>まず、抗体は上述のように免疫染色、できればホルマリン固定の切片に使用し
>たいと思っています。こういった用途のために抗体を作る際はN末やC末などの
>ペプチドを免疫した方がよい、または全領域を免疫した方が良いなどの法則は
>あるのでしょうか?
普通は修飾やプロセッシングなどを受けていないことがわかっているほうの末端部位から、親水性やSurface probability,AI-Indなどを計算しながら少しずつ内部にずらして探していくという戦略でやっていきます。
全領域でやると経験的にあんまりうまくいかないことのほうが多いですね。それならばGSTやMBPの融合タンパクとして100~200アミノ酸程度を作成してやったほうがうまくいくことが多いです。
まあ生き物の話だから絶対うまくいく法則というのは無いです、
普通はペプチドとかでも2,3種類用意してやってみて
どれかうまくいけばOKみたいなかんじでやります。
>たとえば、ヒトサンプルで免疫染色に使用できている抗体を作る際に使用した
>領域を使えばマウスでもうまくいきやすいのでしょうか?(マウスとヒトでは
>その領域の配列が異なるため、その抗体自体の交差性は無いようですが)。
うーーん、一応参考にはすべきでしょう。
>第二に免疫した後のことなのですが、血清をそのまま免疫染色に使用してもよ
>いものなのでしょうか?それともProteinG精製や免疫抗体によるAffinity >colum 精製を行った方が感度が上がったりするものでしょうか?
やってもいいけど結果は汚い場合が多いですよ。感度というよりbackgorundが高くて何がなんだかよくわからんことのほうが免疫染色だと問題になるでしょうね。
>第三に、これが一番重要な疑問なのですが、血清もしくは精製抗体が免疫染色
>に使用可能であるというのはどう判断すれば良いのでしょうか?
>Westernで特異性を確認→免疫染色を試す→染まればOK、染まらなければ免疫
>染色には使用できないという判断方法で良いのでしょうか?
とりあえずはwesternして特異性を確認して次に免疫染色してみて
染まる→ペプチドを抗体にpre-incubateなどして免疫染色の像が消失するなどがあればもっと確実ですね。
染まらない→抗原の賦活化や固定法などを工夫すればできるように
なるときもあるので簡単にあきらめるべきではないです。
だから免疫染色が目的の場合、正直判断するのがなかなか難しいんです。
>最後に、皆様の経験的に免疫染色に使用できる血清、または抗体が作成できる
>確率というのはだいたいどの程度のものなのでしょうか?
うーーん、一概に言うのは難しいですが有る程度技術に習熟した経験者でとりあえずwesternに使える抗体は5割から8割程度、
さらに免疫染色や免疫沈降に使える抗体はその中の3割〜5割
程度ぐらいの気がします。 |
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