いつも参考にさせていただいております。本日は、原因が良く分からない事由によりクローニングが滞ってしまったため、原因や解決法など教えていただけないかと思い、記載させていただきました。現状を以下に記します。
【遺伝子Aのクローニング】
・とある遺伝子Aをクローニングしていた
・両末端に制限酵素サイトをつけたプライマーで増幅
・目的位置に増幅を確認
・増幅断片を所定の制限酵素で処理
・同制限酵素で処理したpcDNA3(AP処理済み)とライゲーション
・DH5αにトランスフォーメーション
・生育コロニーを8つ、爪楊枝でピックアップし、BANKプレートに植菌
(BANKプレートは37℃で一晩培養後、4℃で保存)
・植菌後の同爪楊枝をcolony direct PCR用反応液を分注したPCRチューブに挿す
・T7,Sp6を用いてcolony direct PCRを行う
・colony direct PCR samplesを直接シーケンス
・クローニングPCR増幅操作による塩基置換が起きていないのは、8個中1個だった
【プラスミドA(遺伝子A)のプラスミド抽出】
・このポジティブ1個を、BANKプレートより取り、LB(amp) 3ml culture
・16時間後、培養液1.5 mlを用いてプラスミド抽出
(エッペンドルフ社抽出キット使用)
(このとき、別のプラスミドBの入った菌体についても同操作でプラスミド抽出)
・抽出プラスミドをA260とA280で定量
(個人計算ではなく、PCとの連結による測定・定量プログラムを使用)
・濃度は充分にあり(プラスミドBについても同様)
【プラスミドAの制限酵素チェック】
・200ng分のプラスミドを、EcoRI,NotIでcutし、チェック
(プラスミドBについても、制限酵素cutチェック)
・半量電気泳動
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・プラスミドAが見当たらない
→処理断片が見えない(1300bp+ベクター)
→切れ残りと思われる断片も存在しない
・同抽出キット使用のプラスミドBは切断確認
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・抽出キットの不良品にあたった可能性もあるため(過去に経験あり)、残りの培養液で再度抽出、濃度充分、制限酵素処理するが、プラスミドAは存在しない・・
・翌日、もう一度BANKより培養したものを用いて、抽出、定量、酵素消化するが、上記同。
【BANKからの画線培養と、colony direct PCR】
・本当にプラスミドはないのか??BANKから画線培養を行う
・生育コロニー5つを、colony direct PCR
・適切な位置に、増幅断片確認
以上が現在の状態です。
本日、この画線培養からcolony direct PCRにかけた5クローンのBANKから液体培養を行い、明日、プラスミド抽出して確認する予定です。
生育させたプレートや液体培地は全ての過程でLB(amp)であり、生育コロニーは全てamp耐性遺伝子をもつ菌であるはずなのに、プラスミド抽出でプラスミドAのみが消失してしまうのはなぜなのでしょうか??使用したプレート、液体培地は、フレッシュなもので、ampがへたっていたとは考えにくいとおもいます。それぞれ、final 100 ug/mlのamp濃度になっています。
明日のプラスミド抽出でものが取れれば、問題自体は解決するのですが、いかんせん理由がわからないので、気持ち悪いのです。こちらでも、理由を考えてみたのですが、しっくり来ません・・・・
キットの不具合・・・といっても、プラスミドAに用いるもののみ、不良品にあたる確率はものすごく低いと思います。
何かご存知の方いらっしゃいましたら、教えていただきたいと切実に思っている次第です。長文になりましたが、よろしくお願いいたします。 |
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