調整することもありますよね。

あるいは、strand displacement活性を持ったTempliPhiみたいな酵素を使うのはどうでしょうか。

トピックから外れますが 削除/引用
No.1574-6 - 2008/07/16 (水) 19:21:25 - ccc
> シークエンスラダーが取れるくらいだから、十分に変性され、分解・切断などはほとんどなかったのではないかと思います。
>
> cccプラスミドをlinearizeせずに鋳型として、ランダムプライム標識をするときは、変性しにくくて効率が下がります。そのため、10 分以上のボイル、またはアルカリ変性をします。

これって、いずれの場合も変性したプラスミドが戻り損ねて、もつれてしまって全長のごく一部が一本鎖に留まっている(もちろんその領域は分子毎にバラバラ)ことに期待しているのではないでしょうか。

> site-directed mutagenesisなどで、cccを一本鎖化するステップがあったりするので、

これもQuickChangeのプロトコルを仰っているのでしたら、ニックを持った一部の分子だけが全長にわたって一本鎖になっていて、ポリメラーゼがぐるっと一回り複製できるのはその画分だけ、ほとんどの変性分子はトポロジカルにもつれてしまうから全長は複製できないのだと思っていましたが、間違っているでしょうか。

(無題) 削除/引用
No.1574-5 - 2008/07/16 (水) 19:15:12 - 名無し
このページは参考になるかと思います。
http://www.promega.co.jp/jp/jp_tech/FAQs/Q&A_ssDNA.htm

(無題) 削除/引用
No.1574-4 - 2008/07/16 (水) 19:10:34 - AP
環状一本鎖DNAが調製できたら、in vitroで二本鎖にできますから制限修飾系をまぬがれるかも。

(無題) 削除/引用
No.1574-3 - 2008/07/16 (水) 19:05:13 - AP
ほかの手技からの類推ですが、

KlenowとRIでシークエンスをするサンガー法も、初期のころはM13ファージDNAなど一本鎖の鋳型しか使えませんでした。その後、二本鎖プラスミドを一本鎖に変性して鋳型に使う方法ができたのですが、それは熱変性ではだめで、アルカリで変性で強く解離させなければなりませんでした。

当時のプロトコールは、
10 uLのプラスミド水溶液に、10 uLの0.4 M NaOH/0.5 mM EDTAを加えて、37℃、5分 → 8 uL 5 M NH4OAC (pH 4.5)と100 uL EtOHを加えてエタノール沈殿
となっています。

シークエンスラダーが取れるくらいだから、十分に変性され、分解・切断などはほとんどなかったのではないかと思います。

cccプラスミドをlinearizeせずに鋳型として、ランダムプライム標識をするときは、変性しにくくて効率が下がります。そのため、10 分以上のボイル、またはアルカリ変性をします。
長時間のボイルはDNAプローブの断片化(ISH用にするため)の方法のひとつでもあるので、切断がかかる可能性があると思います。

一本鎖の片側だけ、あるいは片側ずつ調製したものでいいのなら、ファージミドで環状一本鎖をとる方法もあると思いますし、site-directed mutagenesisなどで、cccを一本鎖化するステップがあったりするので、応用できるかもしれません。

(無題) 削除/引用
No.1574-2 - 2008/07/16 (水) 16:29:20 - カナマイシン
文字化けしました。
37˚C → 37度
でお願いします。

制限修飾系による分解回避のためのDNA一本鎖化 削除/引用
No.1574-1 - 2008/07/16 (水) 16:28:12 - カナマイシン
いつもお世話になっております。

二本鎖DNAの一本鎖化については
例えばDIGプローブ作製法などでよく話題にのぼっていますが、
当方、特殊な用途でこれを用いたく、トピを立て皆様にご意見を伺いたい所存です。

我々は、ある微生物の形質転換(プロトプラスト融合法)作業において、
導入したいDNAが制限系ヌクレアーゼに分解されてしまうのを防ぐ目的で、
DNA一本鎖化処理をしております。

処理操作の内容は直鎖状DNAでも環状DNAでも同様で、
・1 M NaOH を用い、終濃度 0.1 M になるよう
 DNAサンプルに加えアルカリ化。
・37˚C, 10 分インキュベート。
・1 M HCl にて中和。
というシンプルなものです。

ここで・・・
1. この方法ではそもそもDNAへのダメージが大きすぎるのではないか。
2. 煮沸→急冷、の方が分解ダメージが少なく、かつ簡便ではないだろうか。
3. アルカリにしろ煮沸にしろ、環状DNAにも効果はあるのだろうか。
4. 他に効果的な一本鎖化の方法はないだろうか。
といった疑問が生じました。

どなたか他の用途でも、アルカリ処理と煮沸処理とで
一本鎖化効率や分解ダメージ等の比較を行ったことのある方がいらっしゃれば
上記疑問の回答やアドバイス等をお願いしたいです。

やや漠然としていて恐縮ですが、よろしくお願いします。

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