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統計の取り方について トピック削除
No.1534-TOPIC - 2008/07/10 (木) 22:54:12 - 細胞生物学研究歴数年目
お世話になります。先輩方の御意見をお聞かせ下さい。
先日私の研究室でのdata discussionでの話です。

後輩の大学院生がある実験で,培養細胞を前日に6穴シャーレに継代し,
1.うち3穴に同じ濃度の薬品Aを添加,残り3穴はvehicle(溶媒のみ)で24時間培養
2.上記細胞すべてのRNAを抽出しRT
3.RT後定量PCRを実施
しました。
ここで,彼は
a)上記の定量PCRでcDNA(計6サンプル)をsingleで行い,結果(データはそれぞれのサンプルでA添加群3つ,vehicle 3つの計6つ)を示し両群をそれぞれ「n=3」として比較していました。

すると,別の先輩の先生が「これはn=3にはならない」と発言し,ちょっとした議論になりました。
その内容ですが,大部分は上のa)で良いのではないかという意見だったのですが,
b)上の実験で定量PCRを行うときにそれぞれのサンプルをtriplicateで行ってその平均値をとる(結局はdataは両群3つずつになります)と「n=3」として扱えるのでは
という意見もありました。

私はa),b)ともn=3にはならないと言う意見で,
c)A添加群,vehicleをそれぞれ1穴に細胞を用意し,そこからRNA抽出,RTののちそれぞれのcDNAをtriplicateで定量PCRを行ったとき(結局はデータはそれぞれの群のtriplicateの平均値1つずつのみ)で「n=1」でこれを時間的にもしくは手を変えて別々に行うことにより「n」が増えていく
という考えなのですが,a),b),c)のうち正しい意見はどれでしょうか?
それともすべて間違いでしょうか?
御意見をお聞かせいただきたく思います。
よろしくお願い致します。
 
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(無題) 削除/引用
No.1534-27 - 2008/09/27 (土) 07:22:13 - 西海岸
興味深い内容なので、私も。
個人的には、nは一番ふれそうな所を表記すべきだと考えています。
ケースバイケースですが
個体(1)>サンプリング数(2)>RNA抽出(3)>RT(4)>qPCR(5)
このような例の場合は(1)の数がNに相当するためだと思います。
(経験的にそうだとわかっていますので)
もちろん(2)や(5)では平均されますがそれらはnとは言わずに実験の精度を上げるための操作上の手段に過ぎません。
今回のケースだと王道は(c)だと思うのです。

(無題) 削除/引用
No.1534-26 - 2008/08/02 (土) 15:59:06 - ばら
ytさんの書かれた「しかし、培養細胞を使った実験でSDはどの程度の意味を持つのでしょうか?別々のwell上にあるというのは極めて便宜的な意味合いしか無く、勿論それが動物実験で言う個体に相当することはありえません。極めて均質な対象であるが故に、本来は同一の刺激・操作に対し同じ性質の同じ量の変化が観察されるはずです。そこにばらつきが生じると言うのは、実験操作上のばらつきが極めて大きいと思います。」ということについてですが、確かに個体ほどではないにしても、クローニングされた細胞でも、同じ反応容器ではありません。ディッシュを覗いても一つとして全く同じ細胞はないことからもわかるでしょう。細胞を構成する分子数は、同じ遺伝情報から来ていても、増殖の過程において、あるばらつきを持って、細胞が構成されるので、不均一な分子集団に必ずなります。

そもそも一つの単純な反応を行う酵素と基質が試験管に入っていて、ある阻害剤の効果を見ようと思って加えても、ある程度のばらつきは必ず起こります。これは操作のばらつき、チップや容器のばらつき、というのもありますが、それ以上に分子の動きそのものが正規分布して、つまりばらつきを持っているので、不可避です。ですから、個体だから、とか、溶液だから細胞だから、という議論は余り意味がないように思います。

(無題) 削除/引用
No.1534-25 - 2008/08/02 (土) 15:14:37 - おお
>[Re:23] あだむやんさんは書きました :
> レスが遅くなりましてすいません。
>
> おお様、いろいろなコメントの多くには賛同です。
> 。ただ、がん細胞によるCell line以外の細胞、特にPrimaryからとってくるようなものでは、最低別個の個体N=5くらいからとってこないといけないと思います。結局培養細胞が何者なのかがわからないので、これ以上の議論はムダだと思います。

仰ることはわかります。細胞の個体でのばらつきは実験によっては大きいでしょうし、特に貴方の最初のコメントは病気をおこした個体からの細胞を対象にしたようなかきかたですし 、そうであればなおさらバラつくでしょう。1個体でキャラクタライズでは危険というのは当然です。
示したかったのは、読んでいる人がすべてに置いてそのような処理をしていかなければ科学的ではないと思うと危険かと思い極端な反例を挙げたにすきません。ちょっと攻撃的な書き方になってしまっかもしれませんが、お許しください。


> マウスもおっしゃるとおり、基本的には均一なものができているはず、という前提で実験はしておりますが、同じC57BL6でも、,,,

私もマウスをあつかったことがありますが、動物レベルではやはりバラツキは大きいですね。ばらつきとの戦いみたいなところもあります。そうであるからこそ統計的な基礎のうえで実験しようと思うでしょうし、そういう姿勢で実験されているように見えます。それについては否定つもりは全くなく、読んでいる人にそういうところは伝われば良いかとも思います。遺伝子が均一と申し上たのは、実験で細胞レベルの反応を見る時に、複数の個体を見るべきか、その時何個体必要かといった実験を考える時に考慮してほしいファクターとしてコメントした訳です。同時に遺伝子のバックグランドが違うものではどうかという考慮も実験によっては必要かもしれませんね。

変な話ですが、いまだにT検定しか知らず、そんなにサンプリングしているんだからサンプルの分布とかみればいいじゃんとかいうと、何を言っているのか分からないという顔をする人がけっこういます。そういった人がCellとかバンバンパブリッシュしていたり、ジャーナルクラブで検定方法を確認せずに、そんなばらつきで有意差さ出るわけないじゃんとかいったりとか、、、
そういう人がなんか私をすごく偉くなった気分にさせてくれたりします。同時にがっかりもしますが。

SD and SEM 削除/引用
No.1534-24 - 2008/08/02 (土) 04:03:29 - yt
mom-aさんの7/18/08のコメントを見てふと思ったのですが、動物実験でSDを使うと言うのはよく理解出来ます。inbred miceであろうとも生物には個体間には代謝などにばらつきがありますから、ある操作・刺激に対する個体間のばらつきを検出することによって、その現象がどれだけそのモデル動物において普遍的なものであるかを推し量るには良い指標だと思います。
 
しかし、培養細胞を使った実験でSDはどの程度の意味を持つのでしょうか?別々のwell上にあるというのは極めて便宜的な意味合いしか無く、勿論それが動物実験で言う個体に相当することはありえません。極めて均質な対象であるが故に、本来は同一の刺激・操作に対し同じ性質の同じ量の変化が観察されるはずです。そこにばらつきが生じると言うのは、実験操作上のばらつきが極めて大きいと思います。
だとすれば、ここでSDと言うのは実験者の手技のばらつき加減を示すもので、生物学的にはそれほど大きい意味は無いのではないでしょうか? むしろ、本来観察されるはずの「量」が生物学的意味を持つのであり、そのためにはSEMの方が適切なのではないか?
 
と思ったのですが、皆さんはどう考えるでしょうか?

結局 削除/引用
No.1534-23 - 2008/08/02 (土) 01:26:18 - あだむやん
レスが遅くなりましてすいません。

おお様、いろいろなコメントの多くには賛同です。
個体内の再現性について、3個の個体からとってきて、それぞれについての考え方についてはおっしゃるとおりだと思います。
ただ、私のコメントは、あくまで細胞生物学研究数年目の方の状況に関してのコメントです。今回の質問は、’培養細胞から前日に1枚の6穴にまいて・・・・’という状況ですから、1枚のプレートにまいたものは、どうやって見積もってもN=1でしかないと思います。それが、個体内の再現性をみようとするものであっても、です。それを例えば別々の4枚のプレートにまいて実験したら、おお様のいわれるところの、同一個体内での再現性は確認できるでしょう。ただ、がん細胞によるCell line以外の細胞、特にPrimaryからとってくるようなものでは、最低別個の個体N=5くらいからとってこないといけないと思います。結局培養細胞が何者なのかがわからないので、これ以上の議論はムダだと思います。
マウスもおっしゃるとおり、基本的には均一なものができているはず、という前提で実験はしておりますが、同じC57BL6でも、いくつかは片目であったり、片腎であったり、歯の生え方がおかしかったり、などそれなりの期間Breedingをしていると、均一なはずなのにそうでないことがよく起こっていることが実際目でも見えます。同じ誕生日でも体の大小はあります。ですから、同じように扱っていいことも多いということには賛同ですが、それぞれの実験系でいちいち確認するのが、時間はかかりますが正論だと思います。

通りすがり様のいわれている、適切な統計手法を用いているか、パラメトリックかノンパラメトリックか、という、まさにそこがこのForumでも以前から議論されているまさに最も難解なところではないでしょうか。このスレとはかけ離れますが、N=3でt検定なんてあまりにもばかげた処理をしている論文を見るたびにがっかりします。ここで議論をされている多くの方々にはそういう方はいないと信じていますが。

mom-a様の言われるとおり、実験内の繰り返しと、実験間の繰り返し、その双方が重要なのは言うまでもありません。その実験内か、実験間なのか、そこが問題、ということには賛同です。

ちなみに、今私がやっている実験は、過去のPaperと全く反対の結果が出ました。学会で発表した際、その過去のPaperを出した人が回ってきたので、自分の実験の結果とその人たちとの結果が違うのはなぜでしょう、というような話を丁寧にきいたところ、鼻であしらわれ、また別の機会にそのデータをもとにGrantを申請したのですが、どうやらReviewerにそのCo-author(かその仲間)がいたらしく、僕のボスのことも良く知っているし反対のデータがでてもいいけど、そんな実験は無駄である、とたった5行のコメントだけでRejectされました。僕のボスは非常にUnusualなコメントだ、と憤慨していました。(他の2人のReviewerは普通にコメントをくれました)
おお様のおっしゃられるように、そしておお様は少なくともそうだろうと思いますけど、ネガティブな結果にも耳を傾けてくれるような研究者が多くいればまさに理想だと思いますが、現実はそうではない、本音と建前は違うと痛感しています。

ともあれ、いろいろな考え方があることは勉強になりました。
ありがとうございました。

(無題) 削除/引用
No.1534-22 - 2008/07/20 (日) 13:44:40 - おお
>[Re:13] あだむやんさんは書きました :

> たまに、そのラボ以外の誰もが再現できない論文があります。
> こういうのは、おそらくaのようにしてやったN=3あるいは4の実験を、そのまま論文データとして使った場合におきやすいのではないでしょうか。

そう言うのは、下手に憶測で疑うより、コミュニケーション取れる手立てを作るのが大事かと思います。お互いの理解スキルアップにつながると思いますし、そのラボがそういうあまり好ましくない処理をしていたとしても、ネガティブな結果が出ることに耳を傾けてくれれば、お互いの研究の幅が広がると思います。

(無題) 削除/引用
No.1534-21 - 2008/07/19 (土) 14:40:51 - おお
>[Re:19] よっしーさんは書きました :

> 概ねおおさんの意見に賛成です.しかしながらこの一文だけは・・・?
> クローズドコロニーではなく近交系ではないでしょうか?
> クローズドコロニーはそこまで均一ではないと思うのですかが,
> 分野の違いですかねぇ.

どうもご指摘ありがとうございました。用語のが適切でありませんでした。

(無題) 削除/引用
No.1534-20 - 2008/07/19 (土) 14:28:38 - 分析屋
大学ですよね。仕方ないかねぇ。

一番大事なのは、プロトコールを作成した後、実験することですね。
プロトコールで繰り返し方法や回数を定義をして、誰かに承認得る。

今回のn=3の件ですが、「実験者が何を重視しているか」が重要と思います。
言い換えれば、n=3定義は人それぞれになります。
誤差のファクターの考え方、試料量、お金、時間、手間などで
n=3も変わってくると思います。

(無題) 削除/引用
No.1534-19 - 2008/07/19 (土) 13:13:59 - よっしー
>[Re:18] おおさんは書きました :
> もう一つ追加しておきます。よく実験で使われるマウスはクローズドコロニーで飼育されていて、お互いの組織を移植できるほど遺伝子は均一です。

概ねおおさんの意見に賛成です.しかしながらこの一文だけは・・・?
クローズドコロニーではなく近交系ではないでしょうか?
クローズドコロニーはそこまで均一ではないと思うのですかが,
分野の違いですかねぇ.

(無題) 削除/引用
No.1534-18 - 2008/07/19 (土) 12:50:59 - おお
もう一つ追加しておきます。よく実験で使われるマウスはクローズドコロニーで飼育されていて、お互いの組織を移植できるほど遺伝子は均一です。実験によっては、特に細胞レベルとかであればさほど個体差を気にしなくて良い実験もあると思います。

(無題) 削除/引用
No.1534-17 - 2008/07/19 (土) 00:11:44 - おお
ひとつ付け加えますが、貴重なサンプルを使った実験や、新しい局面のばあい、統計とか(場合によっては再現性)
とか示せなくても、可能性を示せる実験もあると思います。

(無題) 削除/引用
No.1534-16 - 2008/07/18 (金) 17:38:07 - 通りすがり
1534-5の通りすがりです。

レスを書いて更新してみたら、おおさんとmom-aさんがほとんど自分の言いたいことを書いてくれていました。
繰り返しになってしまいますが、一応自分の意見をば。

科学的かどうかですが、c)のやり方であれば絶対に科学的と言えるわけではないですし、a), b)のやり方でも組み合わせによっては科学的と言いうると思います。

おおさんがおっしゃっているように、『こうすれば科学的』という先入観を持ってしまうのは良くないです。

・n=〜というときに、独立な部分はどの部分で、何を見るためのnなのか
・その際に適切なコントロールは取れているか
・適切な統計手法を適用できているか(特にパラメトリックとノンパラメトリックの使い分け)

といったことに注意しながら、自分のデータの限界を認識して実験を行えば自ずと説得力のあるデータが得られるはずです。

そういう意味で、a), b), c)のどれが正しいのかという質問に対する回答としては『場合によるし、n=〜にこだわりすぎるのは良くない』ということになるでしょうか。

やっぱり「n」はやめよう… 削除/引用
No.1534-15 - 2008/07/18 (金) 16:48:42 - mom-a
あだむやんさんのご意見はもっともです。

ただし…ものすごく蛇足だとは思いますが

>ytさんの言われた、
「quadruplicateの実験を3回繰り返して全て同様の結果が得られた、代表的な結果を提示する」でn=4
これも、N=3でしかありえません。

ここで、figure legendに「n=3」と書かれては間違いです。例えば、平均値プラスマイナスS.E.で図表に表示されている場合、4つのデータからS.E.を計算したのなら、S.D.をルートn、この場合は「2」で割っているわけです。データを見る人は、(人によりますが)S.E.に2をかければS.D.がわかるというわけです。(S.E.はn数が大きくなれば小さくなりますが、S.D.はn数に依存しない)ここで、「n=3」と表記されたらS.E.を1.73倍したものがS.D.だということになり、S.D.を過少に表記していることになってしまいますのでご注意を…。

>Cultureの仕事ならば、例えばマウスのVSMCを、違うマウスからPrimaryで取ってきて、…、同じマウスの細胞を、違う継代でやってそれを別の実験、としたら、はたしてそれは再現性のある実験と言えるのでしょうか?

primaryならばその通りなのですが、cell lineの場合は、継代によって細胞の性質が変化しないことを前提としていますよね。再現性の確認はもちろんしますけれど、毎回新しいストックから起こしなおしているかと聞かれれば、そうではない…。

あと、思うに、実験自体の繰り返しが必要なのはいうまでもありませんが、実験内の繰り返しも、やはり重要だと個人的には思います(無理な場合もありますけど)。

(無題) 削除/引用
No.1534-14 - 2008/07/18 (金) 16:40:21 - おお
>[Re:13] あだむやんさんは書きました :

> 再現性を証明するためにNをいくつか以上にふやすのが普通ですが、Cultureの仕事ならば、例えばマウスのVSMCを、違うマウスからPrimaryで取ってきて、それぞれの細胞で同じTreatmentをして、最低異なる4匹のマウスからとった細胞が同じ傾向をしめせば、それは科学的にも統計学的にも有意なものといえるでしょう。しかし、同じマウスの細胞を、違う継代でやってそれを別の実験、としたら、はたしてそれは再現性のある実験と言えるのでしょうか?それは単に、その特定のマウスの細胞の特性をみているにすぎず、その結果からだけでは、それが普遍の事実かどうかは誰にも分からないと思います。


言わんとすることはわかりますし、正論とも思えますがちょっと具体的過ぎると思います。
何を見るか、どんな実験をするかによって、このへんは流動的だからと思えるからです。

要するに、ある一つの実験のぶれを解消するためのNか、再現性を問うためのNかだとおもいます。再現性をとうためのNが実際科学的に必要であって、それを論文で使うべきと言う事と考えればいいかと思います。ただし、科学的に再現性を問うと言うときに、何がなんでもそれぞれを一つとして平均したり統計処理をする必要があるのかどうかという点も流動的だと思います。

個体Aから取った細胞が、何かの処理である遺伝子が上がったとしましょう。これはたしかに心もとないので、もう一度個体Bから細胞をとってそれを確かめたとします。再現性を確認しようと個体Cでもやってみてやはりその遺伝子に反応があったとします。このばあいA、B、CのデーターをあわせてN=3としても良いと思いますし、Aのデーターで実験をぶれをみるためN=3でとり統計処理して、B、Cでもどうようにして3個体のデーターを並べるのも手だと思います。このとき再現性を問うための統計処理はしてませんが、3個体で同じ結論が見いだせることをいっているわけです。

また、ある個体から細胞をとって生体の病的な環境を培養で作って何かの遺伝子の発現の変動が認められたとしましょう。その細胞がけいだいしてもそんなに性質が変わらないものとします。あるいは変わらないうちに同様の実験を3回繰り返し統計処理したとします(きっと一回の実験でN=3で、それを3回とか)。それでいえることはその細胞について再現性があるといえます。
つぎに違う個体から細胞をとって同じ実験をせずに、個体自身に病気を発症させてその遺伝子の変動を見たとします。3個体で1実験として3回やり(このばあい3が適切かという議論は別の問題なので持ち込まないでください)、統計的に処理し、有意さがみられたとします。この場合最初の1個体からの実験は認められませんか?実験のアプローチとして十分科学的と思えます。
いいたいことは、再現性を示すのに統計はこうするべきだという固定観念を植え付けるのはやめた方がいいと言う事です。

最後に論文は論文化とか言わずにどのばあいも科学的であってほしいですね。

科学実験ならば 削除/引用
No.1534-13 - 2008/07/18 (金) 14:47:09 - あだむやん
いろんな意見があるなあと思いましたが、少なくとも自分のラボの意見はCです。aもbもN=3にはなりません。N=1です。

同じ細胞を1枚の6穴プレートのうちの3つにまいたら、それはTriplicateと同じです。なぜならその細胞たちは同じ条件のものだからです。mom-aさんが言われているように、単に細胞をまくという手技による誤差をみているだけです。もし科学実験をしているというならば、それをN=3と数えたらとんでもない間違いだと思います。

再現性を証明するためにNをいくつか以上にふやすのが普通ですが、Cultureの仕事ならば、例えばマウスのVSMCを、違うマウスからPrimaryで取ってきて、それぞれの細胞で同じTreatmentをして、最低異なる4匹のマウスからとった細胞が同じ傾向をしめせば、それは科学的にも統計学的にも有意なものといえるでしょう。しかし、同じマウスの細胞を、違う継代でやってそれを別の実験、としたら、はたしてそれは再現性のある実験と言えるのでしょうか?それは単に、その特定のマウスの細胞の特性をみているにすぎず、その結果からだけでは、それが普遍の事実かどうかは誰にも分からないと思います。

時間的制約、お金の問題などありますけど、科学が目的か、論文化が目的か、科学が目的ならばCでないとだめでしょう。
ただし、通りすがりさんのいわれるように、統計的にはaもN=3といってもいいかもしれません。でも論文にだすための科学ではN=1だとしか考えられません。

たまに、そのラボ以外の誰もが再現できない論文があります。
こういうのは、おそらくaのようにしてやったN=3あるいは4の実験を、そのまま論文データとして使った場合におきやすいのではないでしょうか。マウスやラットなど、種は同じでも、バッジを変えるだけで結果は異なるものですから。ytさんがいわれているように、バッジが違えばウエスタンなど結果が異なる場合も多くあります。それは、その程度の微細な差しか見ていない、ということであり、おおよそそれは真実ではないことのほうが多いでしょう。

ytさんの言われた、
「quadruplicateの実験を3回繰り返して全て同様の結果が得られた、代表的な結果を提示する」でn=4
これも、N=3でしかありえません。これをN=4というのが普通である、というのも同様の理由でおかしいでしょう?そういうことを平気でするようなラボの論文は誰も信じてくれないと思います。

Yさんのいわれるように、たったひとつの実験だけでこうだ、というのではなく、ウエスタンとPCR、ウエスタンと染色、など2つ以上の方法で同じ傾向だということを示して初めて、これはこうだ、といえるわけですけど、そのひとつの方法でもしっかり根拠をもってやらないと科学論文を書こうとするのに足るFigureとはいえないのではないでしょうか?

細胞生物学研究歴数年目さんは、多くの先輩が間違いをおかしているのに毒されず惑わされず、素晴らしいと思います。頑張ってください。

追記 削除/引用
No.1534-12 - 2008/07/13 (日) 10:38:06 - mom-a
そういえば、培養細胞というので何となくcell lineのようなイメージを持っていましたが、primaryの場合は、細胞を採取してきた個体単位で数える感覚があるかもしれませんね。

長くなってすみません 削除/引用
No.1534-11 - 2008/07/12 (土) 18:05:29 - mom-a
No.1534-5の通りすがりさんの ご意見のくり返しみたいになってしまいますが…

「n」とか「independent」とかの定義がよくわからないのがいけないのですが、論文などをみても、はっきりいってわかりません。特に「independent」の方は、人によって意味が違っているような気がします…ので、なるべくわからない単語は使わないで、具体的に「こうやりました」と表現するようにしたいなぁと思う次第です。

a,bの2グループについて、それぞれ3つのデータを得、2群の平均値の差の検定を行えば、どうとったデータであれ、各群のデータ数という意味では3個。
検定で有意差があるということは、2群間の差はデータのバラツキによる差よりも大きいということになりますから、データの取り方によって評価できるバラツキと評価できないバラツキがあるということになります。

a)の場合、このデータは同時に処理した3wellの細胞から各1つづつとったデータなので、サンプル間の誤差は「3wellに細胞をまいて処理した時のwell間の誤差」になります。各サンプルのRNA抽出、RT、PCRなどの操作については1サンプルから1処理しか行っていないので、これらの誤差はデータに含まれているものの、誤差の大きさについては評価できません。他に、実験日間の誤差、実験者間の誤差、などがあるかもしれませんが、これらの誤差はここには含まれていません。

b)の場合、PCRをtriplicateにしているので、PCR間の誤差を評価することができます。ただし、誤差が2段階(PCR間の誤差とwell間の誤差)になると統計処理がやっかいになるので、この3つの平均値を代表値として採用する方法をとることは多いと思います。PCRの誤差は評価できなくなりますが、3つの値を平均値しているので、1つしかデータを取っていないのと比べて「真の値に近い値になっている」と考えるわけです。統計的な評価はできなくても、3つの値のバラツキをみれば、どの程度の精度で実験できているか大体の確認はできます。

c)の場合、1つの実験でn=1のデータをとり、実験を繰り返すということですから、サンプル間の誤差には実験日間(同じ日の別の時間の場合は、実験日間という言葉は適切でなさそうですが)の誤差も含まれます。

c)のようなデータの取り方をする場合もあるのですが、(すごく時間のかかるオペが必要だとか、一度に一匹しか測定できないとか)、一般的にデータのばらつきはかなり大きくなるので、ばらつきの大きさに応じて繰り返し数を増やさなければなりません。トピ主さんは%にして補正されているようですが、補正するのも良し悪しですし…。

例にあげられているようなin vitroの実験であれば、実験内での繰り返しをとるのが普通だと思います。ただ、気にかけておられるように、a)もb)も「実験間の誤差」が含まれませんから、実験そのものを別の日に繰り返す必要があります。その後のデータ解析方法も、人によって意見があるコトと思います。考え付くところでは、3wellのデータを平均したものをその日のデータとし、3日分をn=3として評価する、あるいはwell間誤差と実験日間の誤差をそれぞれ使って評価する、あるいはデータの再現性があることを確認した上で、そのうちの1実験のデータ(n=3)を図示する、など。

(無題) 削除/引用
No.1534-10 - 2008/07/12 (土) 04:54:21 - Y
この実験を、(1)n=3、とするか、(2)tripricateのn=1とするか、はどちらもアリではないでしょうか。実験によりケースバイケースだと思います。(2)がbetterでしょうが、通りすがりさんやytさんのおっしゃる理由や、実験が大がかり等の理由のため、困難な場合もあります。その場合、ytさんのおっしゃるデータの示し方はよくあります。もちろん(1)でも再現性を確認する必要はあります。ウエスタンや免疫染色で再現性を確認した上、代表的な写真を出すのと同じ感覚です。どういう解析法をしたか示せばどちらもあり得ると思います。

論文を読む立場だと、(2)のほうが信頼できますが、(1)でも、他のデータの存在により(例えばmRNA発現とタンパク発現を並べて示すとか)、特に問題ないと思います。

感覚ですが 削除/引用
No.1534-9 - 2008/07/11 (金) 21:57:10 - えー
後輩さんの実験は、トリプリ の n = 1 だと思います。
仮に、前日プレート2枚に細胞準備して、同じ実験をしておられたのなら、
6プリの n = 1 として扱ってほしいです。

 統計は良く理解していませんが、優位な差ってのは、誰がやっても、
いつやっても、どこでやっても差がでるって事だと考えているので
(再現取れなくて困ることも重々経験していますが・・・・)

もし準備した細胞数が計算間違いで撒いていたら どうしよう
投与した薬物の濃度が希釈間違ってたら どうしよう
RNAの抽出試薬の量が間違っていて、RNA量がおかしかったら どうしよう
などなどの不安に襲われ、再現性があるのか心配になってしまいます。
(ただ臆病な性格なのか、慎重なのか、紙一重なのでしょうが)

 だからこそ再現性は確認すべきだと思います。

 でも差があることは確かなものとして再現実験をします。差はあるけど、実験で得られる数値まで等しいのか?を確認するようにします。

 質問に対する回答というより、私の実験に対するスタンスだけを書いてしまい、すいませんでした。

御意見ありがとうございます。 削除/引用
No.1534-8 - 2008/07/11 (金) 21:04:22 - 細胞生物学研究歴数年目
みなさま方御意見ありがとうございます。
私としては分かったような,分からないような・・・,少し混乱しています。

a)の手法で「n=3」と取ることができるという御意見が多いようですが,(もちろん有意差を見るためにはnを増やす必要があるとして),このa)の方法は「independent」と言えるものなのでしょうか?
同じような質問になりますが,nを増やすにはindependentな実験を繰り返して有意差を見るということでよろしいのでしょうか。

わたしは,やはりa)ではよろしくないのではという思いがあって,c)のやり方で行ってい留のですが,その時vehicleを相対比1(もしくは100%)というように換算することによりraw dateの違いを補正しようとしているのですが,このやり方ではいけないでしょうか。

とりとめなく書いてしまいましたが,引き続き御意見頂けないでしょうか。

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