最近は、コンピは買って使うのが当たり前みたいになって便利になりましたが、反面、基本的なことを学ぶ機会が失われてしまうみたいで残念です。
コンピーテントセルを作るとき、何のためにシングルコロニーをとるのか理解する必要がありそうです。
多くの場合、宿主菌が目的の機能を果たすためには、F'エピソームやある種のプラスミドを保持していなければなりません。ところが、継代培養や大量培養をしているうちにそれらを失う細胞が出現します。
そうなると、blue/white selectionができなくなったり(空のベクターが入ってもコロニーが青くならない)、タンパク質発現系のコントロールに必要な遺伝子(たとえばLacIやT7 RNA polymerase)が欠損したりします。
だから、コンピを作るときは、必要なエピソーム、プラスミドを保持しているクローンをM9最少培地や薬剤で選択してから殖やす必要があるのです。
いや、この場合選択の必要はないんだ、ということならわざわざプレートにストリーキングしてシングルコロニーをとらなくていいくらいです。
Tn5を持っていると言うことは、必要なエピソーム/プラスミドを保持しているクローンをカナマイシンで選択するためではないかと思いますが(株名をあげてくれていたら、すぐわかったことですが)、確認してみてください。 |
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