試料に付着した程度の血液は今の問題には関係ないでしょう。肝臓のように沢山血液を含む臓器でも還流せずにWBに供する事は普通にやりますから。ゲルのウエルのことも心配されていますが、これは考え過ぎでしょう。けっこうひどい出来のウェルで強引にやる事もありますが、それで特に大きなトラブルはいまのところないですし。抗体反応のステップは4CでO/Nか室温数時間程度かでどちらがよいかは抗体により違う場合もときにはありますが、それでも両者で結果が明瞭に違うようなことは経験ありません。せいぜいバックの程度とかシグナルの強さと言った程度です。剪断されていないDNAが多いと泳動パタンは乱れますが、遠心上清をつかっているということなのでたぶんこれも問題ないでしょう。(泳動試料には粘性はないですね。)
質問ですが、バンドがスメアというのは全蛋白質の泳動パタン自体がスメアになっているのですか。(つまりWB、抗体反応、よりも前の段階ですでにおかしいのでしょうか。それとも蛋白質の泳動は普通に見えていて、WBで検出されたシグナルがスメアになってるのですか。前者であれば神経組織ということを考えると、リン脂質など組織に由来する成分が蛋白質のSDS化などを妨害しているのかもしれません。ホモジナイズの液量:組織量はたぶん10%ホモジネートくらいと思いますが、5%とかもう少し低くしてみるとか、2XSBでなく1xSBに1/10量のホモジネート上清を混ぜるとかして、泳動試料のなかの組織由来の成分の割合を減らすようにしてみたらどうでしょうか。
後者であれば、その蛋白質の特性かもしれません。ポリユビキチン化とか糖鎖付加、脂肪酸付加と言った修飾などで、分子がわずかずつ分子量が違うヘテロな集団になっていると一見スメアーで、クリアなバンドにならない場合も珍しくないです。もちろんこの場合は、失敗ではなく分子の性質を反映した重要なデータになります。 |
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