>[Re:4] ぎむれっとさんは書きました :
> 的確なご指摘をありがとうございます。
> まずは、神経分化と軸索の伸長の2点について調べたいと思っています。
> 化合物によってこれらが阻害されるのではないかと期待しているのですが、
> 逆に促進されてもおもしろいかなと思っています。
PC12は既にあげられてますが、有名な細胞です。NGFなので神経突起が伸びますので、その手のスクリーニングとしてよく使われてます。同時に細胞の由来からして神経とは言いがたいというのがこの細胞を使った時の問題点です。おそらく感受性も高いので、ファーストスクリーニングとしてはいい細胞かもしれません。もう一つ問題点は出回っているPC12は亜株とか、バリエーションがかなりあり、意外とほかのデーターなど再現性がとりにくいことです(これはこの細胞に限ったことでは無いですが)。
PC12は神経細胞でないという批判から、PC12ではなくニューロプラストーマにシフトした人やPC12のあとにそういった細胞で再確認すると言う人も増えています。N2aはマウスのニューロプラストーマで分化しますし、人の細胞も何種類かあると思います。たしかSK-で始まったりLN-ではじまるような名前だったと思います。細胞は理研の細胞バンクやATCCなどのホームページからニューロプラストーマで検索すれば見つかると思いますが、すべてがきれいに神経様に分化するかというとそうでもないので、神経分化に使われているかは、ひとつずつ当たってみるなりしないと、手に入れてからあまり分化しないというじたいになってしまいかねないです。
Gageらのグループは神経幹細胞の単層培養に成功しており、多分その細胞を売っていると思います。この辺になると上記の細胞株より少し難しくなってきます。確かにこの細胞は分化によって神経とグリアを作りますが、実際に幹細胞なのかと言う所でまとまったコンセンサスがありません。これに対してneurosphereと言う物がありますが、これもどこかが売っていると聞いたことがありますが、定かな情報でありません。ニューロブラストとグリアと幹細胞の混ざった塊で、ディッシュについたとたん、ニューロブラストが分化をはじめます。
そのた、ESやECを使った分化の系もありますが、突起形成などを見るというよりはもっと広い意味での神経分化になると思いますが、場合によっては使えなくもないかなとも思います。
> 記憶や行動への影響までは考えておりません。
> ひとまずは分子的な考察が目的です。
記憶といっても、CREBの燐酸化、カルシウムの下流のシグナル伝達は細胞レベル、分子レベルでよく研究されています。
> ウエスタンや免疫染色などで確認できれば良いなと考えております。
> タンパク質は既に同定しており、抗体も持っています。
どちらがいいのかなとおもいます。発現していなくて、過剰発現すると分化が促進するか分化の手助けをするようなパターン。すでに発現していて分化に影響をおよぼすような場合。分化に伴い発現が大きく変わる場合。お考えのたんぱく質の役割、挙動によって、選択する細胞が違ってくるかもなという印象もあります。脳の組織染色などもやった方がいいかもしれませんね。 |
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