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サザンブロットでのトラブルの解決方法について トピック削除
No.4309-TOPIC - 2007/05/30 (水) 19:41:57 - サザン
はじめまして。
現在サザン解析をしています。

マウスcDNAからクローニングしたシングルコピー遺伝子をPCR法によってラベリングし、これをプローブとして、別種のゲノムDNAにハイブリダイズさせ、その遺伝子の有無を確認しようとしています。

しかし、ハイブリ後にCDP-Starを用いて化学発行させ現像すると、DNAを流したレーン全体からかなり強いシグナルが観察されるようになってしまいました。制限酵素による差はほとんどなく、DNA全体が非特異的にプローブと結合してしまっているように思います。以前使ってうまくいっているメンブレン、プローブを用いても同様の結果しかでません。試薬等も作り直して実験してみたのですが、結果が変わりません。

もし解決方法が分かる方がいらっしゃいましたら、ぜひ教えていただきたいです。
 
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(無題) 削除/引用
No.4309-24 - 2007/06/05 (火) 20:42:49 - サザン
>geneさん

お返事ありがとうございます。

50ng多すぎでしたか…テンプレートを減らしてラベリングし直してみたいと思います。

2kb弱のテンプレートも長すぎるということで、反省しています。
PCRラベリングの特性をもっとよく考えてから実験するべきでした。

サザンを成功させている友人に自分の実験を見てもらったのですが、実験手法自体には特に問題点はないと言ってくれました。
今回色々教えていただき、プローブの問題がかなり大きいような気がしています。プローブをしっかり作り、改めてハイブリしてみたいと思います。

一つ自分自身で気になったことがあります。私はプローブを4℃保存していました。Rocheのプロトコールには−20℃保存とあります。4℃保存によってプローブが何らかの変性を起こしてしまう可能性はありますか?

(無題) 削除/引用
No.4309-23 - 2007/06/04 (月) 11:18:30 - gene
>やはり本の通りにやってみるのがベストでしょうか?

そうですね、開発メーカーは私たちが自前でするよりはるかに条件検討を重ねていますし、ユーザーからのフィードバックなど、情報の蓄積もありますから、まずは、メーカーのinstructionに忠実にやるべきでしょうね。逆に言うと、自己流の変更をしてやってみてうまくいかない場合は文句も言えないわけで。

PCRラベルで50 ng template(しかもplasmid clone)というのは明らかに多すぎでしょう。ふつうのPCRでもそんなにtemplate入れたら、おかしな副産物が増えまくりでしょう。hybridazationのときprobeの濃度は10 ng/mLくらいです。それだけtemplateがあるならなにもPCRでラベルしなくても、、、


2 kb templateというのも長すぎで問題だと思います。それだと、DIG-dUTP存在下では完全長まで伸びているのはごく一部だと思います。前に書いたような問題が起きますし、template全域が均等にラベルされたことにならないので、それでバンドが検出されたとしても、何が見ているのかわかりません。

DIG-dUTPの割合を減らしてやればあるいは伸びるかもしれませんが、比活性が下がります。PCRラベルが有効なのは数百bp (例えば300 bp)くらいだと思っていいです。また、たとえ完全長伸びたとして、プローブ2 kbの一本取り(つまり、プローブ一分子が2 kb)というのも好ましくありません。Hybridizatrionのkineticsを下げますし、hybridの安定性を逆に下げてしまう可能性もあります(たとえば、あるターゲット断片が、プローブの200 bp領域と相補だとしても、のこり1.8 kbとはハイブリしないのでhybridの安定性が低く、検出されないかもしれない)。

nick translationやrandom primed でのラベルだと、長いtemplateを使っても、全体が均質にラベルされるし、できあがったプローブは数百bpのランダムな断片になるので、そういった問題は起きにくいですが。

(無題) 削除/引用
No.4309-22 - 2007/06/03 (日) 11:15:17 - サザン
>geneさん

すみません、付けたしです。

DIG application manual for Filter Hybridizationもっています。
基本的にこの本と研究室にあるプロトコールを見て実験を進めています。

テンプレートを減らしてプローブを作製し直したのですが、スメアなシグナルは改善されませんでした。(テンプレート量は50ngまで減らしました。この本では10pgとなっていますが、ここまでは減らしていないのですが…私の研究室では50ngというプロトコールになっていたので。)テンプレートにはベクターに挿入してクローニングしたプラスミドを使っています。

やはり本の通りにやってみるのがベストでしょうか?

(無題) 削除/引用
No.4309-21 - 2007/06/03 (日) 11:09:12 - サザン
>かめさん

お返事遅くなり申し訳ありません。

PCRによるDIGラベルをしていて、確かに副産物が出てしまいます。
これらの副産物が非特異的シグナルの原因になっているのかもしれません。

確かにいちいち全部の実験をして条件を決めていると、
時間もかかってしまうし、失敗し続けるとかなり落ち込みます。

かめさんのおっしゃられているように、研究の練習と考え、
なるべく問題点が絞れる簡単な実験系を考えてみたいと思います。
アドバイスありがとうございます。

(無題) 削除/引用
No.4309-20 - 2007/06/03 (日) 11:04:45 - サザン
>geneさん

お返事遅くなり申し訳ありません。

私の研究室ではシングルコピー遺伝子の検出以外に、サテライト配列をプローブにしたサザンをやっている人たちもいます。
かなり前からサザンは行われているらしいのですが、みなPCRによるDIGラベルでプローブを作っています。

代用法など詳しく教えていただきありがとうございます。
これなら私の研究室でも試すことができそうなので、問題が解決しない時にはこの方法も試してみたいと思います。

(無題) 削除/引用
No.4309-19 - 2007/06/01 (金) 14:10:29 - gene
Rocheが無料で配布している(あるいはDL可能にしている)、「DIG application manual for Filter Hybridization」のプローブラベリング方法の項をみますと(ぜひ手に入れて読んでみてください)、

PCRラベルのトラブルシューティングで、この方法固有のトラブルとしてまさに、レーン全体が非特異的に染まる、というのがあります。
対処法としては、テンプレートを減らす、クローニングしたテンプレートを使う、というふうになっています。ランダムプライムではこのようなトラブルは記述されていません。

(無題) 削除/引用
No.4309-18 - 2007/06/01 (金) 13:43:12 - かめ
プローブのラベル効率が心配なら、一々ハイブリさせなくても、メンブレンの切れ端に段階希釈してスポットし、検出してみればいいです。ラベル試薬の説明書に、恐らくラベル効率の検定法は載ってると思います。
同じように、プローブテンプレートDNAや関係ないDNA(λとか?)を濃度や比率を変えてスポットしてハイブリ操作を行えば、ある程度問題点は絞れてきそうに思います(やったことないけど)。同じ物をいくつか作れば、温度検討も平行してできるし。

クリアして、いよいよ泳動、トランスファーとなったら、ばかっぽいけどプローブテンプレートの希釈系列とそこへ比率を変えてゲノムを混ぜたものからトライしたらいいと思います。

研究の練習と思って、効果的なコントロールと、問題点を絞れるなるべく簡単な実験系を考えてみてください。
フルコースで条件検討していると、無駄だし時間かかるし疲れるし、ハマって大変です。

(無題) 削除/引用
No.4309-17 - 2007/06/01 (金) 12:22:56 - gene
>ランダムプライムラベルは試したことがなく、また私の研究室では行っていないようです。試薬等の購入費の問題で、自由にできるかわかりませんが、できるならば試してみたいと思います。

やっぱりプローブが一番の問題のように思えてきました。
ハイブリをコンスタントにやっている研究室だったら、ラベルのシステムが複数常備されていてもおかしくないものですから。

HighPrimeをすんなり購入できそうになければ、DIG-dNTP mixはDIG PCR probe labeling kitのを転用できますし、あとはKlenow(これは必ずあるでしょう)とHexarandom primer (なければ、cDNA合成キットなどについているやつのあまりを転用するとか。買ってもあまり高くないし)を使えばできます。バッファは制限酵素のバッファで十分。

(無題) 削除/引用
No.4309-16 - 2007/06/01 (金) 11:39:56 - サザン
みなさまにさらに伺いたいのですが、
washなどに使用している試薬が問題となってこのような非特異的シグナルが観察される可能性はありますか?

成功していたときと失敗した時の境目には、なくなったので確かに試薬を作り直してはいるのです。ただ、それに気付いて一部の試薬をもう一度作り治しても結果が変わらなかったのですが…

もしよろしければ教えてください。

(無題) 削除/引用
No.4309-15 - 2007/06/01 (金) 11:36:47 - サザン
>geneさん

お返事ありがとうございます。

プローブは以前ラベルした残り、メンブレンもrehybridazationしたものです。突然非特異的にシグナルが観察されるようになってしまったのです…自分自身も前のやり方と全く同じようにやっているはずなので、かなり戸惑っています。

1)ハイブリバッファーは、rocheのものを使っています(水を入れて溶かし、そのまますぐ使用できるものです)。50度という条件は、私の研究室ですでに同じ実験をしている人がずっと用いている条件で、特に今回の私のようなトラブルには遭ったことがないそうです。Carrier DNAは入れたことがないのですが、私のような場合には入れると効果が出るのかもしれません。

2)ラベリングは、PCRを使ってDIGを取り込ませています。確かに確認の泳動をすると、目的ではないバンドも検出されます。このあたりもやはり検討してみる必要があるのかなと思いました。ランダムプライムラベルは試したことがなく、また私の研究室では行っていないようです。試薬等の購入費の問題で、自由にできるかわかりませんが、できるならば試してみたいと思います。

プローブは、十分量(もしかすると必要量以上)入れていますので、そのあたりも再検討してみたいと思います。

たくさんのアドバイスありがとうございます。

(無題) 削除/引用
No.4309-14 - 2007/06/01 (金) 11:25:15 - サザン
>magmagさん

お返事ありがとうございます。

使用しているゲノムは、以前から用いているものであり、
抽出にはフェノクロをしています。
OD値には特に問題ないように思いましたが、
ゲノムの純度の方ももう一度検討してみます。
ありがとうございます。

(無題) 削除/引用
No.4309-13 - 2007/06/01 (金) 11:09:12 - gene
今までうまくいっていた系なのに突然うまくいかなくなったという理由はわかりません。特に、以前うまくいったプローブ(以前ラベルして使った残り、同じロットということですよね)、同じメンブレン(同じブランドということではなく、rehybridizationということでしょうか)でもだめとなると、、、、

なので、そういうトラブルが生じたときの一般論として書きますが、

1)ハイブリバッファは何を使っていますか。formamide含、不含、あるいはeasyhybかしら。ハイブリ温度50℃ということはスタンダードなバッファとは違うように思えますが。いずれにせよ、DIGのデフォルトではCarrier DNAが入りません。たいていはそれでいけるのですが、クロスハイブリするようなときは入れると効果があります。

2)PCRでラベルしたということですが、PCR反応のときにDIGを取り込ませるという方法でしょうか。以前、他のトピでも書きましたが、PCRでラベルする方法は、収量はかせげるけれど、比活性が下がります。また、DIGラベルのヌクレオチドは耐熱性Polの基質になりにくいので、伸長が悪くなり、プライマー付近の配列ばかりがラベルされることが良くあります。プライマーダイマーや非特異的増幅産物(へたすると反復配列にありがちな単純な配列だったり)がラベルされてくる可能性もあります。結果、プローブの特異性を下げ、バックグラウンドを汚します。

PCRラベルはプローブの長さ、配列やプライマーによっていつでもうまくいくとは限りません。その点、ランダムプライムラベルだと、鋳型を選ばずコンスタントな結果が得られやすいです。ふつうのPCRで殖やした鋳型を精製して、ランダムラベル(HighPrime)でプローブを作るのをデフォルトにすることを強くおすすめします。

あとは、みなさんも指摘されているように、ターゲットの分解、乗せすぎ、プローブを濃くしすぎ、など基本的な注意事項を守りましょう。

(無題) 削除/引用
No.4309-12 - 2007/05/31 (木) 13:23:28 - magmag
ゲノムは十分きれいでしょうか。
欲張って沢山の細胞から抽出すると
余分なものが混入してバックグラウンドが高くなります。
そういう時は、どこをいじってもあまり改善しないという
印象があります。
260/280が良くても、フェノクロすると意外と汚かったりします。

(無題) 削除/引用
No.4309-11 - 2007/05/31 (木) 12:36:50 - サザン
>とおりすがりさん

お返事ありがとうございます。

ハイブリは50度なのですが、これでも低い方なのでしょうか?
そのままwashも50度で行っています。
一度うまくいっている条件なのですが、その後うまくいかなくなってしましました。そのようの場合でも、ハイブリの温度を上げていくことで非特異的結合は改善されるのでしょうか?
質問ばかりですみません…

(無題) 削除/引用
No.4309-10 - 2007/05/31 (木) 12:24:44 - サザン
>一産婦人科医さん

お返事ありがとうございます。
実は最初同種のDNAでうまくいっていたのですが、現在同種のDNAでもうまくいかなくなってしまっているのです…

RIで行う方がバックも少なくきれいな結果が出ると聞くのですが、私のいる研究室では現在RIを行うことができないのです。私自身もRI講習などを受けることができないため、使用することができないのです。
アドバイス通りにRIを試してみたい気持ちもあるのですが…
せっかくアドバイス頂いたのに申し訳ないです。

プローブは、1kb〜2kb弱のものを用いています。これは長すぎるのでしょうか?
クローニングする際にはpGEMベクターに入れてプラスミドとし、それからPCRを使ってラベリングしています。確かに確認泳動を行うと目的のバンド以外にもうっすら別のバンドも確認できます。ゲノムから直接PCRしている訳ではないのですが、やはりPCRの条件等も再度調整する必要があるのかなとも思います。
ありがとうございます。

non-RI 削除/引用
No.4309-9 - 2007/05/31 (木) 12:02:23 - とおりすがり
私もnon-RIでやっていますが、本当に高い温度で無いときれいに出ないことがありました。ハイブリ温度65度でやっているものもあります。
ターゲットの遺伝子にアイソザイムのようなものは存在しないのでしょうか?存在するとハイブリパターンが乱れた記憶があります。

(無題) 削除/引用
No.4309-8 - 2007/05/31 (木) 11:56:54 - サザン
>かめさん

お返事ありがとうございます。
blockについては、自分の研究室でいつも行われている条件で行っていました。説明書等は確認せずにやっていました…
きちんと確認してみます。
ありがとうございます。

(無題) 削除/引用
No.4309-7 - 2007/05/31 (木) 11:52:22 - サザン
>〜さん
ありがとうございます。
確かに私は、プローブを加えた後に空気を抜く作業などを、
かなりのんびりやっているかもしれません。
丁寧にしようと思いすぎて、ハイブリバッファーの温度がかなり下がってしまっているのかもしれません。
今度はそこにも気をつけてやってみようと思います。
あまり気にせずにやっていたことなので、大変勉強になります。
ありがとうございます。

washはあらかじめ温めておいたバッファーを使っています。

験し掘りサザンはRIに限ります。 削除/引用
No.4309-6 - 2007/05/31 (木) 10:03:43 - 一産婦人科医
まず文面から推測すると、プローブと同種のDNAでは上手く行くが、別種のDNAではスメアーになると言うことですよね。

これは典型的なノンスペですね。洗いの温度を上げると改善することがあります。唯ケミルミだと洗いの最中に効率がサッパリ分からないので、どの程度洗って良いのか分からないというのが問題になりますね。こういう試し掘りサザンでは特にRIの方が効果的です。

戦略的には、もし比較的長いプローブを使用しているのでしたら、もう少しプローブを断片化(300-500bp)してから再挑戦という方が早いかもしれません。
また盲点ですがPCRでラベルすると訳の分からない産物が出来ていることがあります。私もそういう経験があります。尻尾のゲノムで試しサザンを何回かやって確認したプローブが、ESのスクリーニングで突然動かなくなり、それからは尻尾のゲノムでも動かなくなるということが何度かありました。その場合テンプレートをpcDNAにしておくと改善されました。

(無題) 削除/引用
No.4309-5 - 2007/05/31 (木) 09:21:11 - かめ
私の経験ですが、non-RIのサザンでレーンが真っ黒になってました。
いろいろいじりましたが、それまでのRIでのノザンの時と同じようなつもりでblockをしていましたが、説明書を確認して規定量を用いたところ(それまで相当けちっていたことになる)
バックがすっかり無くなってバンドがばっちり見えて、大きなショックを受けたことがあります。

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