seli さま
私はマウスの脳を材料に 50 ミクロンのビブラトームスライスを免疫染色用に作製しています。
> ビブラトームの刃がサンプルに触れるとき,
> どうしても刃が滑ってしまい,薄い切片が作れません.
とおっしゃるときのサンプルというのが包埋に用いたゼラチンなのか、包埋した試料なのか判別できないのですが、
(i) ゼラチンで刃が滑るのであれば、包埋剤を変える。
(ii) 試料で刃がすべるのならば、固定をしっかり(して問題ないのであれば)する。ビブラトーム刃の進む早さを遅くして、かつ振動頻度を上げる。
というところが思いつきます。
(i) の包埋剤については 2-4% のアガロースを私は用いています。アガロース(あるいはアガー)に包埋する方法は、少なくとも脳試料においては頻繁に用いられています。私自身はゼラチン包埋をしたことがないので、どの程度の堅さになるのか分からないのですが、ふにゃふにゃして軟らかいということはありませんか?
(ii) の固定については、軟らかい試料をビブラトームで薄く (100 ミクロン未満) で切るのは難しいので、その後の行程に支障をきたさないのであれば、固定を強くして試料をより固くするのが手っ取り早いですね。またゼラチンに包埋する前に試料を直接固定するのも、試料をより固くするには良いのではないかと思います。
刃のスピードと振動についてはご存じだとは思いますが、「軟らかい組織ほど刃の振動数は大きく、進行スピードは遅く」というのがセオリーです。
特にこれといった tips を挙げられずに恐縮ですが、お役に立てば幸いです。 |
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