>EMSの場合、遺伝子以外に蛋白にも影響を与えることを過去のトピックで目にしました。
これは継代培養してその性質が保持されれば、遺伝的変異だということが分かるのではないでしょうか。
どちらにしても、EMSを与えてからすぐではなく、数代培養してからスクリーニングにかける必要があるでしょうね。まずEMSで塩基置換が起こるには、一度複製される必要があり、姉妹細胞の一方に塩基置換が受け継がれるはずだからです。また、EMS処理をかけた細胞中に存在していたタンパク質は、子孫細胞にある程度、残存すると考えられるからです。
線維芽細胞というのは二倍体(あるいは多倍体?)ですよね。EMSで突然変異が起きてもヘテロ接合のはずなので(偶然、相同遺伝子に同時に塩基置換が起こったのではなければ)、想定される受容体を完全につぶすことは出来ないでしょう。正常遺伝子が1/2になった場合に毒素への感受性が下がるという、All-or-nothingではない微妙なところを判定するのか、dominant-negative変異をねらうか、そのへんの見通しはついているのでしょうか。
まあ、うまく突然変異体細胞がとれたとして、関連する遺伝子を同定する方法ですが。
コロニー性の培養が出来る培養細胞だとしたら、
1. cDNAのプラスミドライブラリーあるいはゲノムDNAのコスミドライブラリーを突然変異体細胞にトランスフェクションし通常培地上にコロニーを生やす。
2. 毒素入りの培地にコロニーのレプリカを作る。毒素入りの培地で生えなかったクローンは変異を起こした遺伝子の正常遺伝子のcDNAが入っているはず。
3. 対応する通常培地上のクローンからプラスミド(コスミド)を回収してどんな遺伝子が乗っているか調べる。突然変異体細胞ゲノムの対応する遺伝子の変異を確認する。
生物個体にたいする突然変異の誘発やスクリーニングは相当覚えがありますが、培養細胞のあつかいにはまったく不案内でして、とんちんかんなことを言っていたらすみません。素人の机上の空論、戯れ言と笑ってください。 |
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