>タンパク質レベルで確かに発現が抑えられているのであれば、mRNAレベルでも
>検出できる可能性が高く、実験自体も難しいわけではないと思います。
いやあ、決して簡単ではないですよ。以前のtopicでも出ててわかるように
かなりの人が失敗してますから。
>タンパクが確実に減少しているにもかかわらずmRNAの減少がreal timePCRで再
>現できません
おそらくRNAの変化が見れないのは、
自分の経験ではprimerの位置かもしれません、
誤解されがちですが、shRNAやsiRNAを取り込んだSliecer活性のある
RISCによるmRNAの切断はcomplementryな点で起きてる比較早い時間でおきているendo-clevage反応ですが、
その後、mRNAそのものの量の変化につながるような分解反応は
比較的kineticsが遅い未知のexonuclease活性によるものです。
ようするにshRNAを入れてmRNAは切れて翻訳にcompetentなmRNAはとりあえず
減少するので翻訳は抑制されタンパクは減少してますが
有る特定の時間で考えるとその時点でのmRNAの切断点以外の部分をみれば
決して量的に減っていえない場合はあります。
切断と分解はつながってますがイコールではありません。
下記の論文などを参考にしてください。
Orban TI, Izaurralde E.
Decay of mRNAs targeted by RISC requires XRN1, the Ski complex, and the exosome.
RNA. 2005 Apr;11(4):459-69.
Valencia-Sanchez MA, Liu J, Hannon GJ, Parker R.
Control of translation and mRNA degradation by miRNAs and siRNAs.
Genes Dev. 2006 Mar 1;20(5):515-24. Review.
そのためmRNAの5'付近に設計したshRNAなどによる切断効果を3'側などに設計したprimerで検出しようとしてもmRNAは切断はされていてもRT-PCRなどでは、
ほとんど量的には変化してないようなdataとして検出されることになります。
基本的にはprimerは切断点をはさむように設計してまた、24~72時間ぐらいの早い段階で、さらにmRNAの逆転写はrandom primerでなくoligodTを用いるようにしてみてやってみて、改善されるときがあります。
それでも変化が検出できなかったら、
non-cleavageなRISCにsiRNAが行って翻訳レベルでのみ利いてる
可能性は現実的にあります。
その場合はmRNAの量が変わってないのは正しいと結論するしかないですね。 |
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