RNase InhibitorにDTTなどの還元剤が必要という意見もあるようです。しかしRT酵素自体DTTなどの還元剤がないと、活性が落ちるようです。
DTTは還元剤ですが、何でもかんでも還元するような強い還元剤ではありません。おもにたんぱく質ではシステインのジスルフィド結合を切ると言う様な作用ぐらいしか持ちません。確かインビトロジェンの解説では、最適な濃度はなくDTTが効いていて、還元的なコンディションであればいいと書いていたかと思います(スーパースクリプトの解説)。
実際、細胞内は我々がライセートなどで実験する環境より還元的で、ジスルフィド結合はあまり見られないと考えられていて(全くないわけでなくチオレドキシンなどで制御されているたんぱく質もありますが)、細胞を壊して実験する時は酸化的状況にさらされやすいので、システインが酸化して、任意にジスルフィド結合(関係のないタンパク同士や、同一たんぱく質内で)などを形成する場合が考えられ、その様なアクシデントを防ぐためにDTTや2ーMEはよく使われます。
制限酵素やPCRようの酵素にもよく入っていたと思います。 |
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